奈良盆地の中央部、橿原市から大阪には近鉄八木駅から大阪線で上本町、難波へ向かう方法と橿原神宮前駅から南大阪線で阿部野橋へ向かう方法がある。
けっしてJRを利用しようと考えてはいけない。蛇足ながら書いておくと、奈良県内を移動する際、そして県外から奈良県内に移動する際にも電車を考えるなら近鉄を利用すべきであって、JRを考慮する必要はない。ましてや橿原神宮や神武天皇陵に行くのに最寄りのJRの駅(畝傍駅かな)を目指すとかなり苦労するだろう。
その近鉄南大阪線で橿原神宮前駅から阿部野橋へ向かう途中、古市駅と藤井寺駅の間に道明寺駅(大阪府藤井寺市)がある。ちなみに道明寺駅から柏原駅までの区間が近鉄道明寺線だ。
長年、この駅を通過た回数は多い(普通、特急や急行に乗るので乗車した電車が停車することもない)が一度も下りたことはなかった。
道明寺へ行く、
道明寺駅に周辺には、道明寺天満宮と蓮土山道明寺、応神陵などがある。その他にも、サントリーの道明寺工場があったはずだが、、、今はもうないのかも。
道明寺駅の南側から、西へ少し歩くと右手に道明寺天満宮が左手に道明寺が見えてくる。
道明寺天満宮は名前からしても菅原道真を祭っているのは間違いない。で、道明寺は尼寺らしい。
道明寺と言えば、桜餅。
しかし、桜餅に使う道明寺粉(乾燥した餅米(糒)を挽き粉状にしたもの)と道明寺が関係があるなんてことは知らなかった。どうやら道明寺で最初に作られたという伝説があるらしい。
でも、道明寺の周辺で桜餅を売っている和菓子屋は見つけられない。まぁ、桜餅なんてどこでも売っているんだから、いかに原材料発祥の地と言ってもわざわざ道明寺まで来て買うほどのものでもないから、どうでも良いんだけど。
どこでも売ってる桜餅が見つからなかったのは季節のせいか探索のしかたが甘かっただけで、天満宮の持つ梅のイメージに配慮してってことはないだろうとは思う。
ついでに言っておくと、わざわざ桜餅を自分で購入するなんてことがないので関西の桜餅と関東の桜餅が違うものだってことも結婚するまで知らなかった。知らなかったというか、関東の桜餅を見たことがなかった、もしくは目にしても桜餅だと認識していなかったというのが正しい。長命寺と言う呼び方もこの文書を書くために調べて初めて知った。
道明寺の由来を調べる。
菅原道真の祖先にあたる土師氏の氏寺で、道真が大宰府に左遷される途中にも立ち寄った。後に道真が寺に残した木像を祀り、土師寺を道明寺に改称した。これは道真の号である「道明」に由来する。明治の神仏分離の際、道明寺天満宮と道明寺を分け、道明寺は道を隔てた隣の敷地に移転した。
って、それじゃ道明寺天満宮の方が本来の道明寺じゃないかというような気がする。
道真が伯母の覚寿尼と別れを惜しんだ故事は、人形浄瑠璃・歌舞伎の『菅原伝授手習鑑』「道明寺」の場にも描かれている。
あれ、「娘道成寺」って歌舞伎の演目で言えば「京鹿子娘道成寺」。登場するのは菅原道真じゃなくて安珍と清姫(「娘道成寺」は「安珍・清姫」の後日談なので直接出てくるわけじゃないらしい)じゃないのか。
と、この文章を書いている、たったいままで「道明寺」と「道成寺」の区別がついていなかったことに気がついた。発音が似てるし、字だって似てないわけでもない、それに区別できていなくても日々の暮らしに支障があるわけでもなし、だいたい混同していることを他人に悟られるような機会もそうそうあるわけではない。
成人するまで奈良県中部に住んでいたら、和歌山県にある道成寺より大阪府にある道明寺に少しくらい親近感を持っていてもしかたないだろう。いや、区別がついていなかったのだけど。
奈良県民にとって(おそらく)和歌山県も大阪府も奈良県の隣だけど、心情的には大阪府の方が和歌山県よりもかなり近い位置にあるはずだ。
道成寺の最寄り駅はJR紀伊本線道成寺駅、御坊の隣の駅。ここしばらく近所を通って行くことが多いような気がする。だけど、いまさら道成寺に行くわけにも行かないので、ネットで調べる。
情報だけを書いておくと、
大宝元年(701年)、文武天皇の勅願により紀大臣道成が建立したとされる。奈良時代にさかのぼると思われる千手観音像があり、境内から奈良時代の瓦が発掘される。
うーん、道明寺より時代が古そうだ。