《巻頭言》
「航空宇宙軍をいまこそ全人類の学校に!」
林譲治(月刊「航空宇宙」誌社長・元航空宇宙軍艦政本部長)
さきごろ我らが航空宇宙軍外宇宙艦隊が誇る新鋭艦、カンチェンジュンガ級宙域制圧戦闘母艦三番艦アコンカグアがシリウス星系での就役に出立した。これは一つシリウス星系における秩序の確立において確固たる地盤を築く行為であるばかりでなく、我々人類が外宇宙へ進出するための橋頭堡を確保すると言う重大な使命を帯びたものである。 人類の発展と言う崇高なる使命を果たさんがために二度と地球の土を践むことない決断をした我らが航空宇宙軍外宇宙艦隊のアコンカグア乗組員英雄諸子におなじ人類の一員として感謝の気持ちを表すことは本当の地球人であればなんと自然な感情ではなかろうか。
だがしかし、光あるところに影がある。献身的な英雄達が次々と宇宙開発の最前線に飛び立つ影で、いたずらに惰眠をむさぼる愚民どもがいかに多いことか。昨今のように民主主義の美の元に航空宇宙軍の崇高なる使命を故意に落しめ、あまつさえ軍縮などと言う暴論が横行する風潮はまことに憂慮せざるをえない。
軍縮などという不浄な考えを抱く愚民どもは、アジア・アフリカの心ある若人達が民主主義国家ではなく、他ならぬ航空宇宙軍によって地球でも最高水準の教育を受けている事実を知っているのだろうか?
外宇宙の植民地で選ばれた英雄達にいわゆる民主主義国家はいったい何をしたであろう。多くの植民地が民主主義ではなく、我らが航空宇宙軍の軍政を選択している事実をどう解釈すべきであろうか?
真実を直視する勇気と人並の知性さえあれば民主主義などという前近代的なシステムよりも航空宇宙軍の軍政こそが人類にとって優れた社会システムであることが理解できるであろう。しかるにこうした道理が理解されない嘆かわしい風潮が支配的だ。これこそ教育の貧困といわずして何と言えばよいだろうか。
私はここで提案したい。すべての人類に正しい思想を、合理的な物の考え方を教えるために地球の教育機関を航空宇宙軍の管理下に置くことをだ。航空宇宙軍は新しい世代の人類を人類としての使命感をもった不屈の英雄に育て上げることだろう。教育機関関係者の一考をお願いしたい。
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