第三十話

清水宏祐

 今回、怖くはないけど奇妙な話です。
 これは、人から聞いた話なんですけど、ある時、友人何人かでキャンプにいったらしいんですね。で、2日目になって昼間暑かったものでジュースを買いに行こうと思って、皆に聞いたそうです。
 「ジュース買いに行くけど、なにがいい」、と言うのも、一番近くの自動販売機まで歩いて往復するのに30分位かかるんだそうで、どうせ行くならと他の人の注文も聞いたわけ。
 トコトコ歩いて行って、両手にジュースを抱えて帰ってくると、友達がびっくりして言ったそうです。
 「早かったねー。もっと近くに自販機あったの」
 帰ってくるまで、15分しかかかってなかったんだって。
 もちろん、近くに自販機はなかったし、途中走ったわけでもなくて、普通に歩いて行ってきたんだそうですけどね。



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