こうしゅうでんわ

谷甲州

 仕事場でのろくさしているうちに、いつの間にか連休も終わってしまったなあ。先月ここに書いた『ナンダ・コート』の話はぼちぼち終わりがみえてきたのだが、油断していたら『覇者の戦塵』に尻を蹴飛ばされてしまった。もうすぐ終わるというので『覇者――』の方はしばらく待ってもらっていたら、ちょっと間があきすぎて、さすがにこれはまずいということになってきた。最後の巻が出たのが、もう去年の春ごろだものなあ。出し直しの『――黒竜江陸戦隊』が出てからでも半年になるんし。ということで、もしかしたらまた『ナンダ・コート』を中断して『覇者――』を先に片づけることになるかもしれません。うーん、やっぱり連載ふたつと書き下ろし長篇を並行してやりながら、ノベルズも定期的に出すというのは無理があったか。仕事の早い人なら、なんてことのない量なんだけどな。どうも甲州は仕事が遅くて困ったものだ。

 なんて話はともかく。早耳の人はもう読んでいるかもしれないが、アニマ・ソラリスというウエブマガジンでインタビューを受けました。場所は
http://www.sf-fantasy.com/magazine/
の著者インタビューの項。そういう環境にあって興味のある方は、一度のぞいてみてください。人外協ページへのリンクも張ってあるので、もう連絡がいってるかな。

 それにしても『果てなき蒼氓』。ハードSFと女性の描く漫画の組み合わせが珍しいらしくて、そこそこ話題にはなっているのだが、よく考えたら似たような構図の先駆的作品があったよな。人外協の皆さまにはおなじみの御存知『害惑星混乱』。あっちの方が時期的には早いし、しかもハードSFが一人の女性漫画家二人という豪華な顔ぶれであった。まずいな。「わーいパクリだパクリだ」といわれたら、どう申し開きをしよう。

 もうひとつ。忘れないうちに。たぶん石川県でしか手に入らない「北國文華」という雑誌の新しい号に、エッセイなどを書いております。送られてきた見本誌をみたら、他の人はほとんど北陸の文化や郷土の話題なんてのを書いていた。なんか一人だけ浮いてるような気もするが、あんまり深刻には考えず好き勝手なことを書かしてもらいました。石川県にお立ち寄りの際は、おみやげにぜひ一冊お求めください。

 まだあった。SFマガジンの新しい号に、こっちもエッセイを書いていた――といいたいところだが、まだ書いてない(うわー)。『パンドラ』の原稿がつまってるものだから、なかなか本腰を入れられんのよ。ということで、もう少し頑張るか。




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