最初に訂正から。Cノベルズで再刊される角川版『覇者の戦塵』は、六月からの毎月刊行ではなくて隔月刊行になります。つまり六月に『オホーツク海戦』と『第二次オホーツク海戦』、八月には『北満州油田占領』と『激突 上海市街戦』という具合。残った分が一〇月刊になるはず。『ヴァレリア・ファイル』のときとちがって、あまり修正しなくていいから楽かな、と思ったらそうでもなかった。わずかな分量の書き下ろしに、四苦八苦することになった。それなりに面白い話になったと思うので、角川版を買った人も書店でみかけたら手にとってください。絶対に買えとはいわんが。
それにしても今年は再刊が多い。再刊だけではなくて、雑誌の連載をまとめた『エリコ』もある。しかも秋には『神々の座を越えて』の文庫化も予定されている。ということで、計算してみたらえらいことになっていた。『ヴァレリア・ファイル』が千八百枚の、角川版『覇者の戦塵』が二千五百枚の、『エリコ』が千五百枚の、『神々の座を越えて』が千二百枚と。合計すると七千枚になる。原稿はあまり書かなくていいとはいえ、七千枚分のゲラをチェックするのは気の狂いそうな作業ではあるなあ。やってもやっても次から次に押しよせてくるというか。書き下ろしが、なかなかすすまんはずだ(以上はいいわけ)。
ところで七月の一七日(土)に東京の有楽町マリオン・スクエアというところで、日本ペンクラブ主催の「人権の集い」という催しがある。この会の第二部が「女性と文学 いま文学者として性差を考える」というシンポジウムになっている。これになんと甲州がパネラーとして出席することになってしまった。予定は早々と決まっていたのだが、恥ずかしかったからいままで黙っていたのだ。入場無料・申し込み制で先着順に締め切るらしいので。でもこれは、ペンクラブの会員でなくても参加はできるのかな。よくわからん。興味のある人は、問い合わせてみてください。もっとも全体で一時間ほどの枠組みにパネラーが六人なので、一人あたりのしゃべる時間は十分程度の計算になる。まま、たいしたことは話せないでしょう。時間があったとしても、甲州がすごいことを話せるとは思えんが。
では何でそんなことになったかというと、小谷真理さんから電話がかかってきて「『エリコ』面白かったよー。女性と文学のシンポジウム、でない?」というだけの話。ちなみに他のパネラーは大原まり子さんなどの名前もある。なんかSFかやおいの話になりそうで怖いな。他にはペンクラブの女性問題小委員会委員長の三枝和子という女性もいて、げげ、と思ったけど一部ネットで有名な女性論客(またはバトラー)とは別人なのでひと安心。
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