明けましておめでとうございます。画報の締めがはやくなったために正月中にこうしゅうでんわを書くことになって、でんわと同時に新年の挨拶ができてしまうという状況になってしまいました。今年もたくさんの人から年賀状をいただきましたが、甲州から返事がこなかったらそれが理由だと考えてください。ここで年始の挨拶を書いてしまうと、なんとなく年賀状を出したような気になってしまうので。本当の理由は、単なるズボラかもしれませんが。
実は『覇者の戦塵』の二冊めはこの二月にでる予定なのですが、例によってまだほとんどできておりません。記録をしらべてみたら、去年のおなじ時期にでた一冊めのときは、予定が大遅れだといいながらも正月あけには半分ちかくできていた。この一年で鈍感になったというか横着になったというか、危機感がちっともないというのは困りものだなあ。ということで、今年も年末年始は仕事をやりつづけておりました。編集さんは昨年暮れから連日催促の電話をかけておられますが、そういえばそろそろ今夜の催促電話がかかってくるころだ。少しは仕事をするか。その前に、もう少しこうしゅうでんわします。
それにしてもわからんのが「メビウス結び」という奴です。たしかメビウスの輪というのは、裏表のある二次元的な帯を三次元的にひねって結びあわせたもので、だからコイルやホースをだんご結びにしてもメビウスとは関係ないような気がするんだがなあ。特にホースの場合、内側と外側のある三次元的なパイプだから、ひっくり返そうがだんご結びにしようがメビウスの輪にはならんと思います。あえてひっくり返そうとすれば「クラインの壷結び」みたいなものになるはずだが、それがどんなものだかきかれても困る。ただし、思考実験くらいはできる。クライン結びにしたホースに、水を流すとどうなるか。答は、中に通した水が外側に飛び散ってびしょぬれになります。あ〜くだらん。最近は超科学ネタで遊ぶことが多いけど、思っていたほど面白くならんなあ。とはいえ、せっかくだからしめくくりに「ホーキングは間違っている・殺人事件」を本当にかいてみるか(いったいどんなストーリーになるんだ)。
話はかわりますが、梶尾さんの『サラマンダー殲滅』はもう読まれましたかな。実は似たようなタイトルの本を私も書いているのですが、読んでみたらサラマンダーの他にも「惑星タナトス」や「女戦士ドゥルガー」がでてきてびっくりしてしまった。もちろんこれは単にネーミングのセンスが似ているというだけで、ふかい意味はないはずなんだが、SFAに掲載された野阿梓のエッセイを読んでまた首をひねることになった。なんでもこの本に登場する「ノア・沢井」というのは、野阿氏の名前をもじったものらしい(ちなみに沢井というのは、野阿梓の本名)。しかしそうすると『バベルの薫り』に登場する「林譲次」というのは、どういう意味だ? カーリーはドゥルガの化身であるのだが、何だかよくわからん。謎はふかまるばかりである。
そうだ。石川県(および富山県の一部)在住の人にだけ関係のある話。北国新聞という地元の新聞に、これから一年間、日曜ごとにコラムを連載することになりました。枚数がみじかい上に制約が意外に多くて、好き勝手なことを書くわけにはいきませんが、なんとか甲州らしさをだしていきたいと思っております。まさか東京や大阪で、北国新聞を購読してる奴はおらんだろうな。あ、図書館にはおいてあるかもしれん。
ということで、今年もよろしく。