先月に書いた軌道傭兵のオンライン本ですが、今月はじめから開店しております。
場所は http://www.paburi.com なので、興味のある方はどうぞ。ちなみに単価は一冊600円(のはず)。軌道傭兵の他にも川又さんの『ラバウル烈風空戦録』などもならんで、結構にぎにぎしくはじまっております。いまのところ再刊ばかりですが、さて、今後はどうなるのだろう。軌道傭兵は今月に一巻と二巻を同時公開して、来月以降は一冊づつ続刊が出ることになります。そのあと黎明とか蒼穹とか(あれ、順序が逆だったか)エル・ファラドとかが順にならぶはず。それが終わったら『36000キロの墜死』も、どさくさにまぎれて押しこもうかと思っております。一応は、あれも軌道傭兵の世界とつながっているから。その後のことは……まだわからん(笑)。こんな形態の出版自体、海のものとも山のものともわからんわけだから。そのうちオンデマンド出版(リクエストに応じて一冊から受注生産。ただし単価は高いと思う)もはじまると思うが、これもまた、ようわからんです。なんにしても、どんな本が売れ筋になるのか楽しみではあるわな。書店のベストセラーとは、売れ方がちがうような気がするから。
例によってこの一カ月間はあんまり本筋の仕事が進んでおらんのだが、これも例によって細かな仕事をあれこれとやっております。八月三十一日付の日刊ゲンダイで書評をやったのだが、夕刊紙だからもう入手は困難か。ホームページも開設されているから、もしかするとそっちで読めるかもしれない。責任は持てませんが。あと、幻冬舎の広報誌「pontoon」(だったか)で長篇の連載をはじめました。タイトルは……あれ、何だったかな。何とかの何とかといったと思うのだが(当たり前じゃ)、忘れてしまった。記録をしらべてと……そうか『紫苑の絆』だった。タイトルに深い意味はありません。それはこれから考える(いつものことだ)。第一章は書きあげたのだが、まだ筋書きを決めてないのだ。したがって、タイトルもええ加減。今月の末には書店にならぶはず。一応は有料の雑誌なのだが、書店によっては無料でくれるところがあるかもしれない。これもまた、責任は持てないが。あとはSFマガジンの次の号にアンケートの回答が載るはずだが、たいした分量じゃないな。ほかは……前に廣済堂から出る予定で結局は流れた『SFバカ本 宇宙チャーハン』(なんちゅうタイトルじゃ。あ、タイトルは変更されるかもしれんのか)が、メディアファクトリーから十月下旬くらいに出るはず。もっとも今度のは、文庫ではなくて単行本になりそう。アンソロジーということで、甲州もアホなSFを書いております。
そうだ。忘れるところだった。前に徳間書店からノベルズで出た『戦闘員ヴォルテ』は、十月ごろ文庫になって再刊されます。ヴァレリア・ファイルとおなじで、全面書き直しをしました。筋書きはかわってないのだが、文章が支離滅裂で自分で読んでも何が書いてあるのかよくわからんかったんで。最初のころの話は八三年とか八四年に書いたものだものなあ。第一話なんてフィリピンに行く前、子供が生まれる前どころか結婚もしてなかった時期だった。もちろん手書き。最終話は八八年の夏ごろだから、丸五年以上かけて書いたわけか。あらためて読み直してみると、おなじ本なのに最初と最後で文章がずいぶんちがっていた。こうなるとノベルズ版のヴォルテは、意外にレアアイテムになるかもしれんな。