ジャカルタからの手紙14

川崎[漁師]博之

 地球サミットに日本の首相はあまりにもご多忙ということで出席されなかったようですが、どうせビデオなんかで顰蹙を買うんだったら出席して「我々は新たな『地球環境管理理事会』の設立を提案する」とか言って欲しかったなぁ。何考えとんじゃ、とか言われるでしょうが・・・。安全保証理事会の常任理事国になったって伝家の宝刀『拒否権』が自ら抜けないような気がするんですが・・・。それよりも、ねえ・・・。

 先日、プロウスリブのコトック島で潜っている最中、ジンベイザメに出会ってしまいました。体長四メートル程のまだ子供なんでしょうが、水深九メートルのところを我々が浮上しかけてた時に、我々から三メーター程離れた真横を泳いできたんです。その間一〇秒ほど。その時私が手にしていたニコノス(水中用カメラ)には接写用リングを取り付けてあったため、写真は取れずじまい(焦点距離が三〇センチ弱のところに固定されてしまうため)。この一生に一度しかないかも知れない機会を失った私は、水中で叫んでしまいました
「アホンだら!こんな時に出てくんなや!」
 本当に手前勝手な言い方である。大阪の海遊館に居るジンベイ君は元気なんだろうか。何やら親近感を覚えてしまった。

 甲州ファイル第一号に『一九九二年はオークランドかも知れない』と書いて結局ジャカルタに居付いたままでしたが、一九九三年にはジャカルタを離れるのは確実です。で、次はといいますと『オーストラリアのタウンズビル』です。八割方決まっているので大丈夫です・・・だと思うけど・・・。来年も日本以外に住むことになったら進級?昇進?させてもらえます?『地球征服先遣隊長兼任』が嫌いになった訳じゃないんですが・・・。

 小説すばる二月号掲載、谷甲州『白き嶺の男ー沢の音』から、『自然を愛するということが、本当はどういうことなのか。ある山男の生きざまがそれを教える』
 おーい、超人は何処へいってしまったんだぁ。変にこだわる奴である。

 甲州ファイル第三弾は一応パソコンで入力して、フロッピーで原稿を送るつもりだったんですが、どえらいまぬけをやらかしてしまった・・・。複写用のフロッピーを初期化した時、何と原稿を入力したオリジナルフロッピーを初期化してしまったんですぅ。はぁぁぁ・・・(あぁ・・・こうして書いているとまたどっと疲れが出てしまう)。その上そのフロッピーには新松LTの辞書ファイルも入ってたんですぅ。予備コピーも取っていなかった。はぁぁぁぁぁぁ・・・。

敬具



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