天ちゃんの・徒然草子
映画・1

天羽[司法行政卿]孔明

 いやさて、こまった、こまった。どうしたもんでありませうか……。
 なにをそんなに困っているかと申しますと、もちろんこの連載の事でありまして、つまりこの連載、書けば書くほど書きたいテーマが増えてくるんですよ。グスン……。
 今思いついたものを羅列しても、『手紙・SF・父親・コンピューター・釣り・酒・悪・カメラ・ラーメン・師匠・コーヒー・結婚・スポーツ・星・油絵・ゲーム・夏・音楽・ラジオ・などなどなど……』ざっと上げただけなのに、これだけでも一年以上ネタに困らないぐらいあるし、おそらくこの先、書きたいことはもっとふえるだろうから、「いやさて、こまったこまった……」となるわけなんです。はい。
 なんの事はない、読んでる皆さんにはどうでもいい事ではあるんですけどね……。
 いやまあ一先ずこの悩みはおいといて、そろそろ本題に入る事にしましょう。

 映画館へ映画を観にいかなくなってずいぶんになります。去年などは、四本ぐらいしか映画をみていません。これでも以前はいっぱしの映画マニアを気取っていて、年間で一八〇本近くの映画を観ていた時期があったのです。ちょうど、一八才から二四才ぐらいまでの六年間が、その、もっとも多く映画館に通っていた時期でした。
 その頃は、一日に映画館を二〜三軒はしごしたりして、多い日には五本ぐらい観ていたのですから、これだけでも去年一年間より多い量です。
 もちろん今だって映画が嫌いになったわけではありません。まぁなんというか、諸般の事情でなかなか映画館まで足をのばせなくなった、という所でしょうか。
 必死になって映画館に通っていた頃は、『映画館に来ずに、家でビデオだけしかみていないような奴は、ほんまもんの映画ファンとはいわれへんなぁ』などとうそぶいていたぼくですから、その頃の考え方でいくと、いまのぼくなんぞはほんとの映画ファンではない事になってしまいます。あぁ、映画館に行きたいよぉーーーっ。
 さてその年間に一八〇本近く観ていた頃ですが、もちろん封切り館だけではこれほどの本数を観る事はできません。そこでいきおい、リバイバルや自主上映なんかも、情報誌でこまめにチェックして通っていました。そういえば、十人も入ったら一杯になるような場所で映画を観た事もあったし、珍しい映画を観るためならば、片道三時間ぐらいかかるような場所でも平気で出かけて行ってたっけ……。
 はじめて一人で映画に行ったのは、小学校の五年の時でした。ゴジラだったか、ガメラだったか、ともかくそういった子供向きの映画でした。その頃は家の近くに映画館が三軒もあったので、わりと気軽に行く事ができたのです。もちろん学校は、小学生が一人で映画に行くなんて行為を禁止していましたが、さいわいというか、我が家の両親はそろって映画好きだった事もあり、息子のぼくが一人で映画に行く事には反対をしなかったようです。
 本格的に映画を観るようになったのは、中学一年の時でした。大阪のOS劇場に行ったのですが、そのとき上映していたのは「エデンの東」というリバイバル映画だったのです。子供心にも、とても感動したのを憶えています。そんなわけだから、今でもこの「エデンの東」は好きな映画の一つです。

 さて、基本的にぼくは、洋画も邦画もどちらも好きなのですが、どちらにしても、ミュージカルが一番好きであります。
 もっとも、ミュージカルとは言っても、「ウエスト・サイド物語」はあまり好きではありません(音楽自体はそれなりに好きなんですがねぇ)。それよりも、「ハロー・ドーリー」や、「雨に歌えば」の方が数倍好きなんですが、こんなぼくは変っているのでせうか……。
 邦画では、なんといっても大友柳太郎の「丹下左膳」が一番です。そうそう、「エノケンの孫悟空」も忘れられない作品ですよね。
 先日お亡くなりになったオードリー・ヘップバーンも大好きで、彼女の作品は、かなり観ています。

 って、あれ? まだあんまり書いていないのに、もう予定の行数になってしまいました。まだまだ書きたい事はたくさんあるのですが、それらはまぁ、ひとまず次の機会という事にして、今回はここまでです。
 さて次回は、『手紙』をテーマに書いてみますので、どうぞよろしく。

 映画、「ラスト コンサート」のサウンドトラックを聞きながら……。

1993.04.05, AM,02:50,

追伸……
 おうおうおう! とってもいい事を思いついただよ。なにをって、もちろん今回の冒頭で悩んでいた事についてのとってもよい解決策が、ですよ。うんうん。
 いやまぁ、そんな事はどうでもいいなんて言わずに聞いて下さいませ。つまりですね、この甲州画報以外の所でも、このエッセイモドキを書けばいい。という簡単な事に気がついたというわけなんです。
 そこで、これを読んでいるみなさんにお願いがあります。みなさんの参加している、もしくは主催している同人誌やミニコミ誌にぼくのこの文章を書かせてほしいのです。もちろん、この甲州画報の地方版でもかまいません。どぞどぞよろしくです。
 というわけで、がんばる天ちゃんに励ましのお便りを出そう!!



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