谷甲州デビュー20周年記念
パーティレポート


20周年記念パーティー(テープ起こし)

司会:開会宣言

 それでは谷甲州先生、作家デビュー二十周年記念パーティーを開かせていただきます。私、本日の司会をさせていただきます青年人外協力隊、天羽孔明です。
 それではまず乾杯の音頭を、大迫公成様に取っていただきたいと思います。大迫様よろしくお願いいたします。

大迫公成:乾杯の辞

 大迫です。どうぞよろしくお願いいたします。
 バリバリのプロの方がたくさんおいでになりますのに、私みたいな者が乾杯の音頭なんて僭越なんですが、まあ年が一番くっているだろうという選択だと思います。
 記憶に鮮明なんですが、随分前にヒマラヤの奥地から新進作家が現れまして、それを最初に読んだ時の衝撃というのを覚えています。当時はインターネットも日本にはなくて郵送で送られた原稿だと思うのですが、見事に新人賞を取られまして、それが最初の私との出会いだと思うんです。
 その後、情報の波を未来に送られまして、SF界をリードする、非常にハードSFファンとしては頼もしい友人であり、プロであり、山屋という尊敬する方だと思います。
 それでは長いこと言っててもナンですので、乾杯に移りたいと思います。よろしいですか。それでは二十周年おめでとうございます。乾杯!

司会

 大迫様ありがとうございました。続きまして本日のゲストから祝辞を賜りたいと思います。まず、ハードSF作家、堀晃様、よろしくお願いいたします。

堀晃:祝辞

 谷甲州さん、二十周年おめでとうございます。
 作家の寿命二五年説というのがありまして。これを唱えたのは荒巻義雄先生でございますが、あの人も二五年はとっくに過ぎて老いてますます盛んというか、改名されまして、ひらがなの「あらまき」という風に変えましたが、谷さんも後五年経ったらひらがなで「たにこうしゅう」となるのでしょうか。よくわかりませんが。
 二五年の寿命なんて関係なしに谷さんの最近の活躍を見てますと、もう三十年、四十年ますます世界が広がっていくような気がいたします。真面目なこと言い過ぎましたが、そういうことでございます。
 ここは、谷さんの人徳というか、人外協がおれば、まぶだちの会がおりまして、SF作家クラブの数人もいますれば、関西にいる宇宙作家クラブというのがまた出来まして、そこの中心人物もほとんど来ているという。何かこう、谷さん居るところ全部そういう者が固まって、実に複合的な会になっていきますけど。
 谷さんの作品も宇宙SFは勿論ですけど、冒険物からポルノまで幅を広げてて、多分何年かしたら、時代小説も書き出すんやないかという予感もするんですが。そういうことで今、(住所が)小松ですけども、何かあればこういう風に関西に来てくれてて、何というか関西のSFの中心の台風の目として、これからもまた十年目二十年目にこういう風に、仲の良い人達で集まれれば嬉しいことです。
 私もその周辺でうろうろしておりますので、また呼んでいただきたいと思います。どうもおめでとうございます。

司会

 堀先生ありがとうございました。
 続きましてSF作家、草上ヒトシ様にお願いいたします。

草上仁:祝辞

 ご親族ならびにご来賓の皆様、本日は誠におめでとうございます。
 草上ヒトシ、違う違う、草上ジンでございます。
 先程ですね、シャンペンを配っていただきまして、「これは乾杯用ですから」という言葉を効く前に飲み干したのは私です。
 今回は谷甲州先生二十周年。何でしたっけ、山岳SFと土木小説?あ、土木SFと山岳小説の第一人者ということで、本当にもう二十年経つんだなという風に思いますけども。そのデビュー作を拝見してからもう二十年経ってしまったということで、まだまだ若く見えますし、ますますご活躍いただけるんじゃないかなと。また、三十年四十年五十年という時にお招きいただければと思います。
 と申しますのは、確か十周年の時でしたか、やはり大阪のホリディインでやった時にお招きいただきまして、その時には甲州ワインを瓶と袋入りでいただきまして、その後やはりミュンヘン(ビアホールの名前)だったと思うんですが、二次会に行かしていただいてお話しをさせていただいているうちに、どういう訳かミュンヘンへ行きますと正体不明になる癖がありまして、帰りの電車の中で、貰ったワインから手帳から、定期入れから財布から、全部落っことしてですね、翌日から会社に行けなくて大変難儀をした覚えがございます。今日は是非、明日あさって無事に家に帰り着きまして、来週から会社に出られるようにしたいと思います。
 何の話をしているのかだんだん分からなくなって来ましたが、とにかく二十周年おめでとうございます。これからもずっとお元気で百周年まで頑張って下さい。

司会

 草上仁先生ありがとうございます。
 続きまして本日の主催でございます、谷甲州黙認ファンクラブ青年人外協力隊3代目隊長、落合哲也よりご挨拶がございます。

落合哲也:挨拶

 どうも、谷先生今日は二十周年おめでとうございます。皆様もお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 先程、堀先生の方からですね、ポルノという一言が出て、麻梨香ちゃんと舞ちゃん(谷先生のお嬢さん)が顔を見合わせておりましたが、決して谷先生はポルノを書いたりしていません。エロSFです。大変楽しませていただきました。
 そういう、谷先生の最近の挑戦を見ても、やはり根底に流れる本格SFの血といいますか、そういったものに惹かれてこれだけの、特に人外協の連中はそうなんですが、集まってると思うんですが。まあ単に宴会したいだけかもしれませんが。
 そういう二十年経っても常に、あっ!この作品はまたこんな所が凄い!といったような所が発見できる、すばらしいSF作家として、大変尊敬させていただいております。そんな先生の二十周年パーティーを開かせていただけるのも、大変ありがたいと思っています。(長い間) えー、何も考えてないのがバレそうです。
 そろそろこの辺でご挨拶の方は終わりにして、皆さんもっとまん中の方に寄っていただいて、恐らく、特に先生方面ですけども、顔を合わすのもお久しぶりの方とかもいらっしゃるでしょうし、たっぷりとご歓談下さいませ。その後お楽しみの時間が始まります頃に、

司会

 司会の仕事!

落合

 皆様、お荷物等、邪魔なものがございましたらクロークの方に

司会

 司会の仕事!

落合

 ちょっと突っ込むのが遅すぎですね。ちょっと寂しかったです。
 という訳でございまして、本日は二時間と限られておりますけれども、存分に楽しんでいっていただきたいと思います。


祝電披露

 ★おめでとうございます。本日は出席できず、残念ですが、これからもますますご活躍されるのを楽しみにしております。SFを書いて下さいね。(足立真一・泉)

 ★甲州先生、二十周年おめでとうございます。記念すべき百周年パーティーは我々が主催します。(人外協内反乱組織外惑星連合一同)

スライド上映:

  「甲州二十年のあらすじ」

パティーの中味は、、、


谷甲州:挨拶(注:少し酔っておられたようです)

 こういう場合はやっぱり何かウケを狙うて、バアっと言わないかんのですが、ボケも出てこにゃ、ツッコミも出てきませんので。えー、すまんなあ。(子供が前を走り回るのを受けて)もうじき終わるからな。二五年で終わりやいうから、あと五年経ったら終わりや。
 えー、二十年前に、、、(思い出し笑い)さっきウチワで言うてた話をつい思い出して、、、二十年前に五人出まして、谷甲州という人と、岬兄悟という人と、森下一仁という人と同んなじ月でした。その年の秋に野阿梓と神林長平と二十人が、、、二十人やない五人が二十年前に出て、、、、、(笑)その先はちょっと話せんわ。
 二十年前には○○○○さんという方もちゃんとおりますので。(笑)いや、笑ろたらいかん、笑ろたらいかん。皆さん一生懸命やっておられる。

司会

 甲州先生、みんなが待ってるのはその後の話です。

 とても素面では話せんわ。
 ということでございまして、今年は1999年なので、少なくともあと四十年か五十年はしつこく小説を書くつもりなんでございまして、
 これだけは、言い忘れてましたけども。ポルノではありません!エロSFでもありません。嗜虐と倒錯です!(会場拍手)まあこんなもんでよろしゅおますか。
 ありがとうございました。




●活動事例に戻る