こうしゅうでんわ

谷甲州

 あけましておめでとうございます。例によって昨年からの仕事を大量に積み残して、年末も正月もなしに仕事場にこもっております。とはいえ雑用が多くて、本業の原稿仕事にはなかなか取りかかれない。うまくやれば2月下旬には『覇者の戦塵』の新作が出せるはずなんだが、現在の状況は予断をゆるさず。年明けから予定が狂ったらあとでえらい眼にあうので、なんとか頑張るしかありません。

 ところで昨年の終わりごろから、いくつか小さな原稿仕事をやっております。すでに画報上で報告されたものは省略して、これから掲載されるものについて書いていくと。最初は中公新書の投げこみチラシ。1月に刊行されるノベルスにチラシが挟みこまれるのだが、そこに肉筆で「今年の抱負」なるものを書きました。他の作家さんも全員登場で書くらしいので、それほどめだたないとは思う。何を書いたのかというと……あまり思いだしたくないな。編集さんにせっつかれて、いわれたとおりに書いただけ。だから責任は持てまへん。ちっ。一年に四冊刊行といわれてもなあ。

 他には1月刊行の「新刊ニュース」誌。デビュー作のころというので、ネパールで『惑星CB‐8越冬隊』を執筆していたときのことを書きました。あとは何だ。小松市発行の小冊子や同人誌(なんと北陸では、どの自治体でも同人誌を発行しているのだ)にも原稿を書いたのだが、市外の人が眼にする可能性はないだろうな。なので、詳細は省略。どちらの冊子も、何年も前から関わっているのだった。こんなことをしとるから、本業の方が遅れ放題になるのだよな。

 まだ他にもいろいろ書いたような気がするが、よく考えたら『パンドラ』や『サージャント・グルカ』再刊のあとがきとか、著者の言葉(カバー袖に印刷される文章)だった。独立した仕事ではないから、わざわざ書くまでもないか。あ、SFマガジン2月号のインタビューも、実はメールで入稿したのだった。本来は上京してインタビューを受けるべきなんだが、その時間がとれなかったので。送られてきた質問原稿にメールで返事をして、編集部で形をととのえたのだな。だから会話のはずなのに「書きづらいのですが」などという文章が入ってたりする。しまったあ、ここは「話しづらいのですが」にするべきだったか、などとあとになって気づいたのだった。




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