暑いなー、などといっていたら、仕事場のエアコンがぶっこわれた。昨日は金沢で最高気温が36度だとか、その前には小松で38度まであがったとか、にぎやかなことです。というわけで、いつものことながら仕事ははかどらず。昭和初年のヒマラヤ遠征の話、いったいいつになったら完成するのやら。六月中には完成しているはずだったので、七月中旬の上京時に確認のための取材をする予定だったのだが、原稿の完成にはほど遠い状態のまま二度めの補強取材になってしまいました。とはいえ前とちがって原稿をかなり書き進めていたので、かなり突っこんだ話をきくことができました。取材しながら小説を書くというのも、結構おもしろいものだ。なんか病みつきになりそう。公式な記録には載っていない裏話がボロボロでてくるし。これまで名著とされていた新聞記者(遠征隊に同行)の本に、かなり事実と違う部分があったりとか。あとは昭和初年という時代をどう小説に取り入れるかだが、あんまり説明しすぎると話がうるさくなるものな。このへんは、うまいことやります。
上京ついでに仕事の話もいくつかやってきたのだが、どれもまだ確定はしておりません。あんまり大きな声ではいえない話もあるし(ひみつ、ひみつ)。あ、こっちは書いても大丈夫か。SFマガジンの二〇〇一年一月号から宇宙SFの連載をはじめるかもしれません。せっかくだからファーストコンタクトの話をやりたいねーなどと編集者と話していたのだが、さて実際はどうなるか。たとえば百年後に地球と衝突しそうな小惑星が発見されたとか、実はそれが外宇宙から飛来したエイリアンクラフトでコンタクトまでに五〇年はたっぷりかかるとか、そんな話になるかもしれない。地球が破滅するとしても百年後のことだから、宇宙開発の利権に群がる業者がNASDAに殺到して癒着の構造がどうのこうのとか、例によって編集者との相談は馬鹿話に終始しておりました。準備期間は結構あるのだが、結局は下調べが不充分なまま連載に突入しそうな予感があるな。あー怖、などといっていてもはじまらんので、まめに取材してまわるか。『軌道傭兵』が中断して以来、日本の宇宙開発に関してはすっかり放ったらかしだし。
ところで、前に書いていたことの訂正。『覇者の戦塵』の角川版のうち『北満州油田占領/激突 上海市街戦』は八月に再刊されるのだが、『謀略 熱河戦線/黒竜江陸戦隊』は来年にずれこみそうです。十月と十一月には中公版『覇者――』の新刊を出すことになったから。しかし、本当に出るのかね。あんまり責任は持てんぞ。
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