天ちゃんの・徒然草子
古典芸能・1

天羽[司法行政卿]孔明

 やぁ! あけましておめでとうございまぁ〜〜〜す。
 と、型通りの挨拶で書き出してみましたが、実はこれを書いているのはまだ平成四年なので、本当の所は年末の忙しいさなかなんですよねェ(しかもぼくの隣では、息子のガジラがダラダラと喋りながらミニカーで遊びつつぼくの邪魔をしているしネ)。
 とは言へ、これを読んでもらうのは平成五年の一月なわけだから、やっぱり『あけましておめでとう』と書くのが正しいありかたなんでせうなぁ。そもそもぼくは、年賀状を十二月に書くという行為を、もうかれこれ二十年以上もした事がないのです(もちろん今現在まだ書いていません)。では、いったい何時書くのかと言うと、一月一日の午前零時を過ぎてから書くようにしているのです。それが本来の年賀状の姿なんじゃないかなんて思うんですよ・・・うん。もちろん人それぞれなので、自分の考えを押しつける気は毛頭ありませんがね・・・。

 と、と、と・・・、連載一回目だっつうのに、なにやらグダグダと書いてしまいました。すんまへん・・・。そろそろ本題にかかりましょう。
 さて、今回から始める《天ちゃんの徒然草子》ですが、これは、前回も書きましたが、ぼくが日ごろ考えている事や、疑問に思っている事、さらには、まったくのホラ話しを書いたり(って、相方の麻衣子に言わせると、「いつでも、どこでも、だれにでも、年中ホラばっかりふいている」っていわれてるんです。で、あげくに『天ちゃん来たりてホラをふく』だって、まったく・・・)するつもりです。まっ、早い話しが、テーマの幅がひろがっただけで、結果的には今まで書いてたのと同じことをするわけですな・・・。
 で、一回目のテーマですが、『古典芸能』です。
 まぁなんです。古典芸能と一口に言っても、色々とありますよね。海外なら、なんといっても中国の京劇、それに、シェークスピアの芝居や、オペラだって、広い意味では古典芸能になると思います。また日本では、能・狂言、文楽・歌舞伎に落語に浄瑠璃などなどなど・・・。一度に全ての事を書くのは無理なので、今回は特に、歌舞伎について書いてみようかと思います。

 歌舞伎は、御存知のように日本のミュージカルみたいなものですよね。なんでもそのルーツになるのは、「出雲の阿国」である、なんていうふうに言われています。もちろん他にも説があるようですけどね・・・。
 さてこの歌舞伎ですが、料金は高いし、なにを言っているのかさっぱりわかんないし、なんと言っても難しそう・・・。っていう理由で、なかなか若い客がつかなくて、一部のマニアだけのものになってきている。なんていわれています。一昔前なら、庶民の娯楽の代表みたいなもんだってのに、残念な事です。もっとも、市川猿之助などの活躍のおかげで、じょじょに若い世代の客も増えてきて、近頃では静かなブームになり始めているんだそうです。よかった、よかった。
 ぼくが最初に歌舞伎を見たのは、中学一年の時の課外授業の時でした。演目は『芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)』の「葛の葉・子別れの段」でした。 同級生のほとんどが、つまらないとか、解らないとか言っているなかで、ぼくは真剣に最後まで見てしまいました。それからです。ぼくが歌舞伎好きになったのは・・・。
 その頃は、とてもじゃないけど中学生が一人で歌舞伎を見に行くなんていう事は難しくって、父親に無理を言って連れて行ってもらってました。さすがに高校生になってからは、アルバイトしたお金をもって一人で見に行くようになりましたけどね。(だって友人は、「なんでそんなおじんくさいもんに高い金はらってつきあわなあかんねん」と言っていっしょには行ってくれなかったんだもん・・・)
 たしかに料金が高いのは認めるけれど、なかなかどうして、けっして内容はおじんくさくなんかないんですよ。なんせ、SFあり、怪談あり、スペクタクルあり、さらにはファンタジックなものや、ちょっぴり悲しい人情物まで、さまざまです。まだ一度も歌舞伎を見たことのない人は、ぜひ一度猿之助あたりの歌舞伎から行かれる事をおすすめします。かならず好きになる事うけあいですから。特にいまなら、とっても解りやすい歌舞伎の入門書や観賞本なんかも出ているので、それらを一読してから行くのがベストですよ。ちなみにぼくのおすすめ本は、主婦と生活社から出版されている、「いまいかおる著・若い女性のための歌舞伎入門」と、ぴあ出版部から出ている「ぴあ・歌舞伎ワンダーランド」なんかがいいんじゃないかと思います。
 ともかく、一度行ってみてください。

 というところで、今回はここまで。あんまり、『古典芸能』についての一考察にはなってなかったけど、まっ、いいよね、ハハハハハハハ・・・・・・(テレテレ・・・)。
 次回のテーマは、『本』です。そう、『古典芸能・2』は、いずれまたということで・・・、んじゃね。

 《萬歳の至芸・砂川捨丸》のCDと、《白波五人男》のCDを聞きながら・・・。

1992.12.31. AM.06:27



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