第五十話

天羽孔明

 やはり、高校生の頃、忍者修行時代の話。
 夜中に大和川の堤防を走っていて、後ろから足音が聞こえてきたのです。
 当時は今ほどジョギングブームでは無かったので、あら、他にも走っている人がいるのねと珍しく、立ち止まって振り返ったのです。ところが、足音は近づいてくるんですが、人影は見えない。で、そうこうするうちに、その足音はぼくの横を通り抜け、先へと行ってしまったんです。



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