天ちゃんの・徒然草子
本・2

天羽[司法行政卿]孔明

 今回は久しぶりに「本」の二回目ですので、「図書館」の事でも書こうかと思っております。
 前回の「本」がテーマの時にも少し書いたんですが、じつはわたくし、近頃めっきり図書館の人であります。
 もっとも、こんな風に書くとまるで図書館に再就職して、図書館員(こんな名前でいいんだろうか……?)にでもなったみたいだけど、そうではありません。(そりゃわかるって? そりゃそうだね。へへへへへ―)
 つまりなんです。あの頃の図書館利用率よりも、今の方が数段増えているって事なんですよ、はい。

 ところで、みなさんはどうでしょう。図書館を利用していますか? じつはですね、なにを隠そうこのぼくは、以前は町の図書館が嫌いな人だったんです。
 小学校、中学校、高校と、学校の図書室に入浸っていて、その十二年間の内、五年も図書委員をし、中学3年の時には、図書部の部長までしていたぼくがですよ……。
 それというのも、町の図書館って、ぼくの読みたいような本なんか無いだろうって、勝手に想像していたからです。それに、図書館の本って、すっごく汚いっていうイメージがあったんですよね、ぼくには……。
 でもこれは、大きな誤解でした。
 まず、汚いっていうのは、たしかに汚いんだけど、それって、古本屋の本だってたいがい汚いから、辛抱の出来る類の物なんですよね。
 あと、学生時代に学校の図書室を利用していたのは、お金がなくって本が満足に買えなかったので、しかたなく図書室を利用していたという感じです。
 そうそう、図書委員や、図書部の部長なんてのをしていると、一般の生徒が立入禁止になっている図書準備室に自由に出入りできるんですよ。ここには、ぼくの読みたい本がわんさかあったんです。でも、なんでここに有る本は一般生徒が見ちゃだめだったんでしょうか? いい本がたくさんあったのになぁー。
 そういう委員をしていると、新しく学校図書を買う時に、本の選択会に参加する事ができるってのも、魅力の一つでした。おかげでぼくが在籍中の図書室には、SFが沢山あったんですよ。これって、役得ってやつですか。

 学校を卒業してから結婚するまでは、ほとんど図書館に行かない日々が続きました。
 なんていうか、ぼくの買う本って、ちょっと変っていて、あまり一般受けしないような本ばっかりなんです。で、こんな本は図書館には無いだろうし、自分で買った方が何時までも自分のそばに置いて、資料がわりに使えると考えていたのです。ぼくにとって本は、「借りるより買え。そして集めよ!!」なんです。
 もちろん今でも、買い集めたいのですが、やはり貧乏には勝てません。
 はじめ、相方の麻衣子さんが図書館に通い始めたのです。ぼくはそれを横目で見ながら、馬鹿にしていたんです。「図書館なんて、最低やんけ!」ってね。
 ところが、そんなぼくの言葉をよそに、相方は、次々と新刊本を借りてくるではないですか。これには正直驚きました。「どうしてそんなに新刊が手に入るのか?」って聞いた所、「発売前に図書館に予約を入れると、ちゃんと新刊を買ってくれるよ」って言うのです。
 ショックでした。
 さて、ものはためしと、ぼくもなん冊か新刊本を予約してみたのです。するとどうでしょう。ちゃんと新刊が入って来るではないですか。それからです。ぼくが序々に図書館通いを始めたのは……。
 それがちょうど、前回「本」の事を書いた頃だったんです。
 それでもまだ、図書館どっぷりというわけではありませんでした。
 ぼくの図書館通いが本格的になったのは、仕事先の近くに、新しい図書館が出来た事でした。
 ここは新しく建っただけあって、蔵書の殆どが新しく、また、設備も最新式で、ビデオやLDなんかも観れるんです。また、小説の品揃も豊富で、単行本はもとより、新書サイズの本や、文庫本なんかも沢山蔵書しているんです。
 そこでぼくは、始め一、二冊しか借りていなかった本が、一気に十冊前後を一回で借りるようになり、今では、三ヶ書の図書館から、多い時には四、五十冊近くの本を借りるようになってしまいました。いわいる、ハマッタってやつです。
 今では、うちのチビの尊雄も本好きになり、なにかと言うと、「図書館につれて
って」って言うようになってしまいました。
 ぼくの方は、相変らず画集などの高い本は買っているのですが、それでも以前に比べて、かなり本代が節約できるようになりました。
 今日も今日とて図書館に予約すべき本をチェックするために、メモを片手に本屋通いの毎日です。やれやれ・・・。

 とまぁ、今回はここまで……。次回のテーマは『怒りのエッセイ』です。
 んじゃ、またね・・・・・・・・・・。

 CD版、柳家小三治の落語。『もう半分』を聞きながら・・・。

1994.10.01, AM,06:27,



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