第二十話

橋本元秀

 こういう話を書く時は、お払いグッズは必携です。
 私のパソコンラックに晴明神社の御札貼ってます。利きますねこれ。
 で、祟るという話で思い出したのですがね。
 私、太平洋戦争ものの実録記事を書いた時、いつもいろいろなトラブルに悩まされてました。
 しまいには編集部と一緒に、赤坂の豊川稲荷でお払いまで受けるようになりましたが、その時にね、まったく偶然なんですが聞いた話。
 その時、私は右足の痛みに襲われていたんです。

「足痛くてね、困ってるんですよ」
「あれ、橋本さんもですか、実は漫画家のRさん、バイクでこけて足怪我しましたし、Jさんもサバゲーで足怪我したって言ってましたよ」
「もしかしてみんな右足?」
「ええ」
「これって、やっぱり関係あると思う?」

 取り出したのは、原稿の為に用意した写真。その時書いていた原稿の為に取材に行った時に映した写真なのだが。私の右足に黒い線が写っている。

「気味悪いですね。何か写り込んだんですか」
「たぶんね。でも、これ、こうして見るとね」

 写真をひっくりかえすと、影はまるで墜落していく戦闘機そっくりの形に見えました。

「これ、一緒にお払いしてもらいましょう」

 というわけで、写真は護摩木と一緒に焚いてもらいました。

天羽孔明

 あまり有名ではないので、知らない人が非常に多いのですが、ぼくは京都の晴明神社より、大阪の阿倍野にある晴明神社の方が、うらびれていて好きです。
 あと、堺市の信田にある葛の葉神社とか…。
 昨今の晴明ブーム。ここらも脚光を浴びて欲しいような、そのままでいいような…。
 へそ曲りのぼくには、複雑な心境です。



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