《音楽》歌おう 喜びあふれて・第45回

第三勢力:溝口[日本沈没]幸生

月日は経つのも速いもので師走となりました。会社内でお昼の弁当に付いて来る味噌汁用のお玉や給湯ポットが連続して行方不明なんて事件も起きて、最近どうも不思議な現象が続き当方いささか嫌な気分ではございますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
第三勢力:溝口幸生 そう言えば俺の役職は日本以外全部沈没だと今更ながら思い出した溝口でございます。
 40過ぎましても太鼓屋なんて暇人な事をやり続けて、一部いい加減落ち着いたらどうだ等と陰口を叩かれておりますが(誰から?)、めっきり落ちた体力を誤魔化しながらもまぁ何とかアマバン太鼓屋は続けています。いつまで出来るかは風任せではあるところですが、細〜く長〜く続けていきたい物ではあります。今年初頭依頼を受けて太鼓屋で参加したどこかのイベントの様に、会場入り朝10時終了夜10時なんてイベントはもう勘弁してくれでございますが。
 バイト数を稼ぐ為色々と前置きを書いていますが、今回はセッション話など。セッションとは色々定義はありますが、ここでのセッションは固定されたメンバーが演奏をするバンドと違い、その場で顔合わせしたプレイヤーの方と一回限りで演奏するって意味です。まぁあちこちのライブハウスセッションで同じ方と顔を何度も合わせ演奏する事も、かなーり有るので厳密な意味ではありませんが。ジャズやロックのセッションも有りますが、ジャズは演奏難度が難しいし、ロックは曲を知っていないと演奏が成立しない場合も多々有りまして、ブルースセッションがコードとかの決まり事が決まっているし、ロックな人もとっつき易い為最も多かったりします。
 今年は前半から中盤にはセッションで太鼓屋の数が足りないからと依頼があったり、あまり選り好みせず定例セッションとかにも参加しておりましたが、仕事が多忙な為暫くこの手の演奏から遠ざかっているうち、あちこちのライブハウスで月に1度くらいの頻度でブルースセッションデーなんて物が開催される様になっており、殆ど毎週末どこかで開催されているのにも関わらず我も我もと参加者多数で、びっくりするほど大盛況になっています。この前久し振りに某所で行われたセッションデーに参加しましたら、あまりのプレイヤーの多さに驚きました。普通は人手不足な太鼓屋でさえ4人から5人も居たりします。こうなるとあまり出番も無くなりますわなぁ。昔はブルースとなると参加者の年齢層も割に高かった為、自分も含めていささか加齢臭が漂うセッションになったりしましたが、最近はリスナーに若い女人が来る店も結構有ったりしまして、そんな時は我々おっさん連中は皆微妙に鼻の下が伸びた演奏になったりもしまして、まぁ男ってのはしょうがないもんですなぁ。
 セッションにも作法が有りまして、大まかな流れはプレイヤーの場合、ハコに着いたらセッションを仕切るセッションマスターにプレイヤーで参加を宣言し、自分は何のパートで参加希望なのか登録してもらいます。セッションが始まりましたらセッションマスターが登録されたプレイヤーの中から「ボーカルは○○さん、ギターは○○さん、ベースは○○さん(以下略)」と適当にチョイスされまして、呼ばれてステージに上がった演奏者はその場でリズムや曲のキーを簡単な打ち合わせをし、演奏するって流れですな。曲は2曲ずつでございまして大体一発目はスローブルースでねちっこくやって(ギターさんは腕の見せどころ)、2曲目はアップテンポで格好良くとなる場合が多いですね。大体各楽器のソロは12小節パターンを2回回しで動いて行きます。回数オーバーはルール違反となりますので違反者は次回から冷や飯を食う事になったりします(笑)。ステージ上の仕切りはボーカルさんか居ない場合はギターさんが主に行います。各プレイヤーさんの演奏スタイルは様々でございまして、ジャズ入った人やロックな人、はたまたブルース色濃い人など見ていて面白かったりもしますなぁ。曲を知らなくても叩ける太鼓屋は楽でございます。演奏中ボーカルさんがいきなり後ろを向いてブレイクと言われたり、次リズム4ビートとか言われるとかなーり焦りますが。まぁ自分の演奏はさて置きまして、上手い人達の演奏はパートを問わず見ていて楽しい物です。
 さてさてこのタイトル、「歌おう、喜びあふれて」いや実に良い言葉ですなぁ。そう、歌う事の喜びは確かにございますです。ここの皆様も某SF大会や何ぞのイベントで合唱された事もございましょう。また当方も参加して歌った事もございました。この頃は歌う事よりも演奏する方に比重が移りまして、元々苦手な歌は歌う機会もめっきり減りましたが。
 まぁ一口に歌と申しましても、神様ありがとうな賛美歌やゴスペル、或いは恋が成就して嬉しいよんってな、それはそれは喜びにあふれる様な音楽も有れば、男女の化かし合いの様なペーソスに溢れた音楽、ブルースや一部のジャズ曲の様に鬱々とした音楽も有る訳でございまして、なかなか一筋縄ではいかない物ではございますな。評価は色々でありましょうが、素晴らしい?音楽を作っていても、昔のジャズの人達の様にドラッグやアルコールで廃人になってしまう方も居れば、最近話題の某マイケルジャクソンみたいに顔も素行もあちらの世界に行ってしまう人もいらっしゃいますし。
 最近、複数のバンドさんからの依頼でCoco(こっこと読むそうです。当方知らずに恥を掻きました)と言う沖縄出身の、もう今は活動を辞めている女性歌手の曲をやりたいと言う事で、珍しく参考音源としてこの流行り物?のアーティストを聴いてみたんでございますが、これはもう何と申しましょうか歌詞の世界が不健康では有りましたなぁ。太鼓パターンをコピーする為にループで2日ばかし聴いていたら、こちらまで不健康になりそうではございました。それでも結構人気が有るのは不思議な物です。演奏に関してはコピーする時間の余裕も余り無かった為、いざ本番となると歌詞をフォローしながら叩く所までは行かなかった訳では有りましたが。演奏者としては余り褒められるような態度ではありませんが、それはそれで良かったのかしらん。
 たまたま見たTVドキュメンタリーでリストカットの常習者を追った映像を見ました所、好きな歌い手さんはこのCocoの作った曲だったそうで、これはさも有りなん等と納得して見ておりました。どうも年齢が上がって来ると耳がこの手の音楽は苦手となる様でございま。



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