第九十五話

天羽孔明

 大阪の瓢箪山稲荷に行った時の話。
 お社の後ろにある大きな樹の幹に、まだ新しい藁人形が五寸釘で縫い止められているのを見た。その藁人形には、名前の書いてある紙が張り付けてあった。書いてあった名前は憶えているけど、それはここには書きたくない。



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