と言うわけで今回は、人魚の話しです。
ところであーた、ごぞんじですか? 人魚伝説と言うのが、実に、世界中にあると言う事を・・・。
そうなんです。手元にある資料をざっと調べただけでも、ドイツ・イギリス・フランス・イタリア・ギリシャ・アメリカは言うにおよばず、ソ連やオーストラリア、それに、アフリカのアマゾン川流域や、エジプトにまで人魚伝説はあるのです。そうそう、北欧神話の中にも人魚の話しはありましたっけ・・・。
お話しとして有名なのは、やはり、なんと言ってもアンデルセンの人魚姫でしょう。又、怪奇小説として有名な、ラグクラフトのクトゥルー神話に登場するインスマウス人なんかも人魚であろうし、アフリカの伝説をもとにして製作した怪奇映画の半魚人なんかも、やはり人魚の一種であろうと思います。さらには、ドイツの、ローレライなんかも人魚伝説の亜種だと言う人がいますが、これは、ちょっと無理があるように思います。
さて、東洋なのですが、中国にも数多くの人魚伝説がのこっていて、古いところでは、「山海経」という書物の中にも、「氏人国」や「陵魚」としてイラスト入りで人魚の事が書かれてあります。
もちろん日本にも、数多くの人魚伝説がのこっています。
日本の人魚伝説の中で一番有名なものは、福井県若狭小浜の「八百比丘尼」ではないでしょうか。知らない人の為に書いておくと、この「八百比丘尼」は、15〜6歳の頃に人魚の肉を食べたばっかりに、八百歳まで長生きした人なんだそうです。しかもその姿は、生涯15〜6歳の頃のままだったと言われています。今でも、福井県若狭小浜の空印寺には、この「八百比丘尼」の座像がまつってあるようです(興味のあるかたはどうぞ・・・)。又、「八百比丘尼」は八百年間諸国漫遊をしていたらしく、「八百比丘尼伝説」として、日本のあちらこちらで話しがのこっています。参考までに「八百比丘尼」の事を書いた書物の名前を幾つか上げておきますと、「若耶群談」「能登国名跡志」「本朝神社考」「諸国里人談」などなど、多数あります。そうそう、「南総里見八犬伝」にも、「八百比丘尼」や人魚の事が出てくるんですよね。
日本には、この「八百比丘尼」のほかにも、人魚の肉を食べて長生きをした話しがいくつかのこっています。
さて、もちろん人魚の肉を食べた話しばかりではなく、人魚そのものの話しも数多くのこっています。一番古い所では、なんと「日本書紀」にすでに登場しているのです。ほかにも「聖徳太子伝暦」や「古今著聞集」それに「本草網目」「武道伝来記」「広大和本草」などなど・・・。けっこうあるもんでしょ。
新しい所では、人面魚だってりっぱな人魚なのです。なんて、こう書くとなんだか急にミーハーじみてきますが、いえいえけっしてそうではなく、人面魚と言うのも又、人魚のひとつの形態なのです。参考までに書いておきますと、奈良県大和郡山市にある金魚資料館には、江戸後期に画かれたと思われる人面金魚の日本画が展示してあるんですよ。
とんでもない事に、東北の方のどこだかのお寺(名前は忘れてしまいました)には、人魚のミイラというものものこっています。
この人魚のミイラは、以前テレビの特番で、『人魚の秘密』をあばくと言うタイトルで出てきていましたが、その時、とある大学の生物学の教授と言うのが一緒に出ていて、このミイラの分析なんてものをやってましたっけ。
結果はというと、猿の上半身にマグロだかなんだかの大きな魚を巧妙にひっつけたものだと解説をしていました。当時まだ中学生だったぼくは、このテレビ局の企画が、なんとも不粋なものであるなぁと、ちょっぴり悲しいものがありました。
同じ様な悲しい体験といえば、カッパの手のミイラというものもありましたが、その話しはまた別の機会ということにしましょう。
さてここまで、いろいろと人魚の事を書いてきましたが、今でこそ人魚の正体はジュゴンだなんて事になってますが、なんのなんの、人魚の事を調べていけばいくほど、ジュゴンなんてものとはほど遠い事がよくわかってきます。
ぼくとしては、やっぱり「山海経」に書いてあるような人魚よりも、アンデルセンが書く所の人魚のほうが好きでありますな、うん。
さてさて、人魚の事はすっぱり忘れて、次回は「 」について書いてみます。 でわまた・・・。
皆さんは、アフリカ料理と言うものを食べた事がありますか? シシカバブなんてのも、アフリカ料理の一種なんですよ。今回は、先日見つけたばかりの、そんなアフリカ料理のお店です。
場所はJR奈良駅から春日大社に抜ける参道沿いにあって、店の名前は「クスクス」、味のほうは、まっ、あんなもんでしょう。ただね、この店のメニューには、ワニのから揚げなんてものがあるんですよ。変ったものが食べてみたいという人にはお勧めです。