2004. 7/ 9
連日猛暑の東京、名古屋そして大阪方面の、暑さを逃げだし南の島へ避暑に行く。今年で7年目になるダイビングが主な目的の旅、今回は宮古島へ。
関西からは宮古島へ直行、そして東京と名古屋からは那覇経由で宮古島へ向かう。
名古屋から向かう我が家は、乗り継ぎ時間が3時間ほどあるので、那覇でステーキでも食べてから宮古島へ乗り込もうと計画を立てていた。ところが当日搭乗予定機材に不良が見つかり、整備に時間がかかったため名古屋を出発したのは予定より1時間遅れ。さらに行程が、それに加えて30分以上遅れてしまったため、那覇空港に到着した時には3時間ほどの余裕があったはずの乗り換え時間が1時間程度となってしまい市街地までの往復は無理になってしまった。ステーキを泣く泣くあきらめ、東京からのメンバーと合流して宮古島へ向かう。
最後に宮古空港で大阪からのメンバーと合流し16時すぎにダイビングサービスで宿泊場所でもあるタイムマリンに到着する。
荷物を片付ける時間も惜しんでダイビングへ。なのだが、メンバーの一人が東京出発直後にふとしたはずみで腰
を痛め部屋で休むことになった。しかし残りのメンバーはそんなことはいっさい頓着せずにダイビングに出発する。
ツインズ
初日の1本目、宮古島での初ダイブはツインズに潜る。
4ヶ月近く潜っていなかったためか少々不調。そして陸上では暑くてTシャツ一枚でも汗をかくほどなのに、海の中は結構寒かった。
ポイント到着は17時半過ぎだが真夏の沖縄ではまだまだ日は沈むわけもなく、昼間と変わらない明るさの中でエントリーする。
根の回り一面のキンメモドキとスカシテンジクダイ。そして頭上にはこんなに間近に見るのは初めてのイソマグロという内容で、魚影の濃さを確認する。
潜水終了後は宿に戻り、ボリュームのある食事と軽い宴会。途中から一部有志で屋上で星を観ながら宴会を続けているうちに、食堂から締め出されてしまった。しかたがないので明日からの潜り三昧を期待しつつ就寝する。
2004. 7/10
ダンゴドロップ、フィッシュパーク、砂丘伝説、クマザ(ナイトダイビング)
ツフツワ干瀬と呼ばれるサンゴ礁の中のポイントを中心に潜った(らしい)。
宮古島の東側に広がるサンゴ礁がツフツワ干瀬で、八重干瀬と並ぶ宮古島を代表するサンゴ礁である。
ちなみに腰痛ダイバーはこの日からダイビングに参加。万一に備えて1本目はお姫様ダイビングとなる。
1本目は「ダンゴドロップ」へ行く。
ポイント名の由来は大きな根が3つ並んでいることらしい。しかしNHKの歌以外のダンゴでは串に4つのイメージがあるし、根が4つでも同じ名前じゃないのかなどと思う。
パンダダルマハゼは色目がパンダと同じでとてもかわいいハゼなのだが、サンゴの中に隠れて出てこようとしない臆病者のため写真を撮ることはおろか全身を目で捕らえることすら非常に難しい。ちょっとだけサンゴをバキバキと折って全身をきれいに写真に収めてみたいなどとよからぬ思いが頭に浮かぶ。もちろん実際に考えたわけじゃありません。
2本目は「フィッシュパーク」。
名前のとおり魚たちがたむろする公園のようで魚影の濃さに圧倒される。こんなポイントを、まったりと潜りながら、“ぼーっ”と魚を見ていたら眠くなってきてしまった。ダイビング中に眠くなるなんて自分でも吃驚しながら、それでも眠気は覚めずにまったり感のまま潜る。ちょどいい暖かさと明るさでいい意味で癒しポイントなんだと実感する。
2本目が終了後、いったん港に戻り昼食となる。
昼食は手作りお弁当で、おにぎりやフライにサラダがあってなかなか美味しい。中でも一番美味しかったのがそうめんで、一口サイズにまとめられたそうめんがタッパーに並べられて、おわんに1玉ずつ入れては食べるというもの。暑いところで少々食欲が落ちている時でもするっと食べやすく、5玉も6玉も食べたという強者もいたようだ。これだとお弁当として持っていくのにいいから、今度自分で作るお弁当でも真似をしようかと考えた。
この昼食時に、到着したときからタイムマリンの車のダッシュボードに「そうめんつゆ」と書かれた紙が貼ってあった謎が解けて気分がいい。
昼食後の3本目は「砂丘伝説」に行く。
一面真っ白な砂地がなだらかに続いているポイントだ。砂地の上に点々と見える黒い物体はなんだろうと思ったら、ベルベットウミウシというウミウシの一種であった。1匹だけで移動している個体が大半だったが、中には2匹さらに3匹で絡み合っている個体も見えたりする。
ここではトウアカクマノミを見て、これで今回のツアーでクマノミ6種類全制覇となる。見るたびに相変わらずトウアカクマノミはかわいくないとは思うが、本州では見ることが出来ないクマノミだからやっぱり押さえておかないといけない。
3本目終了後、一旦宿に戻りナイトダイビングの準備をする。
去年もナイトに行った日は4本潜ったのが、ダイビングを始めた頃には1日に2本潜ったらぐったりと疲れていた。当時は今の倍も潜ることになるほどダイビングにはまってしまうとは、思いもよらなかった。
4本目は「クマザ」。
浅瀬のサンゴ礁が続いているポイントをまったりと潜る。
今日はずっとまったりとしたダイビングばかりであった。寝ているブダイや枝サンゴにきれいにはまり込んで眠っているテングカワハギなどを見る。夜光虫がとても多く、そこらじゅうで青白くきらきらとしていたのがよかった。
時差の関係で沖縄は日が暮れるのが遅い。ゆっくり1時間も潜っていたため港に戻ると21時を過ぎている。結局夕食は22時近くになってしまい、慌ただしく食事を済ませると宴会もそこそこに就寝した。
さすがに1日に4本も潜ると、ダイビング三昧を実感できる。
2004. 7/11
フィッシュタワー、サンゴ植樹ポイント、クロスホール
この日は、午前中の2本は昨日と同じ宮古島の東側のポイントで潜り、その後ぐるっと島を回りつつ宮古島の西側にある伊良部島の沿岸へ向かう。太陽が天頂より少しでも西に傾くと途中の操船が難しいので、時間厳守を言い渡される。
1本目は「フィッシュタワー」。
事前ブリーフィングでは、「エントリーポイントより少し離れたところに根があるのだか、こちらからその根を見ることが出来たら行きましょう」ということになっていた。
エントリーしてみると、我々には霞んで向こう側の根は見えない。しかし、ガイドは根から離れて何も見えない方向へ中層を進んでいく。移動中、最初のうちは目標の根が全然見えず少々不安になったが、霞んだ中から根が見えてくる様子や、到着した先で根のまわりをツバメウオやカスミアジが回り、横半面すべてを覆い尽くすようなグルクンの大群が流れていたりするさまは圧巻だった。
元の根に戻る時に、下から上がってくるみんなのエアーの泡をつつきながら進んできたら、水深5mを切るまで深度があがってしまったのはご愛嬌だと思ってもらいたい。でも、誰も助けにきてもくれなかったのでちょっと寂しい。せめてバディには様子を伺うくらいはしてほしかった。下から泡をつついてるのを見て呆れていたらしいが。
2本目は「サンゴ植樹ポイント」。
ここは何年か前にサンゴを植樹しようということで、水深15mあたりにネットを置きサンゴを植え付けたらしい。実際に植樹したネットを見てみたが、あまり成功しているとは思えなかった。ここ数年海水温上昇によるサンゴの白化現象やオニヒトデの大量発生などにより、サンゴの減少が取り沙汰されているが、サンゴを人工的に増やしていくのは大変なようだ。
昼食後、宮古島の一番北側にある池間大橋の下をくぐり、島の西側に移動して伊良部島の北側にたどり着く。
3本目は伊良部島北側のポイントである「クロスホール」。
名前の由来である十字架の形は縦穴を上から見るとよくわかる。その縦穴を降りていき横に抜けるのだが、穴から抜ける時に見える海の青さは感動物であり、暗いところから明るいところへ出る安心感とともにより一層の美しさを感じさせられた。
穴から出た所では、オヤビッチャが岩場に産み付けた卵をスズメダイ他の魚から一生懸命守っている姿がみられた。
この日は宿での夕食後、一緒の船になった福岡の女性から教えてもらった居酒屋『あぱら樹』にてプチ宴会を行う。
彼女たちのお勧めジーマミ豆腐の揚げ出しは絶品。宮古島に行った時には是非どうぞ。他にも沖縄料理を満喫し、山羊の刺身にもチャレンジする。初めて食べた山羊の刺身はちょっと癖のある味かもとは思ったが、それほど抵抗を示すものではないと思った。だが、話の種に食べる程度で十分である。
これで沖縄名物と言われていて、まだ口にしていないのはイラブーだけ。来年はイラブーに挑戦するかも、しないかも。
この宴会で、新技『通り池』が披露される。昨年の『宇海のアーチ』に比べて、今年は机を3つ分を縦断する長い潜り抜けで見るものに感動と感嘆を呼び起こしたことは間違いない。
2004. 7/12
Zアーチ、Wアーチ、崖下スネークホール&ハナダイの根
ダイビングはこの日が最終。
この日潜ったポイントはすべて地形を堪能できるポイントで、『宮古は地形』と言われているのがよくわかったような気がした。
1本目は当初「L字アーチ」で潜りますとグリーフィングまでしていたのに、何故かほんの100mほど船を移動して「Zアーチ」に潜ることになった。
Z型のアーチといわれていたが、上からみても実際にアーチをくぐってみても「Z型」はよくわからずじまい。だが、アーチを潜り抜けて見える海の青さには感動した。
さらに、なぜかそれまで一度も目撃することの無かった「カスミチョウチョウウオ」を発見。結局今回の宮古島ではこの一回しか見ることはなかった。
2本目は同じ場所からエントリーし、今度はWアーチと呼ばれる2つのアーチがあるポイントを潜る。
アーチというよりもトンネルに近い長さの横穴をくぐりぬけたりして、暗がりから見る海の青さを堪能した。
今回のツアーではアーチをくぐることが何度もあり、暗がりの岩の隙間でよくウコンハネガイを見た。しかしバディは今日まで一度も自分では見ていないと主張していたので、今回はわざわざ先に行きかけたバディを連れて行って見せた。ただ、そのとき自分のフィンで巻き上げてしまったところに連れて行ってしまったので、見にくかったかもしれない。ちょっと申し訳ないことをしたかな。
2本目終了後、そのまま船の上で昼食を取る。
休憩中に下地島で行われているジェット機の訓練飛行が見えた。ジェット機を旋回させて、タッチアンドゴーを何度も繰り返し行う訓練らしい。前から見たかったので、実際に目にすることが出来てとても嬉しかった。飛行場の真横を車で走ることもできるらしいので、またの機会で行くことが出来たら、是非間近で見てみたい。
3本目は少々船を陸地よりに移動し、「崖下スネークホール&ハナダイの根」。
ここの穴には昔ウミヘビの巣が有ったらしいのだが、ダイバーが潜るようになってから居なくなってしまったらしい。
崖下のエアドーム内で、波が押し寄せると一瞬霧が発生し、すぐに消えるという幻想的な現象を実際に体験しつつ、ここでも地形を堪能。
最後のダイビングであるため、ついついエグジットするのが惜しくて、いつまでも海の中にいようとしている人などもいたが、とうとう終了となった。
4日間があっという間に過ぎてしまい、気付いたら通算11本(腰痛ダイバーは10本)潜っていた。
夕食後、昨日と同じ居酒屋にて打ち上げ宴会。
今日はボートで一緒になった関西の薬剤師3人組の女性もお誘いして総勢14名、途中から今回ガイドをして下さったサービスの方も来られ、最終的には15名。
明日は潜らないので心置きなく宴会ができると、一部の人間のお酒のピッチはがんがんあがっていき、どんどん宴会は盛り上がる。
閉店後宿に帰るが、まだものたりなく、屋上で星を見ながらまた宴会の続きが繰り広げられる。
周囲が海に囲まれているためか、日差しは強いが最高気温は30℃を越えることはない。日が落ちるとさらに風が涼しくて気持ち良い。
ただし町の明りが明るくて(少し曇っていたこともあって)、昨年の与論島や西表島ほど感動的な星空には出会えなかった。
2004. 7/13
島内観光
最終日は飛行機に乗るため潜れないので島内観光へ行く。当然ながら毎年観光するのは帰る日のみだが、それで十分だと思ってしまうのは何故だろう。
宮古島に隣接する池間島へ渡り島内一周(といっても15分程度の小さな島)。その後「雪塩」の精製所を見学し、精製所のお姉さんに聞いた泡盛の醸造所を見学(の予定が見学は出来ず買出しのみとなった)。
昼食に宮古そばを堪能して宮古空港へ向かい、関西組は関西空港まで直行便、名古屋組と東京組は那覇経由で帰宅。
雑感
宮古島はやっぱり地形。たしかに魚影はすごく濃いけど、現地ガイドは魚に愛はないらしい。
魚に詳しいガイドを求めるよりは、自分たちで対処する方がストレスは少ないんだろうか(それより地形を楽しめ)。全体的にもうちょっと透明度が欲しかった。もっとも去年を基準にしてはいけないとはわかっていたけれど。
宮古島にはいづれきっと再来することだろう。タイムマリンには
二度と行かないだろうけど。