韓国篇の続きです。
少し目先を変えて「違う意味で怖い話」をさせて頂きましょう。
旅行の最終日、同僚たちと屋内遊園地「ロッテ・ワールド」に遊びに行きました。
ここは、ショッピングセンターと遊園地が一体化した施設でして、トコロ狭しと様々なアトラクションが用意されています。映画マニアな私は、その筋では有名なSFXマンであり映画監督でもあるダグラス・トランブル氏の開発した「ショウ・スキャン・システム」のデモンストレーション・シアターがここには有るので、誘われるままやって来たのでした。
とりあえず、これを堪能した後、まあ、折角来たのだからと、他のアトラクションも観て回りました。
ショッピングセンターの区画まで歩いてきた時です。突然たくさんの人の悲鳴がドップラー効果を引きずりながら、我々のすぐ横を摺り抜けて行きました。びっくりして、そっちを見て納得。そこには屋内ジェットコースターのレールが横たわっていたのです。歓声を上げる同僚たちに反して、私は引きつった笑みを浮かべていました。
何故なら、私には「怖いモノ」がいくつかありますが「ジェットコースター」もその一つだったからです。無理やり引き摺られ、私は自分の意志に反して、そのジェットコースターのシートに座らされました。
永遠にも近い空白の時が過ぎ、私はようやくその呪縛を逃れ、ヘロヘロになりながら、乗り場のタラップを降りて、中2階に掛かった歩道橋の手すりにもたれ掛りました。その時! 例の悲鳴とけたたましい音が足元から聞こえてきたかと思うと、私の眼前に立ち上がってきたのです。その歩道橋は、ジェットコースターのループ個所の真ん中を貫いていたのでした。人々の悲鳴は、私を中心に360度グルリと回り切ると、また去っていきました。
呆然と立ち尽くしたまま(こればっか)、何気なく手摺に目をやった私は、そこにベッタリと付いたモノを見てしまいました。
こ、これは…。血糊?????
そうなんです。そこの手摺には凝固した血の痕跡が残っていたのです。
恐るべし…ロッテ・ワールド。拭いとけよ、こーゆーのは。客商売なんだから。