『ふるさとは遠きにありて思ふもの』というタイトルの詩を書いたのは、誰でしったっけかね・・・。まぁ、誰であってもこの際いいのですが、折角の機会なので、調べてみました。いや、文字数稼ぎにもなるしさ。(笑)
・・・でっと、なるほど、そうか。この詩を書いたのは、室生犀星さんだったのね。んで、この『ふるさとは遠きにありて思ふもの』という詩は、「抒情小曲集」の中に収録されている、「小景異情(その二)」であると・・・。へぇ〜、そうなんだ。こうして、またひとつ知識が増えたよ。よかったよかった。
さてまぁせっかく調べたので、今回の雑文は、この『ふるさとは遠きにありて思ふも』に絡めて書いていきましょうかね。
◎ふるさとは遠きにありて思ふもの
考えてみれば、ボクは大阪生まれの大阪育ち。これまでの人生で、10回以上は引っ越しを繰り返しているんだけど、大阪市内と、今住んでいる市以外の土地で暮らしたことってないんですよ。なので、ふるさとって、なんか昔から憧れているわけです。ならばいっそ大阪を出て、どこか遠くの土地で暮らしてみれば、大阪を外から眺められて、かつ、「遠きにありて思ふもの」なんてな気分になれるやもしれませんが、あいにくとボクには出来そうにありません。だって、ぼくにとって大阪は、どこよりも、もっとも住みやすい土地だと思えるからです。
大阪には、兎を追うような山はないけど、小鮒が釣れる川ならなんとかあるしね。やっぱりふるさとは、近くにあったって、色々と想ったりするわけですな。
そうそう、うちの奥さんは、生まれ育ちは滋賀県の大津市なんです。ボクと結婚して、ここ大阪に住むことになり、もう後数年もしたら、大阪での生活の方が、滋賀県時代よりも長くなるはずです。でも、うちの奥さんにとっては、大津の方が、いま住んでいる土地より、ずっと住みやすいし、大津へ行くと、「あぁ、帰ってきたな」って気分になるそうです。滋賀県は、大阪府とは隣同士ではないけれど、同じ近畿なんですよね。それでも、ずいぶんと環境は違うようです。まぁそりゃそうですよね。ちょっとした風習だって、やっぱり各都道府県によってまちまちだもんね。だからこそ、ボクだって、大阪を離れたくないわけですもんね。
さてここで今、奥さんに、「あんたにとって、ふるさとは、遠きにありて思ふものか?」と聞いてみたところ、「なんのこっちゃ、それは。質問の意味がわからんがな」って言われてしまいました。そりゃそうだ。なんの説明もしてなかったもんね。で、改めて、簡単な説明をした後、同様の質問をしたところ、「遠くで思うもなにも、私は大津に戻りたい」と言われてしまいました。うむむむむむ・・・。(汗)
◎そして悲しくうたふもの
そうやねぇ・・・、まぁ、悲しくうたったりはしないかもね、大阪。でも大阪の街は、ブルースの似合う街やないかと思います。ジャズやないんですね。ましてやラテンリズムでもないの。でも、なにがきたって受け入れる、そんな懐の深さは感じます。
悲しいことがあったって、なんとか笑いに持っていく街。顔で笑って心で泣いて、泣いた涙で薄めた酒を、一人寂しく飲んでいる。・・・って、あれ? なんか、演歌っぽくなってしまったよ、てへ。
◎よしや
◎うらぶれて異土の乞食となるとても
◎帰るところにあるまじや
よしや? よしやって、なんや? よもや?
これも調べてみたら、「たとえ」とか、「かりに」って意味やったのね。ってことは、たとえ異国で乞食になっても、ふるさとってのは帰る場所じゃないんだよって意味なのか・・・。おぉ〜い、そうなんだってさ、奥さん。えっ? 辛くなったらすぐ帰るって? あぁやっぱりね。(笑)
◎ひとり都のゆふぐれに
◎ふるさとおもひ涙ぐむ
って、いいじゃん。帰れよ、んで、もう一度やりなおしたらえぇやん。
そういやさ、NHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」の中で、ドンガバチョが、「今日がだめなら明日があるさ。明日がだめなら明後日があるさ。明後日がだめなら明々後日があるさ。どこまでいっても、明日がある」なぁんて歌ってましたよね。うん、なんかいいよね、この歌。ボクは好きだなぁ・・・。つらくったって、よし、もうちょっと頑張ってみよって気になるよね。うんうん・・・。
たださ、この室生犀星さんの詩では、この後、「そのこころもて、遠きみやこにかへらばや」って言ってんですよね。つまり、この詩もまた、ドンガバチョとは言い方(表見)が違うけど、「もうちょっとがんばれよ」って言ってんのよね。なんか、ちょっと好きになってきたよ、室生犀星。いいじゃん。こんど、ちゃんと『抒情小曲集』をよんでみようかな。うん、そうしよう。今回こうしてネタにも使わせてもらったしね。それが礼儀だよね。うんうん。
ん? なんか、当初書こうと思っていたものと、まったく別のモノを書いてしまいました。でもまぁあれです。色々と脱線したりして、なんの埒もないこんな雑文を、ただ思いつくままにぐだぐだと自由に書ける、この人外協という場所は、ある意味、ボクのふるさとなんでございましょうなぁ・・・。