こうしゅうでんわ

谷甲州

 ええと。前に書くのを忘れてたので、もしかすると間にあわんかもしれんのですが。名古屋の星野書店近鉄パッセ店というところで、ハヤカワ文庫のフェアをやるそうです。なので甲州も『遙かなり神々の座』と『神々の座を越えて』のサイン本を送っておきました。もしかしたらもう終わってるかもしれないが、名古屋近辺でサイン本に興味がある方はどうぞ。

 もうひとつ。忘れないうちに書いておこう。今月発売の山岳雑誌「岳人」に、「私の山」というタイトルでエッセイを書いております。内容は『彼方の山へ』の要約みたいなものだが、いろんな人が書くシリーズエッセイなのでフォーマットが決まってて変えようがないと。とはいえ文庫とおなじ内容を書くのもナンなので、写真だけは重複しないように選びました。どこかでみたような写真もまじってますが、それはまあご愛敬ということで。

 ついでにもうひとつ、これも忘れないうちに。朝日新聞社で出している「週間100名山」という雑誌みたいなガイドブックみたいな本の一冊(悪沢岳が掲載されている号)にも、山に関するエッセイを書いてます。こっちの方は5月ごろの発売なんでまだ間があるのだが、忘れるといけないので先に書いておこう。これなんか、原稿を書いたのは前世紀のことだものなあ。実際に本になるまで半年以上も間があるというのは、はじめての経験だわ。送られてきたゲラの紹介欄をみたら、年齢が50歳になってて驚いてしまった。そうかー。この本が書店にならぶころには、そんな年齢になっておるのか。しかしなんだな、最近は山関係のエッセイを書くことが多いのだが、20代のころの話ばかりネタにしているような気がする。なんというか、恥も外聞もないというか。30年ちかく前のことで、いまだに原稿料をもらってるというのは。

 ところで。先月の甲州画報で話題になってた「スペース・ストーカー」ですが、あれからすでに1年がすぎたのか、と感慨しきりであります。ちょうど1年前のいまごろ、カミさんは交通事故おこすわ同居している親父がおかしくなってくるわ過労で甲州自身も病気になるわでさんざんな時期でありました。そんな状態でバカSFを書くというのは精神的に結構しんどかったのだが、とりあえず笑いがとれたみたいだから、まあいいか。あ、そうだ。美少女戦艦レティシアに関しては「奥さんのぱんつを盗んだストーカーが、それを使って旦那の方をたらしこもうとした。みんなが愛用してたのではなくて小道具なのである」という筋書きだったのだが、説明不足でわかりにくかったかな。ここで書いても、仕方がないのだが。




● 戻る