こうしゅうでんわ

谷甲州

 最初に報告します。『覇者の戦塵-1936 第二次オホーツク海戦』は、なんとか書き終わりました。予定どおりなら今月末には本屋にならぶでしょう。SFマガジンの連載はあと2回で終了するはず。もっとも最後になってずるずる話がのびる(ひろがるともいうが)のはいつものことなので、話がきっちりとおさまるかどうか心もとないところです。とはいえ雑誌の枠ははみだせないので、なんとかおさえこむつもりではおります。でいればSF大会ごろには、本にしたいところです。あんまり保証はできませんが。
 連載といえば岳人(山岳座視だが、本格SFを丸二年も連載させてくれた奇特なところ。最近になるほど活字が小さくなってページ数が減少しているが)に書いている『失われた過去への旅』もあと5回ほどで終了の予定です。サージャント・グルカの方は……と書いてから気になって昔のこうしゅうでんわを読みなおしてみた。なんだ。今年の始めにも似たようなことを書いている。しかも、やっぱり「心もとない」などといっている。なんとなく、なさけない話ではあるなあ。とにかく、そのころから予定はかわっていません。予定から遅れているのも予定どおり。しかし、まだ希望は捨てていないぞ。
 今月からとりかかっているのは軌道傭兵(ではないのだが、新タイトルは未定)の続編(というのとは、ちょっとちがうか。まぁそんなものだ)です。こっちの方は六月に刊行だそうだが、どうなることかようわからん。例によって、とっかかりの部分で苦しんでおります。
 そうだ。徳間書店からでた「奇想艦隊(なんというタイトルだ)」という新雑誌に、エッセイを書きました。ぱらぱらとめくってみて気づいたこと。自分と同じか若い世代の作家さんは、みんなよく似たような顔をしている。自分もふくめてだが。そういえば体型も、なんとなく似かよっている。あ、もちろん例外の方もおられますよ。でもなあ……。作家さんの顔写真を雑誌にまで掲載するようになったのは最近のことだそうだが、場合によりけりだわ。実をいうとこの雑誌をみてから、しばらく鏡をみるのがいやになったのだった。
 忘れていた。おわびです。先月のこうしゅうでんわで「こうしゅうでんわ、とどきました」などとやったのは私のまちがい。正しくは「甲州画報とどきました」でした。まったく冒頭からボケてどうする。
 というところで、とりいそぎのこうしゅうでんわでした。それにしても北陸は寒い。まだ春はこんのかいな。

追伸
 何人かの方から、誕生日おめでとうメールその他をいただきました。この場をかりてお礼を申し上げます。




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