CONTACT Extra

 2050年、地球人は10光年離れた恒星系の異星人からのメッセージを受信した。はずなんだけど、企画開始直後に届くはずのメッセージがなかなか届かない。どうやら「異星人チーム側から送信するメッセージについて議長が説明している」場面を、取材しているため2040年から時間が進まないらしい。
 今回の企画はNHKの取材のために実施したので、基本的に取材が優先される面があるのはしかたない。
 おとなしく2050年頃の地球人の設定について話し合うことにする。異星人からのファーストメッセージ

 そうこうしていると、NHKの取材陣と共にメッセージが苦力(取材中はスーパーバイザー)により届けられる。
 そのメッセージが右の図である。(実際には白黒にコピーしたもの)
 最初に解説しておくと、図の上のグラフは太陽系の惑星の視直径の比を表したもので、下のグラフは太陽からの惑星の距離を表したものである。
 地球人チームも下のグラフが恒星系の惑星の距離を表したものだろうことはすぐに気が付いた。
 惑星の数と大きさの順から、我々の太陽系ではないかとの意見も出たが、上のグラフの長さの比が質量の比率と考える現状と合わないこと、さらには左側にある異星人らしき図があることから、異星人が自らの存在を示したものではないかと誤解釈してしまうことになった。
 当然、メッセージになんらかの返信を行なうことになる。しかし、返信内容を決定するよりも前に送信元と推定される恒星系を徹底的に観測するのは当然のこと。通信、線表
 最近天文学者に確認した情報では、50年も未来、しかも異星人が居ることが確実な恒星系を徹底的に観測すれば恒星系の惑星の位置や大きさは確実に判明するらしい。いや現在でも十分なコストさえ投入すれば十分可能らしい。
 観測の結果得られた惑星の数、大きさは受信した通信内容と全然合わない。また過去にこの恒星系から人工だと考えられる電波が観測されたことはないことも判明する。
 その後、苦力から上のグラフは「太陽系の惑星の視直径の比に一致する」ことが説明され太陽系の図であることが確定した。
 となると、この異星人らしき図はいったいなんなのか。なぜ地球と火星の上に異星人が描かれているのか。隣の部屋の人間の考えは想像がついても異星人の考えはさっぱり見当がつかない。
 取材する側から見ると、先程ほどの「異星人のメッセージを誤解して、対応を考える地球人」や「異星人に惑わされる地球人」は CONTACT を紹介するのには絶好の構図であったかもしれない。最初の返信
 いつまでも考えていてもしかたがないので、“異星人らしき図”は知的生物を表わすシンボルなのだと考える。
 そうすると、「あなた方は地球と火星に住んでいるのですか」という質問だと解釈できる。
 一年間の熟考の後、友好的な地球人は、一切の情報を隠すことなく異星人からのメッセージと同じフォーマットで右のような図を返信した。意味は誰でにでも簡単に分かる通り「我々は第3惑星上に居ます。あなた方は これらの惑星に居るのですか」である。
 初めての異星人との遭遇に感激した地球人が初々しく「どんな情報のやりとりをすれば良いか」を検討していたとき、異星人はすでにとんでもない暴挙に出ていた。
 2060年に届いたメッセージは「宇宙船を送る」としか考えられないものであった。
 しかもこのメッセージは我々が最初のメッセージを受けとった年には発信されている。
 このあたりで議論に熱中する参加者の意識の中から、ときおり苦力から説明される取材上の段取りを除いて“NHKの取材”は消えてしまったはずである。
 しかし、通信が錯綜しだし線表を理解しないと状況がはっきりとしないことを理解したのか、ときおり取材陣に苦悩の表情が見られたような気がする。

宇宙船を送るよ、の図 来るなら火星に来い、の図

 「あいつら、もうすでにやって来てるやんけ」、「いきなり地球へ来られても困るよな」、「しゃあない火星に来るように返事しろ」といったような経緯で、異星人には火星に来るように意図した通信を送る。 実は同時に異星人の姿形や生体情報も送られて来たのだが、やはり直接宇宙船がやってくる事態の前では霞んでしまっている。
 そうこうするうちに、太陽系に到着し火星と地球の両方を含んだ軌道をまわりはじめた宇宙船は無人探査機でしかなかった。 また、宇宙船到着直後に、ようやく最初の返事に対する返信が到着する。
 地球人にとって困ったことに、宇宙船が有人だと誤解していたときに送った「火星に来るように」のメッセージがそろそろ相手に到着する。
 「火星に来いって言っちゃったよな」、「もう取消しはできないよな」と苦悩する地球人。火星へ来い、と念押しの図
 異星人はもしかすると許可を得たと思って大挙して太陽系に押し寄せるかもかもしれない。
 しょうがないので、この通信が届く頃にはどういう事態に陥っているのか不安に思いながら「火星へ来るように」と念押しの通信を送る。


 このあたりで、いつまで続けても結論が出ないことを察したNHKのディレクターが「もうそろそろ」と宣言し、企画(取材)はひとまず無事終了した。
 その後、要領と段取りの悪い反省会も取材し、企画終了後長時間にわたって大迫代表のインタビューを続ける取材陣を残し遅い昼食に向かった。

 取材と遅めの昼食の後からは本来の予定であった、「Day CONTACT 4」、「CONTACT Japan 5」の打ち合わせが遺漏なく行なわれました。

(阪本雅哉)