八月になって、ますます環境は夏になりましたなあ。あいかわらず仕事はさっぱり進んでません。資料本だけはずいぶん読んだ気がするんだが、気がついたら取材のつもりが単なる読書になってたこともままありました。人間も機械も、遊びが必要なのだと開き直っておこう。秋ごろには軌道傭兵(ではないのだった。あたらしいシリーズ名を、本気で考えんといかんなあ)の新刊が二冊もそろって出ると編集さんはいっておりましたが、本当かね。とても信用できん。
で、ほとんど二年ぶりにSFマガジンの短編を書いております。掲載は今月末発売の号だったと思う。ながいこと短編を書いてないんで、書き方を忘れてしまったよ。あれ、つい最近ホラーの短編を書いたか。どちらかというと「書き方を忘れた」というのは、編集者に対するいいわけであった。仕事がなかなか進まないのは事実なんですけどね。『終わりなき索敵』のとき、あまりにひどい締め切り破りをやってたんで(それも連続一七回だ)、今回は早々と催促の電話がかかってくるのだ。でも甘めのデッドラインのさらに半月も前から、やいのやいのと催促されても力ははいらんわなあ。決して原稿料が安いから、不貞腐れてるのではないのだぞ。たとえ非常識なほど原稿料が安くとも、そのために生活が不安定になろうとも(くどいな)、高品質のSFを納品するのがSF作家たるものの崇高な義務なのであるのだっ(断言)。しかしま、短編ひとつ書くのに力みすぎか。
それにしても、つくづく早川の原稿料は安いなあ(笑)。社員の給料が業界でも非常識なほど安いとかで、あんまり編集者に文句はいえないのだけど。それにしても……。こらっ、二代め社長! 税務署にもってかれるくらいなら、社員の給料と作家の原稿料、もうちょっとあげたらんかい! 儲けたところで、あの世までは送金でけへんぞ。ほんまにもう、三〇億もいかれおってからに。ええい腹のたつ。ぶつくさぶつくさ。
い、いかん。だんだん恨み節が業界話になってきた。これ以上やると、本気でやばい話になりそうだ。自嘲じゃなかった自重しよう。うーん、それにしても早川の原稿料は安い(まだいってる)。『終わりなき−−』のときは毎月七〇枚で一七回の連載だったから、ほかの仕事を圧迫してマジで生活が破綻しかけたぞ。好きでやったんだから、文句をいえんのだけどね。それがまた悔しい。くそ、どうせ税務署に(以下略。この手の恨み節はきりがないな)。
ということで、これでこの話はおしまい。しっかし、なんであんなに安いんだろ
(以下は自粛)。
えっと、ついでだから細かい仕事のことも書いておこう。例によって地元ローカル紙の北國新聞の夕刊に近況を書きました。もっとも書いた本人は、まだ実物をみていない。最近は別の新聞を購読しているのだった。外道。