天ちゃんの・徒然草子

天羽[司法行政卿]孔明

 みなさん。あけまして、おめでとうございます。
 今年も一年、よろしくおねがいいたします。

 えぇー、さて皆さん。皆さんは、歯は丈夫ですか? 実はわたくし、小学四年生の頃を最後に、歯医者さんというものに行った事がありませんでした。それが昨年、なんと二十数年ぶりに行ってきたのです。
 ただし、二十数年ぶりに行ったからといって、なにもそれまで歯が丈夫だったわけではありません。むしろ、はっきり言って十年以上も歯がぼろぼろの状態だったのです。
 自慢じゃないですが、中学、高校と、歯科検診で虫歯が無いと言われた事はありませんでした。(まぁ本当に自慢できませんね……、反省)
 毎回毎回、歯医者に行くようにと書かれた診断書を学校からもらうのですが、すべて親にも見せずに握り潰してしまっていたのです。
 学校を卒業し、社会人になってからは、嫌いだった歯科検診もなく、時折痛む歯を、騙し騙しで過ごしました。
 なぜ、そんなにまでして歯医者に行かなかったのかと言うと、はっきり言って、歯医者が怖いからです。
 本当に、無茶苦茶怖いんです。歯医者さん・・・。
 できる事なら、一生歯医者に行きたくはないと思っているし、いっそ総入歯にすれば、歯医者に行かなくってすむんじゃないかと真剣に考えた事もあります。もっとも、本当に総入歯にすると、これはこれでかなり不便な事も多い事に気がついて諦めましたがね。
 そんなぼくですが、さすがに奥歯に大きく空いた穴の痛みに堪えかねて、昨年の一月に、歯医者さんの扉をくぐりました。(余談ですが、何度も歯医者の前を往復し、今日はやめよう、明日は日が悪いと、ぐずぐずと日延べさせていたのもわたしです)
 受け付けで名前をつげ、待合室で待っている間も、なにか理由をつけて帰りたかったのですよ、ぼくは。

 さて、治療室に入り、拷問椅子・・・、ではなかった治療椅子にすわり、震えながらも大きく口を開けて先生にみてもらいますと、先生一言。
「よくこんなになるまで辛抱できましたねぇー。なかなか出来る辛抱じゃないですよ、これは・・・」
「えっ、そんなにひどいんですか?」と、ぼく。
「うーん、これはひどいねぇー。とりあえず、レントゲンをとりましょうか・・・」
 さて、レントゲンに写ったぼくの歯は、たしかにぼろぼろだったのであります。
「両の奥歯が、上下共に虫歯になってますよ。おまけに歯茎もだいぶ弱って来ているみたいですねぇ。これ、まともに全て治療したら、半年以上はかかりそうですね・・・」
 自業自得とはいえ、歯医者さんは、恐ろしい事を平気で言う・・・。
 とりあえずその日は、一番大きな穴の空いている歯に痛み止めを詰め、治療は終りました。やれやれ・・・。で、これから週に2日はここに来るようにと釘をさされ、なんとかその日は解放されました。
 そしてそれから、7月9日の土曜日までの約半年間。ぼくの地獄詣では続いたのです。 今、ぼくの奥歯はまるで悪魔と交わした契約書のように銀色に鈍く輝いています。
 実はまだ、治療したはずの歯が時折痛むのですが、もう二度と、本当にもう二度と、歯医者には行きたくないです。虫歯の穴を悪魔の機械で広げ、まだ抜いていない神経に直接打つ注射の痛みには堪えられません。
 あぁ、もう、恐ろしくって、これ以上は、書くのも嫌です。

 という訳で、今回はここまで。次回のテーマは、「教師」です。
 では、また・・・。

 「米朝事務所設立20周年記念・米朝一門会」のCDを聞きながら・・・。

1994.12.03, AM,10:27,



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