世の中には、すいぶんと不思議なことを考える人がいるものだ。
手元にある『異常兵器カタログ』を見ていると、つくづくそう感じざるえない。よくもまぁ、次から次へと妙なことばかり考えたものだと、素直に感心してしまう。
こう書くとなにか他人ごとみたいだが、私にも責任がないわけではない。それどころか、こうなったそもそもの原因は自分にあるのだ。かといってこれを認知して良いものかどうか、私には良く分からない。知らないうちに子供がいっぱいできてしまったもので、楽しくもあるが頭痛がするのも事実だ。そんなことで、いささか脳味噌が真っ白になっている今日この頃なのだ。
ところで『異常兵器カタログ』というのは、航空宇宙軍史に登場しなかった超兵器のカタログだ。ただしそれらの兵器は、幻の超兵器でもあった。机上のプランだけで終わったものや、試作の段階で終戦になって陽の目をみなかったもの、それに一部が実戦に投入されたが結局使いものにならずに放棄されたものもある。
もちろんこれは読者の遊びで、作者自身は関与していない。しかし、もともとは航空宇宙軍史がベースになっているわけだから、認知をせまられたらどう返答していいものかよくわからない。それはともかく−−−。
ことのおこりは、『闇討ち一号』だった。
谷甲州 『巡洋艦サラマンダー(ハヤカワ文庫JA)』あとがきより、
緻密に構築された理論の前には、すべての現実は空しい。
というわけで、青年人外協力隊初期作品のうちから「異常兵器カタログ」をお届けする。
「異常兵器カタログ」は最初、人外協の連絡誌『甲州画報』に掲載され、一部は正会誌「こうしゅうえいせい」に転載された。
これらが掲載されたのは、80年代末であり、今日の観点から改めて見直した場合、
問題点は多々ある。しかし、ここでは青年人外協力隊の活動の足跡を辿るという意味から、
大幅な修正・訂正はおこなわず、ほぼ原本のままここに転載する。
ただし、完全な再現は不可能なため構成や、明らかな字句の誤りなど一部は修正した。
なお、ここに転載された原稿の多くは、これが書かれた時点において、すでに
電子メールによる入稿が行われていた。
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