電脳昔話・4

第三勢力:ほらふきクラブ

 電卓
fx-19 電卓博物館という頁によると、世界最初の電子式卓上計算機が開発されたのは63年らしい。そして翌年には国産製品も開発されている。この当時は電卓とは言っても、なんとか卓上に置くことができるくらいの大きさで、誰でも手軽に買えるようになったのは70年を過ぎた頃になる。
 私が初めて電卓を買ったのは76年。たしか「高専に受かったんだから」といった意味のない理由で。そのときの最新機種カシオの fx-19だった。 「sin、cos、tan、log、ln、√、π、答え一発カシオミニ」なんてCMをしていたのを覚えている。
 値段は覚えていないけど、中学生がなんとか買える程度なんだから、高くても数万円程度だったはずだ。ってことは僅かに10年ほどで10倍、もしかすると100倍の低価格化を実現したことになる。そして、後の10年でもう数倍安くなって行くことに。
 この頃はナショナル、オムロン、リコー、他にも良く覚えていないけどかなり多くのメーカーが電卓を作っていたのに、結局はカシオとシャープ以外は脱落していった。
 値段もガンガン下がるし、中には2の3乗を計算すると、7.9999998 なんて答えの出る機種(たしかオムロン製品)も有ったから、淘汰されてもしかたないのだろうけど。
 そういえば高専に入学したときに、計算尺も購入したはずなんだけど、電卓があれば計算尺なんて使う必要もなく、いまにいたるまで計算尺で計算する方法は知らない。
 次に電卓を買ったのは、シャープのプログラム電卓だったかカード電卓だったか、良く覚えていないけど、数年の間に時計付き電卓も含めて何種類も購入した。
 そして今使っているシャープの EL-573 は、買ってから10年以上になる。なんてことはない関数電卓で、プログラマ向けに16進数(と8進数)の切替えができる機能が有ったから購入したのだが、おそらくこれが壊れてしまうまでもう次に電卓を買うことはないかもしれない。でも16計算できる電卓って便利で良いんだけど。
 とは言っても、コンピュータの電卓アプリよりも手に取って指でボタンを押す操作性、手軽さからやっぱり電卓が無いと不便でしかたがないことも多い。

 電子手帳、PDA
200LX 電卓やプログラム電卓は何種類も使って来たが、電子手帳にはあまり興味は無かった。たぶん電子手帳の提供する機能が必要で無かったこととか、自由度の無さに興味が引かれなかったからだろう。
 この系統のマシンを最初に買ったのは HP200LX で、たしか94か95年じゃなかったかな。阪神大震災で潰れた星電のビルを見ながら、「ここに忍び込んだらタダで出にはいるなぁ」と不謹慎な話していたような記憶があるから。
 本体はいくらで買ったか忘れたけど、10Mのメモリカードを10万だったか20万だった。(これも数年後には20Mで数万になったし、今や1Gでも1万程度から、まだまだ下がっていく)
 ただし 200LX は電子手帳じゃなくて、ポケットコンピュータだったわけだが。
 入手後は日本語化したり、色々なソフトを入れたり、内蔵のDBを改造したりと使うための環境設定やカスタマイズには凝ったし、常に持ち歩いてはいたものの実際に使い込むほどのことはなかった。
 その後、小さくて便利かもと思ってPalmVを購入して、HotSync の便利さを知ってしまうと、Syncできない 200LX に不満が出てくる。
 MobileGearさらにMobileGearUを入手すると、その大きなキーボードの使いやすさ(もちろんそれに比例して携帯性は下がる)とNotePCに比べて圧倒的な電池の持ちの良さで外出先での文章の入力には重宝したが、これも外出先で文章入力をする機会がそんなにしょっちゅう有るわけでもない。
 でも一度興味を持つと具体的な使いみちがなくても欲しいものは欲しい。現在はJprnada720もしくはLinux Zaurusを、その時の気分で持ち歩いている。
 結局、家と会社(どちらにもPCがあるし)を往復するだけの技術系サラリーマンには外部に持出して管理しなければならないようなデータは存在しないので宝の持ち腐れになってしまっているような気がするけど。

 NotePC
 東芝 DynaBook J3100SSが出たのは89年、値段は20万より少しだけ安かったような。
 まともに使えるNotePC、しかも安い(つうかあまり高くない)となればこれは買うしかない。
 後で購入したPDAに比べても遥かに頻繁にどこにでも持ち歩いていたし、仕事にも個人的にも使いまくった。たぶんこれだけ使った携帯機器はもう無いかもしれないくらいに。
 今から思えば結構重いし、電池の持ちもそんなに長くない、当時使っていたPC9801とは別のソフトが必要とかはまったく気にならなかった。
 次に買ったのは ThinkPAD 600X で、この機械も重宝したが J3100SSほと「使ったぁ!」って気がしないのは、初めての衝撃ってやつだろうか。
 ThinkPAD は自宅サーバになっている、J3100SSはどこへ行ったか忘れ。手元に有っても使いみちは無いけど。

 携帯電話
 携帯電話を最初に買ったのはたしか2000年、今使っている機種が2台目。電話は滅多にしないし、携帯でメールを送ったことは一度もない。でも今までほとんど使いもしない機械を買いまくっていた熱意はどこへ消えていったんだろう。
 でも、最近の携帯電話はカメラも付いているし機能も豊富だけど(人間の方が慣れてしまっているから無理なような気もするけど)もうちょっと使いやすくならんだろうかと思う。
 売る側もあんまり小さくする気は無さそうだし、それならPDAとしてまともに使えるように考慮した機種を少々高くても良いから。




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