こうしゅうでんわ

谷甲州

 甲州画報とどきました。いつものように楽しんで読もうと思ったら、自分で書いた原稿が3ページも占領していた。そのせいで「無敵戦艦富士」や「雷丸」の原稿が翌月まわしになったのなら申し訳ないことです。というより、自分でかいた原稿を読むよりは、異常兵器カタログを見ているほうがずっと楽しい。
 ところで今月でよかったのは、ISOZAKIさんのイラスト(特にダグとエレナ)でした。ああやってみるとエレナはずいぶん色っぽいなあ。最初みたときは、ジャムナとタマンが格闘しているのかと思った。イラストの投稿も多いようで実に結構。岩瀬さん、イラストのいいのがあったら私の原稿は適当に削ってもいいですよ。
 林さんと「か」さんの兵器カタログも、楽しく読めました。ただし私の個人的な好みでいうと、弾丸を発射するタイプの銃の方に愛着を感じます。旧式なようですが、たとえば迫撃砲なんかには「遮蔽物のかげにかくれた敵を攻撃できる」という利点もありますし。信頼性の面でもなかなか捨てがたいものがあります。なんというか、歩兵が携行できるレーザー銃(やっぱりガス・ダイナミックレーザー)というと、一人の射手のあとから、十人あまりの運搬兵が、燃料のはいったドラム缶をかついでぞろぞろくっついてくるところを想像してしまいます(それはそれで絵になりますがね)。
それはともかく、だれか「無重力および真空環境での在来型銃の運用」ということで論文でもかかんかな。誰もかかんかったら自分でかいてもいいけど。
 ところでSFマガジンの十一月号は、「特集」ではありません。おかしいな。私自身も特集といったおぼえはないし(たしかメールでは「巻頭のカラーページで……」)と書いたような気がする)マガジンの次号予告にも「特集」の文字はありませんでした。(編注:実はそれはSFM編集部のK氏です。例の年表の件で電話してくださったときに「特集に使いますので」という言い方をされたのでした。)ただし編集部に抗議のお手紙を出すという行為は、非常に正しい。読者(というより、消費者)はいつも神様です。ここらへんの感覚がわかっていない業界人というのは、意外に多いのです。だから、不服があるときは遠慮なくいうべきです。読者としての立場なら、私もいいたいことはいっぱいあるんだぞ(実際は遠慮してますがね)。
 届きました、とだけ書くつもりだったのに、またえんえんと書いてしまった。もう一度いいますが、ほかの原稿を圧迫するようだったら、このメールを紙面にのせる必要はないですよ。

P.S. ヴァレリア・ファイル3は、二十一日の朝に書き終りました。やれやれ。




●戻る