第三十三話

林譲治

 これは昨日のこと。道路に自動車に潰された亀の死骸があった。全長二〇センチほどだからそれなりに大きい。これはわが家から江坂方向に向かって左端にあった。
 江坂駅周辺の商店街を回って帰ってくると、やはり向かって左端に亀の潰された死骸がある。だが本当ならこの亀の死骸は帰宅するために道路の反対側を歩いているのだから、向かって右端になければならないはずである。
 そして今日、江坂駅に向かっていたら、亀の死骸は同じ場所、つまり進行方向左手側にあった。
 どうして死骸が道路を移動しているのかはわかりません。



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