シンデレラの憂鬱・第35回

第三勢力:竹林[ほらふきどんどん]孝浩

 明けましておめでとうございます。2003年最初の第三勢力の頁です。
 さてこのページは第三勢力の各メンバーが回り持ちで原稿を書いています。タイトルはWebサイトを見てもわかるように原稿を書く以前に決まっております。タイトルは個人の意思には無関係に適当に決定され、与えられたタイトルに即した内容について各自が一生懸命考えながら原稿を書くというシステムになっております。毎回適当なことを書いているように見えるかもしれませんが、そこにいたるまでには長くつらい道のりがあったりするのです。
 決して締め切り直前になって慌てて書いているわけではありません。かなり以前から入念な準備をした上で原稿が書かれているのです。実際に今回の原稿を書くにあたっても、すでに昨年の11月時点でわざわざ北海道まで取材旅行に出かけていたりするのです。

「シンデレラとガラスの靴」
 最初はタイトルにもあるシンデレラに関してです。
 シンデレラといえばガラスの靴、ガラスといえば小樽というわけで、まず最初の目的地は小樽です。北一硝子で有名なガラスの街小樽ならひょっとするとガラスの靴も売っているかもしれません。
 11月下旬といえども、さすがは北海道。まだ初秋といった感じの名古屋とは違い、小樽はすでに完全な冬。すでに道路もいたるところ雪だらけでした。
 とりあえず、滑りやすい雪道を歩きながら駅前のショッピングセンターへ向かいます。靴売り場へ行って見ましたが、予想に反してガラスの靴は売っていませんでした。売っているのは布や皮製の靴ばかりです。
とはいってもよく見れば普通の靴ばかりではありません。というか大半の靴が冬季仕様になっています。靴底は溝が深く、格納式のスパイクまでついてます。
 さすが北海道と感動して思わず2000円の安いスニーカーを買ってしまいました。買った以上はと、その場で早速履き替え、外に出てみます。
シンデレラの靴 さすがは現地仕様の靴!さきほどあれほど危なっかしく滑りそうだった雪道がまったく普通の道に思えます。アイスバーン化した雪道もさくさく歩けるではないですか。その快適さはおおよそ5分ほどですでに500円ほどは元を取った気になったほどです。ちなみに、靴を買ったのは旅行の初日だったため、二泊三日の旅行を通しては個人的感覚では28,320円ほどの利益になった感覚です。北海道民は雪道を歩くのに慣れているなどといいますが、あれ半分以上は靴の性能に依存しているような気がしました。
 その後も数件小樽の靴屋を回りましたが、残念ながらどこにもガラスの靴は売っていませんでした。
 

「眠れる森の美女を求めて」
 残念ながらシンデレラに関する調査はあまり成果をあげられませんでした。このままでは原稿を書くのに困るので取材対象をシンデレラから眠れる森の美女に変更しました。眠れる森の美女といえば、宴会に呼ばれなかった魔法使いの恨みでずーっと眠りつづけるお姫様の話ですが、いったい何年も眠りつづけるのはどんな気持ちになるだろうかとても気になります。
 だからといって自分が何年も寝るわけにも行きません。しかたがないので数年間にわたって樽の中に眠りつづけた液体を飲むことにより数年間にわたる眠りの感覚を調べることにしました。
 幸いなことに、小樽からバスで40分程の場所にニッカウィスキーの余市工場があります。これは調べなければならないと、さっそく行ってきました。工場見学は事前に申し込みの必要もなく現地窓口で氏名等を記入するだけです。ガイド付のツアーは毎時0分と30分スタートですが、ガイドなしであれば好きな時間から見学をすることができます。ウィスキーの試飲付です。コースの最後はゲストハウスになっておりここではブラックニッカの8年物などが飲み放題になっていますがこれは罠です。わざわざ工場まで行ってその辺で飲める酒を飲んでもしょうがありません。
小樽の樽 実は見学コースの途中のウィスキー博物館の一画には原酒をテイスティングできるエリアがあるのです。一応10年物原酒は無料ですがあとは有料になります。とはいえ25年物原酒が1杯900円ですから安いもんです。
 というわけで長期に渡る眠りの感覚を確認するため、10年、20年、25年と3種類の眠れる森の美女を味わってみました。なんというかとにかく美味いです。しかもブレンドしていない樽出しの原酒ですからかなり個性的です。そしてどれも美味いんですが年代が違うと完全に別な酒になっています。面白いのは古ければ古いほど美味いというわけではないということです。
 というわけで、眠れる森の美女の気分が大変よく判ったところで工場を出ました。
 ちなみにこの工場見学の所要時間は非常に個人差が大きく30分から2時間、場合によっては5時間以上かかる場合もありますのでご注意下さい。
 また、すぐ隣にある余市宇宙記念館の見学が次の予定に入っており同行者が酒をを飲まない人間の場合には、ある程度時間が経つと強制的に工場見学を終了させらる可能性もあるのでこの点についてもご注意下さい。

「人魚姫の周辺」
 シンデレラ、眠れる森の美女ときたら、やっぱり人魚姫でしょう。というわけで海産物というか鮨についてです。
 1泊以上滞在する観光客は鮨を食べないと市の条例違反になるという噂のある小樽まで来た以上は鮨を食べる必要があります。一方では高いだけとか、愛想が悪いとか冷凍物のネタばかりとか様々な噂を聞くのも小樽のすし横丁です。寿司屋の数が多いだけに店選びも真剣にならざるを得ません。とりあえず、初日に入った店が事前調査に関わらずいまいちだったので翌日に別の店にリベンジをかけることにしました。
 翌日入った店は「すし勘」でした。この店を選んだのは、明らかに観光客と思える客が店を出た後でうれしそうに店の前で記念撮影をしていたという理由からですが、これが大当たり。なんというかさすが北海道の寿司屋という感じでとてもおいしいかったです。とくにイクラは絶品でした。
 ところで小樽で食事をして思ったのは、さすが北国、汁物がうまいということです。初日にいった居酒屋では突き出しがツミレ汁だったんですが、これがとてもおいしかったです。初日のいまいちだった寿司屋ですら、アラ汁はとてもおいしかったです。やっぱり寒いからなんでしょうか。

「白雪姫はもうどうでもいいですね」
 札幌では当然ラーメンとジンギスカン食べたんですが、白雪姫とはまったく関係ないですね。
 そろそろネタも尽きてきたんで白雪姫については省略します。

 って、ここまで書いて読み返すと単なる北海道旅行の感想のような気もしないでもないですが、深く考えると憂鬱になるのでやめておきます。

ラーメン、てつやと初代

  上の写真は空港売店でみかけたお土産用のラーメンです。どうも札幌の有名店みたいですが、左側が「てつや」右側が「初代」です。残念ながら「ガメラ」あるいは「當麻」という名前のラーメンは売ってませんでした。



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