十一月にはいってしまったが、仕事は例によって停滞中の甲州です。『覇者の戦塵1939』はまだ書き終えていないし、その後の仕事もさっぱり目処がたっていないのであった。とはいえ、あまり遅らせるのもナンなので編集さんは何がなんでも十一月刊で頑張るそうであります。しかしま、本当に今月中に本なんかでるのかね。もう六日の日付が七日にかわりそうな状態だぞ。でもって発売日は二五日頃と。書店にくばる見本のでるのがその五日から一週間前と考えれば、どうも物理的に無理くさい気もするのだが。でも、ここまできたのだから頑張るか。明日のうちに原稿を放りこめば、なんとか首の皮一枚のこして間にあいそうな気もするし。
えーと、まだこのことは書いてなかったかな。今回はノモンハンが舞台になります。ただし十二月刊の本と連続の上下巻で、今月はそのうちの上巻のみ刊行。だから多少うすっぺらな本になるかもしれないが、それはまあご愛敬ということで。実は焦っているのは、編集さんばかりではないのですがね(当たり前だ。著者が焦らなくてどうする)。よく考えたら『SFバカ本−2』用の短編が、先月末の締め切りなのであった。はやいところ今回の覇者を放りこまんことには、バカ本の原稿にかかれないのだよ。とはいえ、こっちの方は来年の一月刊だった(と思う。恐ろしくて確かめる気にならない)。まだ余裕があると考えて、放ったらかしにしております。どんな話にするのか、まだなーんも考えてない。こんなことばれたら、編集さんに絞め殺されるな。
で、覇者の上巻とバカ本の短編を片づけたら、全力で覇者の下巻にかからないといけないのだった。ところが下巻は十二月の刊行だから、普通の月より五日ほど予定が前倒しになるのな。発売日が二〇日ということは、締め切りも当然いつもより五日ほどはやくなる。本当に間にあったら奇跡としかいいようがない。実は上巻の表紙もモノクロイラストもすでにあがっているらしいのだが、原稿だけが入っていないという情けない状況なのであった。こんな私にだれがした。
とはいえ、焦っているのは編集さんばかりではない(当たり前だ、というのは前に書いたか)。はやいところ下巻の方も放りこまないと、十二月末発売のSFマガジンの原稿にとりかかれないのだった。こっちの方は十一月の二五日くらいが締め切りだと思ったが、そんなに早く覇者が終わるわけがないわな。どこまで締め切りを引っぱれるか、連載の最初だし運だめしをしてみるか(そうだ。忘れてたけど一年間の連載なのだ。しかも毎回七〇枚。下手をすると、本当に落ちるぞこれは)。気ばかり焦るのだけど、実はまだマガジンに何の話を書くか全然きめてなかったりする。それでもまあ、なんとかなるでしょう。『終わりなき索敵』のときも、いきあったりばったりに話をはじめてなんとか形になったんだから。人間、切羽つまれば話はでてくるもんよ。傑作とは額に青筋たてて気張りだすものであるのだ(なんか汚いな)。
さて今夜も頑張ろう、と思ったら、こうしゅうでんわのことをすっかり忘れてた。乱文だけど、事情が事情なもんで我慢してくれ。