まえがき

清水宏祐

 さて、これより皆様方にお目にお掛け致しますは、青年人外協力隊の有志によります、『百物語』にて御座いまする。
 まず、そもそもの事の起こりはと申しますと…。
 時は壱千九百九拾九年九の月の事でありました。我が青年人外協力隊の郵便一覧(メイリング・リスト)並びに中庭(ホームパーティ・パティオ)の席に置きまして、囁かれましたのが「奇妙な話」。夜毎、夜毎に掛かって来る、携帯電話の迷惑電話。発信元を突き止めて、これは誰かと尋ねれば、なんとなんと今は亡き父上からの電話とは…。
 そしてそれからこの話、尾鰭が付いて応答付いて、皆様の広く知られる事と為りました。
 だがこれだけでは勿体無いと、あれやこれやの「不思議な話」を皆が書いては送って来ます。
 せっかくだからこーすけさん、『百物語』でもやりませんかと、声を掛けたが人外協随一の妖怪博士の天羽さん。
 「面白い、面白い。やりましょう、やりましょう」と、二つ返事で書き始め、有志雁首打ち揃え、ほんのひと月経たない内に、ずらっとそろった九拾九話。
「古狸妖怪」の話から、日常ふとした「不思議な出来事」、身の毛もよだつ「恐怖の体験」まで、選り取りみどりの力作・佳作取り揃え。
 はなから順に読むも善し、興味次第にかじるも善し。
 いずれ劣らぬ九拾九話、隅から隅までずずずぃーーーーと、

 ま、よろしゅうたのんまっさ。

迷隣虞百物語・表紙



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