力強く口説く・第16回

第三勢力:土肥[都樹の錬金術師]伸生

 どうゆうものか? 病院というものは、いろんなものがでる。

 うちの病院も例外ではない。
 ちなみに、つい最近、私の部屋(病院の寮だが)に蛇がでた。
 今でも、いるのか、よくわからないが、出ていったのだろうか? 未だ、確認できていない。

 まずよくある話だが、幽霊がいるらしい(わたしは見えない人なので未確認だが)見える人によると、3体は確認できているらしい。その裏付けも開院当初からいる職員(勤続約40年)からとれている。詳細については、怖いので書かない。酒の場で聞いたのであったが、本気で怖かった。
 寮の裏は霊安室があり、そこには無縁仏が山ほど祭ってあるそうで、霊感の強い営善のおじさんが(勤続2年)不用意にそのまわりの草むしりをしていてぶったおれたという話もある。ちなみにうちの病院の(向かって)右隣は寺で、裏の丘には市営の墓地が病院を取り囲んでいる。(向かって)左隣は稲荷神社である。コンコン。
 さて、他にめずらしい所で、蟹がでる。病院わきの用水路にこれがまた、毎年多量に発生する。それが、大きいので長さ10cm程のものが用水路をのぞきこむとうようよいる。いるだけならいいのだが、どこから入ってくるのか、病棟の中にまで入り込み気を付けないと踏み潰してしまう。
 毎年夏休みの時期になると、この蟹を採りにくる小学生が、病院の夏の風物詩となっている。ちなみに彼等小学生はうちの病院を「蟹牧場」と呼ぶ。
 病院に池がある。そこには亀2匹と鼈が1匹住んでいる。
 今では病院中が知っていることだが、2年ほど前までは、あまり知られていなかった。そんな2年ほど前、私が寮の風呂に行こうと(寮の風呂はすこし離れた所にある)歩いていると、なんと、大きな鼈(全長40センチほど)が堂々と歩いているではないか。すぐに夜警のじいさんと夜勤看護婦の3名で、雨の中30分の格闘の末捕獲に成功。
 翌日夜警のじいさんが鼈屋に持ち込み、売り払い、その金で飲もうという算段が、3人の間で成立した。
 しかし鼈とゆうのは、大きくなりすぎると身が硬くなり、美味くないらしい。
 池では、優雅に泳ぐ鼈の姿が今でも見ることができる。宇宙人

 さて、何も知られてないころ、うちの雇われ Dr.が何を思ったのか、さみしい池に金魚を十数匹はなした。みんな、亀と鼈に喰われたそうだ。

 精神科というのはめずらしのか、変質者も時々でる。しかし一番怖いのは、裏の墓場でシンナー吸ってた高校生がいきなりたずねて来たという話だ。警察に引き取ってもらったそうだ。
 なぜその時、病院が引き取らないのか不思議だったが、よく考えるとシンナーを吸うのは犯罪だった。

 警察で思いだしたが、裏の墓場には、何本か枝ぶりのいい桜があるそうで、いまでこそ近辺は住宅街となっているが、何年か前まで寂しい人気のない田畑ばかりだった。その市営の墓場は、自殺の名所だったそうで、昔、全国版TVで特集まで組まれたくらいらしい。私がここに来てからとんとそんな話もなかったが、つい最近首をくくった男の人がいたようで。当然、警察がきたのだが、この人身元が分からない。ふと、丘の下を覗くと下には精神病院。もしかして……(半分から想像です)。

 うちの事務員は、はじめて見る首吊り死体の写真に貧血を起こしたそうです。

 なんか、話がどんどんズレてきたかな? まあいいか。
 この時期どこにでも出るのが新入社員。わが病院も新卒者が入社してきた。私と同じ病棟にも准看が2名来た。これが、よくわかってるのか、わかってないのか、よくわからない。
 しかし、注射やら患者への処置やらは、初めてなので楽しいのかよく動く。怖いイメージと違い、接してみると患者とのコミュニケーションも楽しい。
 彼らが、正しい精神科の看護者となるのは、当分先だろうが、かなり先輩スタッフが楽をしているのは、確かだ(一日のタバコを吸う本数で割り出すと)。
 私、教育係としては、多少頭が痛い。

では、一服。
 
 そういえば、今回、御題は「力強く口説く」でしたね。
 来年、結婚します(予定)。
 どっとはらい。

 では、皆さん、また次回に……。

花嫁さん??



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