わはは。なんか今月は書きにくいなあ。ニフティにアレフさんが書きこんでいた「締切の遅れをネタにする奴は信用ならん」というのが頭に残ってるもんだから、いつもの書き出しパターンが使えなくなってしまった。悪いことに私もこの意見には全面的に賛成で、前にアレフさんと「締切といういい方が悪い。あれを『納期』と呼ぶようにすれば、みんなの意識もかわるであろう』などといっていたのだった。土建屋が納期遅れをやらかすと、ペナルティを払わせられるからなあ。あればかりは、死ぬほどシビアなのだ。
とはいうものの出版者側にも問題があって、締切のサバをよむ編集者がいるから話がややこしくなってくる。どことはいいませんが、マガジンという名前のついたSF専門誌は、特にこれがひどかった。この雑誌に書きはじめたころ、掲載誌の発行日(24日か25日ごろ)より一カ月前、つまり前月の20日が締切だといわれた。今から考えたらサバもいいところで、こっちはそれを知らんもんだから他の仕事を放り出してでも間に合わせようとする。やっと書き上げて電話をいれたら「今週はちょっと忙しいので、原稿は来週にでもとりにいきます」などといわれた。実際にとりにきたのが25日ごろだったりするわけで、こうなるとまともに締切を守ろうという気が失せてくるのは当然だわなあ。編集側は「どうせ遅れるんだから少し早いめにいっておけ」くらいに思ってたんだろうが、書き手としては「締切という奴は際限なくのびるものだ」という意識ができてしまって、かえって逆効果になるのです。ということなので、この頃は電話のむこうで編集者がパニックになっていても「おーおー役者じゃのー。まだまだ原稿は書きあがらんぞ」などと思ってしまうのです。俺もヤクザになってしまったもんだ。 なんか、いつもよりもえげつないことを書いとるなあ。今日の朝にマガジンという名前のSF雑誌の原稿を書き上げたところなので、頭にまだ余熱が残っているようだ。
ところでこのごろは商業誌でもメール入稿が普通になったので、パソコンのプリンタが2カ月も故障したままでも、あまり支障がなくなってしまった。ファンジンのような短い原稿ならメール入稿もそんなにむつかしくないのだが、これが100枚もの原稿をメールで送るとなるとかなり面倒なことになる。文字化け対策で冷凍をするとファイルがでかくなりすぎるので、最初に圧縮しておいてそれから冷凍するという手順でやってます。それでもマガジンという名前の(いいかげんしつこいな。要するに、SFM)雑誌では、編集部にパソコンがおいてあるからこんなことができるのだが、旧弊な編集部ではそれができない。信じられないかもしれないが、アドベンチャーという名前のSF専門誌(この書き方も、だんだん疲れてきた。単語登録しとこうか)では、編集部に通信機能のあるパソコンやワープロがない。どうしてるかというと、編集者が個人でもっているワープロを、原稿の受信に使っているのです。しかも会社にそんなものをもちこむと白い眼でみられるから、編集者が自宅に待機してメールが送られてくるのを待っていたりする。これではらちがあかんので「編集部にパソコンとモデムを導入したら?」といったら、会社の体質がどうちゃらでそれもむつかしいということでした。なんか雑誌の性格まで納得できそうな話ではあるなあ。
どうも今回は内輪話ばかりをかいてしまった。企業秘密も入っているから、これは他言無用ですよ。
ところで先月の甲州画報ですが、佐野さんのレポートに「何と、隅に甲州センセがすわっとるじゃないか」とありましたが、何じゃいこれは。俺は台湾ターミイではテーブルのどまん中にすわってたぞ。どうも最近、影がうすくなってきたと思ったが、突発的に透明人間になることもあるらしい。今度からは看板をかついで歩くしかないか。
ということで今月は終わりです。甲州。