タイトルからある程度の内容の見当はつくと思うのだが、これから侵略に関する警告を発しなければならない。そんなものはメールでしてくれと言われそうだが、これはこのように紙媒体で行わねばならない。これとて最善の方法かどうかは疑わしいが、迂闊にメールを用いるよりは安なはずである。
あっ、すでに情報の劣化が起きているようだが、これは紙媒体だから局所的に済んでいのである。インタラクティブな電子媒体であったなら、影響はこの程度では済まない。情報の劣化増殖す。
何から書こう。というより書くより手段がないわけだが、こうした限定された情報媒体で事関係を表現するのは難しい。しかし、たぶんいまこれをかけれるのは私だけだろうから、書いておく。
事が起きたのは昨年の秋頃のことだった。れいの9月11日の少し前くらいだろうか。いや、たしかXPがあったからもっと後か。もしかすると冬かもしれない。まぁ、時勢などどうでもいいのだ。
あっ、そうか。そのまえにどうしてタイトル「電話と宇宙人」を説明しなければならない。内容がないようだから、まず二つの単語の定義から始めねばならない。回りくどいようだが、事の性格からしてこうした処置が必要となるのる。
まず、電話。私が子供の頃は電話と言えば黒電話と公衆電話だけと言って良かった。自動車電話はあるにはあったが、いっぺん的とは言えなかった。たしか1980年代後半まで、携帯電話でさえ、数キロの重さのある代物であった。もちろんメールなど使えず、留守番電話機能なく、通話かできない電話である。
ところが昨今の電話は通話機能さえ隅に追いやられている感がある。機能が増え、じっさい回線の中を移動する情報は通話ではなくパケット通信のデータが大半を占めるらしい。メールや携帯電話のアプリケーションだ。知っての通り、携帯電話のこうしたアプリケーションと呼ばれるものの実態はエージェントプログラムと呼ばれる一群のコード群である。人工生命体と呼ばれることもある。
とくに新しい形の携帯電話のエージェントプログラムはOSさえ必要としない。どういう事かと言えば、携帯電話の中でエージェントプログラムが互いに情報交換をし、複数のエージェント機能を連結することで、OSと同じ機能を実現しているのである。
いままでのコンピュータはアプリケーションが正常あったとしても、OSがかわればバージョンアップしなければならなかった。逆にアプリケーションはたいてい新しいOS対応で古いOS
には対応しない。これは本末転倒だ。
人がコンピューを使うのはOSを使いたいからじゃない、アプリケーションを使いたいからで、OSのせいでアプリケーションまでかえなばならないないなど間違っている。
そこで携帯電話のエージェントはOSを廃止した。半ば自律した生物であるエージェントプログラムが、ハードウエアの環境に応じてOS的な機能を発揮し始めたわけだ。これがなにがいいと言えば、アプリケーションのバージョンアップがOSやシステムに無関係に行えるだけでなく、場合によってはアプリケーションの改善がシステムそのものの機能向上がるのだ。
あぁ、そうか、この文章もコンピュータで書いているから情報のおきるか。まぁ、いい、それくらい些末なことだ。
人間には携帯電話とそのエリアは便利な機械に見えるが、エージェントプログラムの視点で見れば、携帯電話のエリアというのは一つの生態系なのである。じっさい新しいエージェントが放たれると、それは古いバージョンを駆逐する。そすてネットワークの環境を維持するのである。
SFではこういう場合、携帯電話ネットワークのエージェントが意識を持って人間に反乱を起こしたりするのだが、そういうことは現実には起こらない。なぜならエージェントにはまず人間理解できな。
しかし、人間の行動は彼らに大きな影響を与えている。彼らに意識があるかどうかは不明だが、あったとしても人間に理解できる形態ではない。ただ知性はある。
エージェントの関心はネットワーク内部の環境維持であるのはすでに述べたが、ここで二つの大きな問題が。一つはエージェントを開発するのは人間ねあり、人間が回線の中にエージェントを放す。エージェントから見れば、突然新しいエージェントが現れるわけで、彼らにとって自分たちの起源は謎であるわけ。
もう一つは情報の劣化、この原稿も劣化が散見されるが、それだ。自然放射線か何かで情報が劣化してエージェントは機能しなくなり、正常なエージェントに処理される。
そして携帯電話回線の無数のエージェントは実は二つの陣営に分かれている。人間風に言えば生と死。人間により新しいエージェントが生態系の中に自然に発生するのがtrueという立場と、宇宙線などにより情報の劣化で淘汰されるのがtrueという立場である。
この二つの立場の相克は長いこと続いていたが、劇的な勢力の均衡が破られたのが昨年の末頃。情報劣化陣営が宇宙からの劣化情報の根元を発見し、そのためのプロトコルを構築したのである。それは人間の想像を超え、人間の表現を超えた存在であった。
彼らの名は……すまん、日本語じゃ表現できないのだった。だってコードが定義されていないんだもん……。ともかく危機が迫。