この画報も、はじめてからすでに一年近くになるんですね。ずいぶんとイラストも多彩になってきて、それだけ見てても楽しめます。特に今月は、佐藤さんの4コマ漫画で笑いました(単に、自分がその場にいあわせたせいかもしれませんが)。
というわけで「ろは3051」についてです。
ただ読んでいるとずいぶんと無茶な兵器のようにみえますが、実は対空機銃のコンセプトというのは、似たようなものらしいです。たとえば米軍の近接対空兵器であるファランクス・バルカンというのは、6丁の機銃から機銃弾をばらまくのですが、別にショットガンのように弾幕をはっているのではなく、一列になった機銃弾の「竿」で接近するミサイルをはたき落とすという撃ち方をするようです。バルカン砲の発射速度は6銃身で毎分3000発くらいですから、初速が1100メートルとして弾丸の間隔は22メートルに一発ということになります。これの弾丸密度を極限まで濃密にしたのが、「ろは」というわけですな。
ところで現在のファランクス・バルカンはレーダーで弾幕を追跡していますが、太平洋戦争中は機銃弾の中にいれた曳光弾(5発に1発)をみながら、敵の機体をはたいていたらしいです。ただし、日本軍の対空機銃で米軍の機体をはさみこんでも(曳光弾ではさみこんだら少なくとも6発は命中しているはず)、なかなか落ちなかったようですが。電子部品のかたまりをプラスチックのいれものにおさめただけのミサイルならいざしらず、米軍機の機体に13ミリ機銃弾の一発や二発をぶちこんでも、あまりこたえんかったんでしょうな。弾丸の密度もずっとうすいし。
対空兵器といえば、こんな話を思いだした。日本軍がハワイを空襲したとき、米軍が撃ち上げた高角砲の破片が、軍港をはさんだ対岸にある日系人居留地に大量に落下して、大きな被害を出したらしい。それから考えると「ろは」を市街戦で使ったりしたら、地上はずたずたになるんではないかなあ。敵地に侵攻して使う分にはいいが(心理的に敵を圧迫するという効果を考えて使うのならいいが)、地球防衛軍にこんな兵器を支給したらおおごとですよ。
今回は偶然かそれとも自然にそうなったのか、「兵器カタログ」が陸戦兵器ばかりになりましたね。陸戦に関しては私自身まだあまり書いていない部分なんで、先をこされやせんかとひやひやしてます。こんなのは、先に書いた方が元祖になるから。
それにしても陸戦というのは、宙戦なんかにくらべると話が生々しくなってしまうようです。海戦や空戦とちがって、はっきり殺し合いになるんでね。資料を集めてると、兵器というメカよりも人間の方が全面に出てきてしまいます。これも避けてはとおれんか。
甲州祭のイラストレポート(一部)ですが「うに〜〜」「あはあ」「やめなさい!」の部分はきっちり記憶から抜け落ちていた。しかしそんな事実があったのなら、こんど細野さんにあったとき、こっちが「あはあ」をやって「うに〜〜」といわせることにします。
双葉社の人から連絡がありました。「マニラ・サンクション」の発売は、半月ほど遅れるそうです(理由は消費税のため)。奥付が4月はじめということになると、消費税が上乗せされることになるのかな。ややっこしいことです。