こうしゅうでんわ

谷甲州

 えーと無事に年が明けたのだが、あいかわらず仕事はぼちぼちとしか進んでおりません。今月発売の『覇者の戦塵 東太平洋海戦2』は、ようやく半分をこえたところ。これで本当に、2月と3月の連続刊行なんてできるのかね。実は今月はアンソロジー等の短篇仕事も集中していて、ざっと書き出してみるとアスキーから2月に刊行されるホラーアンソロジー、やっぱり2月刊の異形コレクション(ホラーの枠をはずして、宇宙生命アンソロジーになるらしい)、それから2月発売の小説すばるのホラー特集、あとは4月刊だったかSFバカ本用の短篇と、全部で四つほど今月中に書きあげんといかんのだった。小説すばるに書いていた短篇は5月か6月には文庫にまとまるはずなんで、そのために追加の短篇を2月の後半くらいには仕上げる予定。当然のことながら、これが全部手つかず(うわー)。長短篇を全部あわせると……2月のなかばくらいまでに合計六百枚ほど書けばいいのか。計算あってるかな。去年は再刊が多かったせいで原稿を書くペースが例年になく遅かったのだが、そのときののんびりペースだと半年ちかくかかる分量だな。六百枚といえば。大丈夫かおい(笑)。などといいながら、まるで危機感がないのはいつもとおなじ。まあ、なんとかなるでしょう。来月の今ごろには、状況がわかっているはず。

 ところで昨年につづいて今年も再刊がいろいろ出そうな状況です。前に徳間書店から出ていた『戦闘員ヴォルテ』が、夏ごろにはおなじ版元から再刊されるかもしれない。徳間書店はそのころ新書で出ていたSFのシリーズ(MIOだったか)を、この本以外も順次再刊していくつもりらしい。いまのところ、まだ確実な話ではないのだが。SF系のアンソロジーなんかは他社からも出るようだし、SFをめぐる状況は結構あかるいのかもしれない。前記の異形コレクションも、これからはホラーが半数、あとはホラーにかぎらないSF系のアンソロジーにしていくらしい。再刊といえば『サージャント・グルカ』も具体的な話があるのだが、こっちの方はまだ確定しておりません。

 しかしなんだな。『戦闘員――』も、当時は続編を書く気があったのではなかったかな。下手に再刊すると「続刊はいつ出ますかー」という読者からの問い合わせがくるかもしれない。実は昨年『ヴァレリア・ファイル』を再刊したとき、あとがきで妙なことを書いたせいか読者から「続刊どうなったのー」というメールが編集部にどどっと届いたらしい。あんなこと、書かにゃよかった。




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