1999年まで、あとわずかとなってまいりました。
あけまして、おめでとうございます。天羽です。
みなさんは、よいお正月(悪いお正月って、どんなんやろぉ……。やっぱり、ローソンで万引したり、賀正隊とかいう暴走族のヘッドやったりするんやろか……)を迎えられましたか? 誰です? おもちを喉に詰めて苦しんだなんて言ってる人は……。
さて今年から『天ちゃんの、色々食べてみま戦課』と称して、毎月々の変わり種料理の数々を紹介していこうと思います。
人外協の甲州画報に、突然こんな谷甲州と何の関係もないコーナーが誕生して、さぞやみなさんは驚かれている事でしょう。実はこれ、以前別のSFサークルの会誌に書いていた『天ちゃんの乱食記』というシリーズのパート2のようなもんでして、わりと評判が良かったのですが、残念な事にそのサークルが消滅してしまったため、このシリーズも、立消え線香のようになってしまったのです。さいわい、と言うか、そのSFサークルの主要メンバーと、人外協の隊員が多数だぶっているため、こうしてここに、再び書いて見ようと思い立ったわけであります。
前文が、やたらと長くなってしまいましたが、まず、記念すべき第一回目は、『裏七草』です。本当は、おせち料理の事でも書こうかとも思ったのですが、ちょっと時期がずれすぎているようなので、こちらを題材にとってみました。
この裏七草ですが、なんのことだかわかりますか?
七草と言えば、一般には、春の七草として『芹・薺・御形・繁縷・仏の座・菘・蘿蔔』などがあります。又、秋の七草としては『萩・薄・葛・撫子・女郎花・藤袴・桔梗』などがそうです。
さてここで、この世の万物には、すべて陰陽の理がある事を御存知でしょうか? まず、陽の七草がこれら十四の草花とすると、対して、陰の七草、すなわち、裏七草が存在するのです。もっともこれは、春の七草に対する物だけでして、秋の七草に対してはありません。それは、秋の七草が、単に、秋に咲く有名な草花と言うだけの意味しかないためです。
『馬の足形・狐の牡丹・瘡の王・深山黄華鬘・灯台草・次郎坊延胡索・耳形天南星』以上七つが、その裏七草であります。
この裏七草の存在を、ぼくが初めて知ったのは、今から約十二・三年も前の事になります。京都の北山の奥にある、行眉山龍唾寺の宝物殿の中でした。
そこは、かなり寂びれた山寺で、観光客どころか、地元の人でさえめったに寄りつかないだろうと思われました。もっとも、そのおかげもあってか、住職の玄海和尚は、この裏七草の事を、かなり詳しく僕に教えて下さいました。
なんでも、この裏七草は、陰陽道引導師などがよく用意たもので、その製法によって、薬にもなれば、猛毒にもなるといいます。
もっとも簡単な食用法は、七草粥と、まったく同じ作りかたをします。そして、旧暦の正月の七日(と、言うから、今の2月23日頃)に食するのがいいそうです。
実際、食べてみると判るのですが、まず、舌先は痺れ、続いて喉は焼け、胃は火照り、頭が疼いて目が血走ると、その効果はばつぐんです。
我と思わん方は、まずはお試しあれ。
PS.書き忘れてましたが、この裏七草は、どれもみな、実際にある猛毒の毒草です。食後、どのような事が皆様の身に振りかかろうと、当方は、一切その責任をおいかねますので、その点をよろしくお願いいたします。
隊長が、大阪にある隠れた美味しいお店をいろいろ教えて欲しいと言ったので、ここに毎回一件ずつ紹介していきます。
まず、口火を切るのは、やっぱり蕎麦屋の『瓢亭』。この店の夕霧そばは、通のあいだでは、あまりにも有名です。
場所は、大阪梅田曽根崎お初天神通り、お初天神を東に入った突当りです。
まだこの店を知らない蕎麦好きは、是非一度御正味あれ。
この店、お初天神の立退き騒ぎ以降一回も行ってないんだけど、まだやってるよネ……。