そんなわけで、今月から新連載であります。
何を書こうかと色々考えたんですが、まぁ、無い知恵をいくらしぼっていてもしかたがないので、ここは一つ、ぼくの大好きな妖怪の話を書いてみる事にしました。
ぼくの妖怪好きはけっこう有名でして、日本の妖怪はもとより、中国の数々の奇書に登場する化け物たち、さらには、インドや北欧、西洋のモンスターにいたるまで、なんでもこいで大好きなんであります。おかげでそれらの書物を本屋で見かけると、てあたりしだいに衝動買いをしてしまうんですよ。ところが、御存知かどうかこの手の本って結構値段が高いんです。先日も古本屋をうろうろしていたら、井上円了著の『妖怪学講義』全5巻箱入りが二万円で売っていたのでつい買ってしまい、その後しばらく金欠病にうなされてしまいました。いゃー、まいったまいった・・・。
ちょいと話しがそれてしまったみたいですね・・・。すんまへん。
とにかく、そういった化け物やモンスターのなかでも、とりわけ日本の妖怪が一番好きなので、今回の連載では日本の妖怪を中心に、エッセイモドキだのショートストーリーなんぞを書いていこうと考えてますんで、どうぞよろしく。
さて、そもそもぼくが本格的に妖怪を好きになったのは、今からもう二十年以上も前の事だったと思います。
あれはそう、忘れもしません。父親につれていってもらった『妖怪百物語』という映画の中のオープニングのワンシーンにでてきた“ろくろっ首”に惚れたのが最初でした。
以来ぼくは、恋人にするなら・・・、いえ、結婚するなら“ろくろっ首”しかないと考えていたんです(残念ながら・・・と書くと怒られてしまいますが、天羽麻衣子は“ろくろっ首”ではありません。あしからず)。だってほら、“ろくろっ首”さんて、むちゃくちゃすてきだと思いませんか。なんていうか、ほら、“ろくろっ首”さんと二人でならんで歩いているとするでしょ、で、右にろくろっ首≠ウん。左にぼく。そして、さらにその左に“ろくろっ首”さんの顔。どうですか、なかなかシュールですてきな光景だと思いませんか? ね、いいでしょ。ところがこの話しをすると、たいていの人が気味悪がってしまうんです。どうしてなんでしょうか? そういえば以前、デイブにも気味悪がれたっけ・・・。
ところでこの“ろくろっ首”、よく“抜け首”と混同しておられる方がいるようですが、まるで違うものなんですよね。“ろくろっ首”とは、すなわちロクロ(と書いてもロクロの意味がわからないかな?)のように首が延びる処から“ろくろっ首”と言われ、灯火の油を舐めるといいます。これのどこがこわいのだろうか? とぼくなんぞわ思うわけです。
この“ろくろっ首”、落語のネタにもなるほどポピュラーな妖怪でして、昔は見せ物小屋などの出し物としてもよくあったみたいです。。ぼく自身、いつだったか福島県に行った時、たまたま神社で祭りをしていて、その時この出し物を見た事があります。文献を調べてみますと、『甲子夜話』という本のなかでは、この“ろくろっ首”は一種の病気であるように書いてあります。
ぼくが好きなのは、もちろんこの“ろくろっ首”の方です。
一方“抜け首”とわ、そのものずばり体から首が離れて宙をまい、ガリガリと死人の肉をかじるといわれております。この妖怪に出会った時は、体の方を隠してしまえばいいんだそうで、そうすれば、宙をまっていた首が体にもどれず、やがて死んでしまうと言われています。この“抜け首”の話しは、柳田国男の『遠野物語』のなかにも登場します。また、一説によりますと、この“抜け首”は中国から渡って来た妖怪で、中国名を飛頭蛮と言うそうです。
中国から日本に渡ってきた妖怪はけっこう多く、その代表格として、“金毛・九尾の狐”などはあまりにも有名ですよね・・・。
と言うわけで、この続きは次回、『お狐様』にてお届けします。おたのしみに・・・。
今回からこのコーナーは、日本中に点在するかくれたおいしいお店の紹介をする事にしました。
まず、記念すべき一件目は、神奈川県小田原市堀之内3、にあるスパゲッティとサラダの店『パピロン』です。
この店、なにが怖いといって、レギュラーサイズをたのんでも、かなりの大もりで出てくるのです。大食に自信のあるかたにはぜひおすすめします。もちろん、味の方もおすすめの美味しさですよ。
さてその場所ですが、小田原駅の裏口(新幹線側)の方へ出て、ななめ右の方へ坂道を上がって行ってすぐの所にあります。この方面にお出かけのせつは、ぜひとも行ってみてください。
ちなみに余談ですが、この店は、ぼくが新婚旅行の途中で立寄った店なんです。うん。いや、おはずかしい・・・。