ええと、こうしゅうでんわです。岩瀬氏におくるのははじめてですが、前のメールなんかはちゃんとついてますか。
私の方は、ついさっきヴァレリアの4(というより『ヴァレリア・ファイル4』の前半分だけ)を書きおわったので、かなり頭がぱっぱらぱあになってます。
それにしても、えらいことになりましたなあ。地方紙が三紙にもなりましたか。
にぎやかというか、めでたいというか、すごいことです。豪快さで東京支部の甲洲画報、イラストの楽しさとおぞましさで名古屋支部の甲州(縦線四本の字をつくって外字登録したんですが、メールでは使えん)画報、めでたさで大阪支部の甲州ふぁんというところですか。それにしても、まんべんなく全部をほめようとすると、かなりたくさん語彙が必要です。そのうちに各支部ごとにこうしゅうでんわでも書きます。いらんといわれても、書きますのでよろしく。
こうなるとあとは、北部方面支部の会報ということになりますが、それより支部長を決めるのが先か。どうしてもきまらん場合は、大阪支部あたりからだれか女性隊員を北部方面支部長として単身赴任、という手も考えられますが、なり手がおらんか。
とにかく、本部の甲州画報のことです。まずは空のバルチック艦隊!!
なんだか先をこされてしまうと、あとから書くのがみんなパロディになるわけで・・・・やりにくいなあ。正直な話。しかし、ぼやいていてもはじまらんので、やはりここは反撃することにします。題して『異常兵器カタログは間違っている!』
それで、この飛行船による空中艦隊の主砲は、三連の四〇センチ主砲が三門(三砲塔九門の意味でしょうか)となっています。ところが日本海軍の例でみると、長門級の四〇センチ主砲(二連装)は、一砲塔の重量が一〇〇〇トンあまり、大和級の四六センチ主砲(三連装)は、一砲塔あたり実に二八〇〇トンもの重量になっています。これでいくと、三連装四〇センチ砲塔が三砲塔九門だと、すくなくとも四〇〇〇トンくらいには重量がなってしまいます。たしかに空中に砲塔をおくのなら、アーマーはかなり削減できますがそれにしても重すぎる!
ちなみに、全長二五〇メートルの飛行船の容積が約五〇万立方メートルとすると、それによる浮力は約六六〇トン。もちろん、軍艦は砲塔だけ持ち上げればいいわけではないので、艦橋構造物やら航空兵装やらその他もろもろ(もちろんヘリウムの重量も)があるわけで、浮力が数百トンくらいではかなりきついんではないか。
と、ここまで考えたんですが、えらいことに気がついた。この異常兵器カタログには、飛行船の直径が明記していない! なんだか、髪結い床で講談をやっている落後みたいなもので「あんた、飛行船の直径をきかなんだやろ。実は全長が二五〇メートル、直径は三〇〇〇メートルの大飛行船なんや」といわれるかもしれない。ちなみにこのサイズだと、浮力は二〇〇万トンほどになる。全装備の戦艦大和を、三〇隻ほどぶら下げられる勘定になる。
しかしですな。そんなに大きかったら、前に進むのが大変ですがな。空気抵抗が大きすぎるでしょう(あきらめずに落語ふうにといつめる)。
「そのために、飛行船のまん中に空気抜きの穴があけてある」
まさかその穴に、敵のミサイルをよけるための金網なんか張ってませんやろな。戦争のないときには、餅が焼けてなかなか便利とかいうて。
「馬鹿なことをいうな。そうではない。実はこの飛行船には別の用途がある。これが全速力で飛翔すると、後方に一種のエアポケットが生じる。つまり局所的な低気圧が発生して、入道雲がモクモク、雷がガラガラ、土砂降りの雨がザアザアで、日照りのときには人工降雨を降らすことができる。平和利用じゃ」
書いてて自分で阿呆らしなってきた。実はついさっき、ヴァレリアの4(または『ヴァレリア・ファイル4(上)』)を書きおえたので、頭の芯がだいぶゆるんでいます。今月は、マガジンとアドベンチャーの両方にかかにゃならんのに、ヴァレリアのせいでまだ腰をすえてかかっていない。ああ、頭がいたい。
アドベンチャーといえば、10月号の特集は『ホーキング宇宙を語る』だそうです。売れてるとはいえ、他社の本を雑誌の特集にもってくるとは太っ腹というか、いいかげんというか・・・・。そういうことなんで、来月号のSFAにかく短編は、ホーキングネタのストーリーになります。こんな仕事をうけた俺が一番いいかげんか。
いいかげんついでにもうひとつ。
ついこのあいだ、エニックスという会社からかかってきた電話。「こちらはエニックスの ○○某(特に名を秘す)と申しますが、来年の夏からファンタジー文庫というシリーズを刊行する予定です。つきましては、先生に書き下ろしを」
電話ではなんですので、事務所にお邪魔したいのですが、とのこと。本当のことをいうと、すでに受けた仕事で手いっぱいなんで、あんまり余裕はない。なんとか断われんかと思っていたら、その編集者が事務所にたずねてきた。ドアを開けてびっくりした。
「こんにちは。人外協の ○○某です」「なんや! 君のことか」例会でしょっちゅう顔を合わせている ○○某君(特に名を秘す)だった。なんやかんや話をしているうちに、なんとなく仕事をするのが既成事実になってしまった。「せっかくやから、表紙は陰山に書かそ。中のイラストはISOZAKIさんで、付録にでいぶの四コマをくっつけよ。著者近影がわりに、佐藤さんの似顔絵もよろしいな」ついでに小説も隊員の誰かが書いてくれたら、俺は楽でいいんだが。
それから、事務連絡を少々。まだ確定ではありませんが、パーティーは金曜の夜になりそうです。土日だと、今度は東京の人が集まりにくいようなんで。 以上です。次は、DAINAKON EX で会いましょう。
昨日の事務連絡の追伸です。
今日、川又さんから連絡があって「パーティーは10月ごろで、形は10周年組3人(私のほかに神林長兵、野阿梓。ひょっとしたら、森下一仁もふくめた4人)の合同記念パーティーという形式でやりたい」とのことです。どちらかというと、コンベンションに近い形になりそうです。もちろん形が変わっても、人外協のメンバーに案内状を発送するのはおなじです。それに長兵が新潟(松本)で野阿梓が鹿児島(福岡)と、田舎の人間ばかりだから、曜日がさらに週末にずれるかもしれません。
書き忘れてましたが、前回のこうしゅうでんわで「ヴァレリアの4が9月1日に発売」といったのは「9月の下旬に見本が完成して書店にならぶ。奥付は10月1日」のまちがいでした。ちなみにヴァレリアの5は「奥付12月1日」だそうです。まだ一行も書いてませんが。