人名録 - 低く飛ぶ鳩
氷雨降る夜
マクダレーナ
- 相沢組長
- 相沢組の組長。
邪魔な人間を門脇を使って葬り、稼ぎの才覚でのしてきた実務派の組長。右翼への拳銃横流しにより逮捕される。
- アイリーン
- バー「シルビア」で働くピリピーナのホステス。
玲子と吉岡が魅かれあっていることに気付き、二人を引合わせようとする。門脇と吉岡の喧嘩の後、玲子をつれてフィリピンに戻る。
- 秋川
- 秋川駿の父親。
一流企業の重役。息子の駿のことで田崎に恐喝を受けるが、これを一蹴して警察に通報する。
- 秋川佐和子
- 秋川駿の義理の母親。
元は駿の中一の時の担任の教師。父親への恐喝を諦めた田崎が恐喝の対象にした。恐喝を取り合わない夫と息子の板挟みになり、吉岡に相談をする。
- 秋川駿
- 吉岡が取材していた暴力団の元準構成員。
組の抗争が激しくなったころに逃げ出して東京に戻った。予備校通いをしながら盛り場で喧嘩を売っているところを田崎と知り合い、共謀して父親を恐喝しようとして失敗する。警察沙汰になったことで弱気になって逃げ出すが、田崎に追われる。
- エド
- アイリーンの兄。
フィリピンのホテルでガードマンをしている。
- 笠井
- 暴走族あがりの相沢組の準構成員。
秋川駿の子供のころの友達。
わざと工藤組の標的になるような行動を取らされる。
- 門脇
- 相沢組長子飼いの狂犬のようなチンピラ。
狂暴な割に抜け目がない。
玲子に惚れ込んでおり、沼田の2号となっていたのを自分のものにする。
別件逮捕で相沢組長の拳銃横流しを半日ももたずに自供し、組から離縁される。
玲子を追ってフィリピンに行き、吉岡を襲ってロディの拳銃を奪うが、沼田と相打ちになり死亡する。
- 神崎史朗
- 玲子の別れた夫。
もとはごく普通のサラリーマンだったが野球堵縛の負けが込み、借金のかたに玲子を沼田に奪われるが、未練が残りなんとか玲子を取り戻そうと画策する。
- 杵島
- 相沢組の若頭。
相沢組長とは不仲だが、若い者には人望がある。人当りがよく、吉岡に目をかけている。相沢組長が逮捕され、実質的に二代目組長となる。
- 北川
- 河中組若頭。
松浦社長と組んで、県への進出により、甘い汁を吸おうとする。話をまとめるために、テレサを餌にしようとするが、見張っているところを田代にドスで刺し殺される。
- 工藤組長
- 相沢組と同じ系列の工藤組の組長。
- 伸治
- 河中組の三下。
テレサに金を貢がせようとするが、北川にテレサを召し上げられ、吉岡に痛めつけられる。
- 田崎
- 秋川駿が出入りしていた暴力団と同じ系列の組織に所属するヤクザ。
駿と共謀して秋川氏を恐喝するが、警察に通報されて逮捕される。その後、恐喝の対象を母親にするが駿に逃げられ、押し入った秋川家で吉岡にやられて退散する。
- 田代
- 河中組の客分。
肝臓をやられている。テレサを助けに、北川のマンションに殴り込みをかけ、相討ちとなり死亡。
- テレサ
- 光子のカラオケ・バーで働く、フィリピン女性。
自分を食い物にしようとしている伸治を、そうとは知らずに信頼している。
- 仁科
- 杵島の兄貴分。
本来は組を作る筈だったが、門脇のために逮捕され、懲役三年目に死亡する。
- 沼田
- 工藤組に関係のある警察OBの金貸し。
門脇の襲撃にあい、債権もかこっていた玲子も奪われるが、杵島と手を組んで立場を回復。門脇への復讐を企てるが、相打ちとなり死亡。
- 久住
- 刑事。
極道を逮捕するためには手段を選ばない。門脇の暴行を殺人未遂にするための証言を吉岡に強要する。
- 松浦
- 吉岡の勤める土建会社の社長。
けちで助平。違法労働者を使って労賃を下げて強引に工事を受注しようとし、河中組に目を付けられる。
- 光子
- カラオケ・バーのフロア・マネージャー。
田代の女で、テレサを娘のように可愛がっている。
- 吉岡
- 吉岡忠志。
フリーのライターとして、極道の取材のため相沢組と関係をもつ。マニラの街が気にいり、何年もマニラ通いを続けている。玲子に魅かれ、門脇や沼田の奪いあいに深入りすることになる。
また、関西のヤクザ組織を取材していたときに出会った秋川駿を偶然に見かけ、田崎らと関わることになる。
松浦の営む、弱小土建屋の主任で、便利屋。もとフリーライターだったが、やっかいごとを起こして公安に追われている。タガログ語が使え、テレサのことで相談にのる。
- 玲子
- 男を惑わす魅力的な女。
十八歳で神崎史朗と結婚するが、破局を迎え、沼田の二号となる。門脇の襲撃で門脇のものとなるが、その後も男たちが争奪戦を演じる。
- ロディ
- 杵島の関係するフィリピン在住の日本人が吉岡を迎えによこした男。
見かけはのんびりしているが、身のこなしはすばやく、車の運転は荒い。吉岡を門脇の襲撃から助けるために重傷を負う。
戻る