こうしゅうでんわ

谷甲州

ちょっと遅くなりましたが、甲州画報とどきました。
 最初にびっくりした。わ! いつもよりページ数が増えているのに、そのうち半分が例会報告になっている! めでたいというか、おそろしいことです。結局、「空の大要塞」は「却下」になってしまったか。今回と前回の画報に彼のイラストがなかったのは、まじめに仕事をやっているという意味に解釈すべきなのかな。もし来月にもイラストがのらなかったら、役職名は「却下」で確定ですな。
 役職名といえば沖田「金づる」隊員は、今後「さわり魔」と役職名を変更するように。ほんまにけしからん奴や。事実関係は不明だが、役職名剥奪というのもおもしろいから、そういうことにしよう(しかしよく考えたら、もともと「金づる」というのは、隊長が勝手につけた名前だった。別にどっちでもいいが)。
 それはそうと、この一カ月あんまり仕事がはかどってない(たしか先月も、おなじこをかいたような気がする)。よく考えたら、6月の後半は宴会ばかりやっていた。ちなみに、ざっとあげてみると。
6月17日(土)人外協東京支部例会。
 「金づる」隊員による「支部長さわりまくり事件」発生。本人は「甲州先生もやってたです」などといっているが、私にはまったく記憶がない。もっとも、飲みはじめて一時間以後におこったことは、きれいさっぱり忘れてしまったが。翌日の明け方、誰かといっしょにタクシーに乗った記憶だけはあるが、よくわからん。とりあえず、迷惑をかけた人には「平あやまりっ!」。
 それはいいのだが、ポケットに6月18日の日付の新宿発西日暮里行きのJR切符(入鋏ずみ)がはいっていた。あれはいったいなんだったんだろう。
6月22日(木)徳間書店の編集さんと、打ち合せと称して飲む。
 ほかの仕事がすすまないので、徳間書店の書き下ろしも予定が遅れ放題になっている。
 非常に肩身がせまいと思いながら、ちゃんと飲んでいた。マタギと八甲田山とシベリアと日露戦争と三八式歩兵銃とデルスウ・ウザーラのでてくる冒険小説を、はやくかきたい!
6月24日(土)神保町でいつもの面々と飲む。
 いつもの面々は、松本富雄、中井紀夫、大場惑、新田正明(新戸雅章)、永瀬唯。このメンバーならいつも一軒では終わらないのだが、「酒は飲みたくない」と主張したら二軒めは喫茶店になった。それでも松本富雄は、ビールを注文しながら「おでんはないのか」などといっていた(ないと思ったら、本当におでんがでてきた。妙な喫茶店だ)。
6月28日(水)角川書店の編集さんと飲む。
 担当の編集さんが交代するので、後任の人といっしょに打ち合せ(と称して飲む)。そのときにきいたのだが、「ヴァレリア・ファイル4」の発売日は、9月1日だそうです。「そういうことですので、そろそろ完成していただかないと」といわれた。それではというので、がんばる気になる。しかし発売日が先に決まってて、それにあわせてがんばるのも、妙な気がするが。
 ところで「4は、いつもよりも枚数が多くなるかもしれません。ページ数が増えそうですが、それでもいいですか」ときいたら「ページ数を多くするくらいなら、5までやりましょう」などといわれる。なんだか、いやな予感がする。このままでは、一生、ヴァレリアにつきまとわれそうな。
6月30日(金)冒険作家クラブの総会とパーティ。
 別の用事があって、パーティのみ参加。最初から「きょうは絶対、終電までにはかえるぞ」といっていたが、あっさりと目論見がはずれた。悪いことにボーナス直後なんで、午前二時になっても三時になってもタクシーがつかまらない。仕方がないので、明け方近くになって、最後までのんでた面々と六本木から渋谷方面に向かって歩き出した。結局、家にかえりついたのは五時ちかかった。
 こんな状態だから、仕事がはかどったら不思議だ。このあとも中央公論主催のパーティー(明日)やら、今月なかばのHAJ(日本ヒマラヤ協会)の遠征壮行会なんかがある。ほんとうにヴァレリアの4は9月1日にでるのかね。




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