こうしゅうでんわ

谷甲州

 本当なら今ごろは「覇者の戦塵−1936」が終わってのほほんとしてるはずなのに、やっぱり予定が遅れて四苦八苦している甲州です。今後の予定を書くのもむなしい気がするのですが、あえて書いてしまおう。「覇者ー36」はきっと四月にでるでしょう。もしもでなかったら、印刷所の機械が故障したんだと考えて下さい。
 ということなので、最近はあまり身辺に変化がありません。書くことがないので、
昔つかった手でいきます。久しぶりの「こうしゅうでんわ、とどきました」。あれこれ書かれる人は迷惑かもしれんが、とりあえず最初から順にいきます。

●今月の訓辞
 当麻(たいま/とうま)という地名は奈良だけかと思ったが、北海道の旭川ちかくにもあった。これから大和王朝アイヌ起源説か異説南北朝縁起でもつくってみようかと思ったが、札幌よりには新十津川郷があったのだった。当麻寺大麻売人説にした方が、うけそうだ。
●THANATOS!
 この兄ちゃんの顔は、どこかでみたことがある。と思ったら、以前の画報表紙にあった「一升瓶をかかえたほろ酔い機嫌のコウシュウザウルス」に似ているのだった。似てないかなあ。似てるような気がするんだが。
●こうしゅうでんわ
 このおっさんは、またこんなところで愚痴をこぼしとる。仕事をせんかい仕事を。
●事務所移転のお知らせ
 せっかくだから「帰らなかった日本兵」になればよかったのに。
●例会レポート
 そ、そうか。『CB−8』にそんな値段がついたのか。こんなことなら、もっと真剣に買い占めておくんだったあ。とりあえず増刷は無期延期にして、値段をもっとつり上げよう。そうしよう。
●惑星つぼ8
 うーん。これはさっぱりわからん。役職名からはじまって最後のBGMまで、理解できる部分がひとつもない。ネタにされてるらしいことは、なんとなくわかるのだが。と思ったら、一カ所だけ理解できた。「なんとかにかわってお仕置きよ」。どうだ、俺は知ってるぞお。えらいだろう>タウンズビル在住の人。いばることでもないが。
●気分だけはレビュファ
 おおっ。これはわかるぞ。と思ったら、最近の登り方はあんまり知らんのだった。甲州がクライミングをはじめたころは古典的なアルペンスタイルの時代で、すぐにアメリカのヨセミテ風がはやりはじめて、いつのまにかフレンチスタイルが最先端になっていた。ちなみに「5・11」ときいて、「朝の五時から夜の十一時まで店をひらいているセブンイレブン」と勘違いしたのは私です。
●スーパーバルキリー
 これもよくわからん世界だが、永年の疑問がこれでとけた。そうか、熊本名物「秘芸・さても南京バルキリー」というのは、そういう芸だったのか。もうひとつ。マニラにいたときの話。近所の悪ガキども(といっても在留邦人の小伜)に「おじさんは作家なんだろう。本をみせろよ」といわれて『仮装巡洋艦バシリスク』を貸したら「わーバルキリーだってよー。マクロスの真似してやがんのー」といわれてしまった。そのときはよくわからんかったが、そういうことだったのか(「マクロス」の放映された時期は日本にいたらしいのだが、テレビをもってなかったのだ)。それはともかく「砲戦距離一二、〇〇〇」を書いていたときのBGMは「地獄の黙示録(つまりワルキューレの騎行)」だった。なかなか書きおわらんので、何度もききかえしたのだった。
●本・1
 本好きといえば、おそろしい話をきいた。金沢在住のSFファンで本業は運送屋さんのその人は、東京から金沢までトラックを運転しながら文庫本を一冊読みおえてしまったという。通勤途中の信号待ちで本を読む人の話はきいたことがあるが、高速にはいってしまえば信号はないでしょうに、とたずねたら「ハンドルの上に文庫を開いて、運転しながら読んだ」といわれた。うーむ。トラックのハンドルは、乗用車よりひくい位置についていたはずだが。
●締切は近い
 ということなので、甲州も考えた。ということで、以下は略。




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