こうしゅうでんわ

谷甲州

すまん。また刊行延期になった。『覇者の戦塵 1943』は5月刊の予定。そうなった理由はいろいろとあるが、書いても仕方がないので略。要するに、仕事が遅かったというだけだが。ちなみにタイトルの年代は、ビルマ編の時期から1年ほどさかのぼっております(実際には半年ほど)。場所はニューギニアで、以前のシリーズでは書けなかったサイドストーリーが描かれることになります。来月こそは間にあわせるつもりなので、とりあえず乞うご期待と書いておこう。

 ところで5月刊といえば、早川書房から短編集『星空の二人』が出ます。こちらの方は原稿もそろっているので、たぶん確定。奇想天外に掲載されたままだった「ガネッシュとバイラブ」(全面改稿版)や、昔のASAHIネットで冒頭部分が公開されたあと小松左京マガジンに掲載された「星の夢に」なども収録されていてお買い得。あ、そうだ。タイトルは同名の書き下ろし短編より。宇宙が全然でてこない宇宙小説という妙なものを書いてしまった。

 奇想天外に掲載されたまま、という点では「137機動旅団」もそうなのだが、これは今回は収録されておりません。前に書いたような気もするのだが、「137――」を核にした連作短編(というより中編か)にする予定のため。実はネパールで執筆していた時点で連作にする構想があったのだが、これも以前どこかに書いたような。

 何にしてもこれがめでたく刊行されれば、単行本(含文庫)未収録の宇宙SF短編はなくなる、わけはないか。第三期奇想天外に書いた宇宙土木SF短編は、まるまる未収録だった。これも連作のつづきを書く予定はあるのだが、いつになるやらわかりません。これまでに「コペルニクス隧道」(月)「極冠コンビナート」(火星)「熱極基準点」(水星)と書いてきたので、あとは木金土日とつづければ一週間が終わってめでたし、となるはず。ただ木金土はなんとかなりそうだが、日(太陽)はどうしたものだろう。なんかすごく暑苦しい話になりそうだ。

 あとは航空宇宙軍史本編の話か。新作の話ではなくて申し訳ないのだが、旧作が某社より(早川書房以外)ネットで刊行の予定。そのかわり、というわけではないが、イラストが一新されます。ただし横山画伯にあらず。あっと驚く人になりそうだが、この話は別の機会にあらためて、ということで。とはいえ、航空宇宙軍史も早くつづきを書かんとなあ。




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