みなさん、おはようございます。
さて、第三勢力の持ち回り連載は、今回のボクのこの原稿をもって、ついに第六シーズンに突入いたしました。これほどの長期間続けることが出来たのは、ひとえに皆様の応援があったればこそと、感謝いたしております。
なんかボクもよく知らないことなんですが、先日発売の『こうしょうえいせい』の紙面上で、どこかの誰かが、第三勢力は第五シーズンの終了をもって解散しようなんて提案したらしいのですが、このボクがそんな暴挙を許すはずもなく、こうして無事に第六シーズンを開始することが出来ました。しかし、戯言とはいえ『解散』の声が出たということは、ここいらが第三勢力の転機ではないかと思い、『解散』という言葉の重みを真摯に受け止め、今シーズンはこれまでのふざけたものではなく、もっとアカデミックに行こうではないかと言うことになり、勢力員全員が会議の上に会議を重ねた結果、中学二年の教科書からタイトルを決定することになりました。
アカデミックな第六シーズン。楽しんで頂ければ幸いです。
1月1日・・・、
『一年の下和のはしめ出る日も光まはゆきあら玉の春』
『ふる年もひと夜あくれば二日酔また初春にむかえ酒かな』
2月1日・・・、
『見わたせば柳桜はまだなれど浦のとまやに春はきにけり』
『夜の間にたれか霞の大あみをはるやきぬらん四海一面』
3月1日・・・、
『にぎやかに小松をひきて三味線のいとおもしろきねのひこそすれ』
『朧夜の空うす墨のりんし梅天気よろしく香をくばる花』
4月1日・・・、
『さくらあめいさむ子供の駒下駄に乗初もよし売初もよし』
『寿のあたまもなかき春の日のわらう門にはきたる福禄』
5月1日・・・、
『軍学の心の種か苗代は時をたかえぬ水のかけ引』
『雨の音千の矢先とふりしきてさつきの花のうたれてそちる』
6月1日・・・、
『何喰ん顔してゐれとうき時は胸もふさかり腹もふくれつ』
『酒ならは色にも出てしらせなん猩々舞のみたれそめつと』
7月1日・・・、
『正直のかうべをあけてなかむれは七福神のいますがごとし』
『背も腹も蚤にくはれてかゆければよるの衣をかへしてそ着る』
8月1日・・・、
『てりわれて空やちいさくなりにけんめくるにあまる夏の夜の月』
『天に口ありとしきけはあつさにてのみたる水をはくか夕立』
9月1日・・・、
『名にしおふこよひの月は近江にも奈良にもまけぬさらしなの里』
『唐土の方へゆかすと我国にとどまれ秋の仲まろの月』
10月1日・・・、
『里の子に追いかけられていか栗の地をにけまはる風のはけしさ』
『けに酒は憂をはらふははきなれとはいてはちりにまさるきたなさ』
11月1日・・・、
『紅に色つく木々はゆてたての鎌倉海老のあしからの山』
『鐘ついてはなれかたなの別路に我たましゐやぬけ出ぬらん』
12月1日・・・、
『白粉にまさりてしろき雪女いつれけしやうのものと社みれ』
『行人をいま半道とおくる身もわかれかねてはまた一里塚』
以上、『英語 寿伝夷(あいだ じゅでい)狂歌暦(きょうかごよみ)』より、1日の項目をピックアップしてみました。