第六話

天羽孔明

 お化け屋敷の話の続き…。
 二階の部屋で、風鈴の音にちょっとびびった三人は、怖いからもぅ帰ろうってことになったんだって。気なんか、全然強くなかったのかな…。
 とにかく、三人揃って一階に下りたんだと。と、ね、玄関入ってすぐの所にあるトイレの扉がほんの少しだけ開いててんて。来たときは閉ってたはずやのにって、三人が三人とも思ったらしいねんけど、でも、怖かったから誰もその事を口にしぃひんかったんやと。
 でね、とにかく帰ろうってことで、その扉の横を通り抜けようとした時、その扉の隙間から、にゅ〜って白い手が出てきたんやって。もぅ三人とも、あんまり怖わぁて、靴も履かんと表へ飛出したらしいねん。で、その後も、靴をよぅ取りに行かれへんかったらしいよ。



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