こうしゅうでんわ

谷甲州

 あ、忘れてた。5月の甲州画報をみて思ったこと。▽うーん、おそろいじゃないですよ。める様△。SFマガジンの『くしゃんくしゃんDAYS』と『ONCE UPON A TIME』は読んでたはず。あ、最近は LOG OUT もあるか。なんだ、単行本は読んでないではないか。あんまり大きなことはいえんな。
 とはいえ、しみじみと豪勢な表紙だよなあ。めるへんめーかー様のご好意に感謝します、と俺が礼をいうのも妙なもんだが。と、小説道一八年弱の(おっと、おそろいだ)甲州は思ったのであります。

 で、最近の甲州なのだが、例によって仕事はさっぱりすすんでないと(念のために書いておくのだが、この文章は別にデフォルトだとか文章登録だとかしてるわけではないぞ。いつもおなじことばかり書いて気が引けるのだが、事実なのだから仕方がない。たまには「例によって怒涛のごとく仕事はすすんでる」と書いてみたいものだ。ま、それはともかく)。この一カ月間、いったい何をやってきたのかな。『神々の座を越えて』は予想どおりというか、やっぱり遅々として進んでいない。資料だけは死ぬほど集まってるんですけどね。実際に原稿を書いてる段階で資料を集めても意味がないんだけども。なんというか、気休めというか不安をまぎらわせるためについ眼についた資料本に手がのびてしまうのな。気がついたらチベット関連の本だけで、数十冊ほどたまってしまった。こんなに資料があっても、かえって書きにくいだけなんだが。

 なんてなことをやってると、FAXがジーコジーコと鳴りだした。あっちの協力隊(つまり青年海外協力隊)の広報誌「クロスロード」からで、新田次郎賞授賞式の記事を書いたのだが誤りがあったら訂正してくれ、とのこと。読んでみたら写真のキャプションに「後方はファンクラブ『日本外人クラブ』の皆さん」などと書いてある。なんだい、これは。FAXなんで写真がつぶれて判読できないが、要するに人外協の面々らしいのな。しかし「日本外人クラブ」はないでしょう、と思ったんで「ファンクラブの正式名称は『青年人外協力隊』である。略称は『人外協』とも称する。別に私が命名したわけではありまへんので、なにとぞよろしく」とFAXで返事を出しておいた。さて、はたしてあっちの協力隊(天下の、という形容詞をつけてもいいぞ)の広報誌に「人外協」の名前が掲載されるかどうか。略称だけでも充分におもしろいが、正式名称が全文印刷されたらこれは死ぬほどおもしろいのではないか、と勝手に盛りあがってる甲州であります。たぶん今月の画報が出るころには、市中に出まわってるはず。ただし都内の大手書店くらいしか配本されないと思うが(直接営業なのだな)、各地の図書館にもおいてあるところは多いので興味のある人は確認するように。




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