人名録 - 覇者の戦塵


あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行


あ行

相沢中佐
 皇道派の青年将校。
 真崎大将が教育総監を罷免させられたことから、統制派の永田軍務局長を襲うが、小早川大尉に妨害され、負傷させるだけにとどまる。
登場作品: オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊、殲滅ノモンハン機動戦、蹶起 昭和11年2月26日
愛新覚羅溥儀
 清朝最後の皇帝。
 天津近郊で国民政府の官憲に逮捕される。満州を分離独立させ、皇帝にすえる計画が日本軍にあったが、上海市街戦後アメリカに亡命。
登場作品: 北満州油田占領、激突上海市街戦、謀略熱河戦線
アウンサン司令官
 ビルマ独立義勇軍司令官。
 まだ30にもなっていないが、独立運動の指導者で全軍の指揮官。北条中佐とともに牟田口司令官に面会し、ラングーンの早期攻略を促す。
登場作品: ラングーン侵攻
秋津
 油田調査班に関東軍から派遣された警備部隊の指揮官。
 関東軍の占領政策に否定的な態度をとる為、連帯本部からの評判はよくない。後に調査地域を確保する中隊の小隊長となり、中国軍の油田調査を阻止する。
 南部からソ連の動きを知らされ、夜襲によってソ連から持ち込まれた探査機材を破壊した。
 参謀本部作戦課兵站班長。石原部長の命令で東京の参謀本部からノモンハンに派遣されて調査を行ない、関東軍の永田司令官から寺岡支隊の編成の命を受け、弾着観測のため前進基地を展開する。さらにソ連軍の包囲せん滅作戦を阻止するため、海兵隊の投入を進言し、第六軍の参謀となる。
 さらに、漆原所長から軍に納められる工業製品の品質向上を依頼され、その具体的な計画が端緒についたところで、辻中佐らにより関東軍に転出させられる。関東軍第一方面軍第五軍に赴任し、シベリア鉄道の遮断作戦を指揮する。イマンを完全占領に成功し、関東軍と極東ソ連軍との停戦合意に持ち込む。
 また、参謀本部が切り捨てようとしているミッドウェイ前線を支援するため、電波標定器・キ74特号機などをミッドウェイに配備してミッドウェイ防御力を強化するが、その行動を迫水に現政権支援と受け取られる。
 陸軍第一八軍参謀となり、ニューギニア戦線に赴任し、陣内少佐の飛行場設営を支援し、最終的にはブナ地区の航空基地の確保を果たす。
 連合軍の戦略拠点であるココダを陥とすため、補給の不安を認識しながらも重砲の投入を主張する。戦車を投入した前線で、参謀本部の撤退方針を無視して攻撃を継続し、ココダの戦略拠点となる高地を占領し戦況を有利に持って行く。
登場作品: 北満州油田占領、殲滅ノモンハン機動戦、激突シベリア戦線、激闘東太平洋海戦、ダンピール海峡航空戦、ニューギニア攻防戦
明智少尉
 歩兵第十二連隊乗車小隊の小隊長。
 老練だが若い少尉に負けない積極さをもつ。イマン近傍の陣地を占領後、要塞砲の陣地を発見し、樋野曹長とともにこれを占領する。
登場作品: 激突シベリア戦線
朝倉軍曹
 柏木中尉の部下。
 ソ連軍の哨戒艇を奪い、渡船の準備をする小早川大尉に同行するが、味方の兵が敵に発見され銃撃戦となる。翌日、小早川大尉とともに軍の移動を目撃する。
登場作品: オホーツク海戦
安達二十三
 陸軍一八軍司令官。
 旺盛な攻撃精神を本領とし、敵艦隊の動きに呼応して囮作戦を中止して全輸送艦でのブナ地区への上陸を強行する。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
荒木大将
 日本陸軍の大将。
 橋本らクーデター関係者の処分を強引に押さえこむ。
 また、皇道派将校に人気があったが口先だけで実行が伴わない人物と判断され青年将校からそっぽを向かれる。
登場作品: 北満州油田占領、蹶起 昭和11年2月26日
庵野飛曹長
 伊二七潜の艦載機である零式小型水上機の操縦士。
 トリンコマリ軍港の偵察で敵艦隊に追われ、報國丸に救われるが、燃料切れによる不時着水で時期を失う。
登場作品: インド洋航空戦
飯岡少将
 海軍技術研究所電波研究部長。
 深町中佐の丸大兵器構想の理解者で、丸大兵器開発にかかわる外部からの雑音を遮断していた。圧力により深町中佐の異動が避けられなくなったため、敵の新型高角砲があるラバウルへの長期出張を命じる。
登場作品: 電子兵器奪取
伊切二飛曹
 零式小型水上機庵野機の乗員。
 視力が抜群によく、敵艦の識別能力が高い。
登場作品: インド洋航空戦
池田中尉
 二・二六蹶起に他隊から参加した皇道派将校。
 当初栗原隊と行動をともにする予定であったが、警視庁を襲撃する中橋隊と合流した。
登場作品: 蹶起 昭和11年2月26日
石岡上等兵
 多喜田軍曹と同じ班の対戦車特別小隊隊員。
 多喜田軍曹と違い、馬鹿正直に命令を遂行し、ウスリー川渡河作戦でロタ砲による戦車の破壊を成功させる。
登場作品: 激突シベリア戦線
石橋湛山
 東洋経済新報の記者。
 満州放棄論を唱える。
登場作品: 謀略熱河戦線
石原完爾
 関東軍作戦主任参謀、他。
 日本軍による満州占領が東北三省人民の解放につながると信じ、大量の日本人流入による満州の植民地化を計画する。尽暝の影響により世界終末論から世界を豊かにするように考えが変わる。
 陸軍次官。陸軍参謀本部作戦部長時代に関東軍を抑さえるため、満州北部の河川の警備を海軍陸戦隊に担任させた。陸軍の発言力が弱くなることを危惧し、海兵隊の投入がないようにと念を押して秋津少佐をノモンハンに派遣したが、見事に裏切られる。その後中将に昇進し、京都の第十六師団長に転任する。過去に宇垣内閣成立を阻止せんと工作したことがある。
登場作品: 北満州油田占領、激突上海市街戦、謀略熱河戦線、オホーツク海戦、第二次オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊、殲滅ノモンハン機動戦
磯部一等主計
 二・二六蹶起に隊外から丹生中尉の中隊に合流した皇道派将校。
 前年夏の士官学校事件の首謀者として軍を追われていた。
登場作品: 蹶起 昭和11年2月26日
依田大尉
 南部らとは別の油田調査班に同行し、調査中に消息を断った。現地屯墾軍に捕らえられ、殺害されたらしい。
登場作品: 北満州油田占領
板垣征四郎
 満州国政府顧問。
 満州事変を起こした将校のうち、最後まで満州で勤務している。軍事面では主流からはずれ、関東軍の強引なやり方に反対している。
 宇垣内閣の陸軍大臣。政治力の強い宇垣首相に太刀打ちできない。首相から関東軍の専横について叱責を受ける。
登場作品: 謀略熱河戦線、殲滅ノモンハン機動戦
井辻兵曹
 ミッドウェイ戦車中隊九五式対空戦車改の車長。
 三両あった対空戦車小隊の戦車で唯一撃破を免れた。棟方少尉とともに上陸阻止戦を行うが、反撃により戦車と乗員を失う。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
稲垣兵曹
 特型格納筒酒巻艇乗組員の古参下士官。
 戦艦への肉薄魚雷攻撃を提案し、成功する。酒巻少尉とともに損傷した艇の応急処置を行い母艦に帰投したのち昏倒する。
 東太平洋海戦では、酒巻中尉指揮の蛟龍の先任下士。艇に乗り込んでいる四人の下士官のうち唯一の実戦経験者で、新人下士官の緊張を解くよう気を配る。
登場作品: 急進真珠湾の蹉跌、激闘東太平洋海戦
井波軍曹
 陣内中尉(後に大尉)の部下の分隊長、唯一の日本人傭人。
 陣内中尉に従い匪賊の捕捉と武装解除に出動する。師団司令部に向かう陣内中尉と同行し、のホルスターをあずかる。
 熱河作戦に参加し、陣内大尉と再会する。
登場作品: 謀略熱河戦線、オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊
犬養毅
 満蒙領有計画を天皇陛下に対して奏上する文書が、偽の上海詳報でとりあげられる。若月内閣総辞職を受けて首相となるが、五・一五事件で凶弾に倒れる。
登場作品: 激突上海市街戦、謀略熱河戦線
井上成美
 海軍の戦備計画を策定する軍令部第二部に勤務。艦政本部と意見を交換しあって協力する体勢を作り上げる。少将に昇進し、航空戦隊に転出の予定であるが、ロンドン軍縮会議での方針を相談するため、東郷局長と会合を行う。
登場作品: 昭和10年11月東京
伊吹大尉
 軍飛行第六八戦隊。
 満州から内地に帰還後、新鋭機飛燕に乗換え、東部ニューギニアのブナに先行進出し、白石曹長と合流する。ブナ基地防衛の為の戦闘に数多く出撃する。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
今井清
 参謀本部次長で石原少将の上司。
 冷静な判断力と確固とした見識を持っている。
登場作品: 黒竜江陸戦隊
岩城艦長
 一号哨戒艦艦長。
 大湊からの連絡により、詳しい事情が分からないまま陸奥湾からの出港をくり上げる。
登場作品: 第二次オホーツク海戦
岩谷主任技師
 満州製鋼の技師。
 筧井少佐とともにロタ砲の開発を担当する。
登場作品: 激突シベリア戦線
岩淵大尉
 伊五三潜水艦の先任士官、水雷長。
 米軍空母を発見し、艦長の命でその未来位置を推定する。漂流したモナガンの臨検で威嚇攻撃を行う。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦
植田謙吉
 関東軍司令官。
 実権は東條中将が握っている。
登場作品: 黒竜江陸戦隊
上村尽瞑
 四十代半ばの謎めいた僧形の男。
 戦時中に、戦後の出来事を知っており、大慶油田の存在を大戦中に知らせることにより歴史の流れを変えようとする。
 上海共同租界で日下部に出会い、陸軍の陰謀に興味を持たせる。
 偽の上海詳報が出たとき、が襲われることを桑原に知らせる。
 上海の市街戦の後、江湾鎮で日下部に再会し、2度目の上海事変が起こる可能性を示唆する。
 舞鶴から横浜に向かう列車で佐久田少佐小早川大尉に出会う。
 馬占山の帰順工作に向かう陣内中尉と出会い助言する。
 石原大佐と同行して陣内中尉とハルビンで再会する。
 寺岡大佐に会い、大湊への出発を早めるように助言する。
 未来を見通す言動で関東軍、満鉄首脳を動かし、大慶油田を発見させた。
登場作品: 北満州油田占領、激突上海市街戦、謀略熱河戦線、オホーツク海戦、第二次オホーツク海戦、殲滅ノモンハン機動戦
魚住一飛曹
 ミッドウェイの第一次攻撃隊に属する蒼龍制空隊隊員。
 蒼龍が撃沈されたため、海兵隊の光陽丸に移動する。最初は海軍の最精鋭の誇りから海兵隊を馬鹿にしていたが、ともに戦ううちに海兵隊にとけこむ。黒崎二飛曹との熟練搭乗員コンビで米グラマン機などとわたりあう。
 蒼龍の戦没後、所属を転々とし新編の海軍三二一空に搭乗員として配備される。偵察で発見した米艦隊に反跳爆撃を行い、敵戦艦に被害を与えるが、反撃により丹野二飛曹が負傷し、単独飛行でかろうじて基地に戻る。直後に後方への移動命令がでるが蓮美大佐の介入で先延ばしになり、蓮美大佐の指揮でヨークタウン型空母の夜襲に出かける。その後は同じ米軍基地の攻撃を繰り返していたが、最終的にミッドウェイを撤収する。
登場作品: 反攻ミッドウェイ上陸戦、激闘東太平洋海戦
宇垣一成
 陸軍大将、内閣首相。
 政治家として非凡な能力を持ち、広田内閣総辞職を受けて組閣する。大正末期に陸相をつとめたときも軍縮を行ったが、今回の組閣でも軍備充実計画を見直す意向を明らかにしている。
 非常に政治力が強く、陸軍の発言力を弱めようとした。盧溝橋事件に端を発した日中全面戦争の危機を回避する。関東軍を抑えるため、常設の海兵隊を創設し、ノモンハンでの紛争の解決に投入しようとした。後に陸軍の圧力により内閣総理大臣を辞し、伊豆長岡の別荘で日下部と会う。
 あいかわらず、日下部と最新情報の交換を行う。
 首相時代の政治手腕を買われて政権交代後も擁立の話が起こる。岡田大将の女婿の迫水が接触に訪れる。
登場作品: 黒竜江陸戦隊、殲滅ノモンハン機動戦、急進真珠湾の蹉跌、撃滅北太平洋航空戦、反攻ミッドウェイ上陸戦、ダンピール海峡航空戦
潮田中尉
 魚住上飛曹の二式陸偵の指揮官。
 米軍機と邂逅した際に魚住上飛曹を制して索敵を続け、ヨークタウン型空母を発見する。若くて直情径行型だが頼りになる上官。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
内田康哉
 芳沢謙吉から外相を引き継ぐ。
 リットン調査団に強行態度をとった。
登場作品: 謀略熱河戦線
宇津木大佐
 特設巡洋艦報國丸艦長。
 伊二七潜による敵空母ハーミズの攻撃を助けるため自艦を囮に使い、自らも重巡への雷撃を成功させる。
登場作品: インド洋航空戦
漆原少将
 陸軍第五技術研究所長。
 参謀本部にかなり顔がきく。多知川少佐の報告書を評価するが、技術者が用兵に口を出すことを認めない風潮を考えてこれを保留し、電波標定器の精度をあげる任務を与える。
登場作品: 激突シベリア戦線
江下一等兵
 工兵西山小隊隊員。
 破壊筒に火をつけてから敵陣に向かう作戦を行う前に、雨で濡れた導火線を短くしていたため、作戦に抗議する。外川伍長により破壊筒に火をつけられ敵陣の爆破に向かうが、雨のために導火線が途中で消え、自陣に引き返す。
登場作品: 廟行鎮の敵の陣
江島中尉
 ブナ特別根拠地隊特殊潜航艇蛟龍の指揮官。
 グッドイナフ湾の輸送艦隊攻撃において、敵輸送船二隻を雷撃により撃沈する。ワニゲラに潜入する北原中尉らを現地まで送り届ける。
 その後、二度目のワニゲラ偵察を試みる北原中尉らを再び乗船させる。
登場作品: ニューギニア攻防戦、電子兵器奪取
江住技師
 満州航空機工業の技師。
 多知川少佐のドイツからの帰国や辻中佐のドイツへの出発などを飛行場で目撃する。
 キ74特号機の設計担当者。
 宮下大尉の要請により、試作機であるキ74特号機の前線投入に伴ってミッドウェイに赴く。飛行中の故障に対応するため、偵察に同乗する。海軍機が移動した後に駐機場に取り残されたキ74特号機を索敵に利用しようとする蓮美大佐にひきずられ、特号機の改造と索敵の際の機上調整を行うことにない、米軍の艦載機を発見する。
登場作品: 激突シベリア戦線、激闘東太平洋海戦
エドガー・スノー
 ニューヨーク・サン紙上海特派員。
 日下部が持ちこんだ山田少佐の謀略の記事から、彼の能力を評価し、私的な情報交換を約束する。蔡将軍の取材に日下部を同行させる。
登場作品: 激突上海市街戦
生出中佐
 第二航空艦隊の航空参謀。真珠湾の第三次攻撃隊の着艦作業を終えた後、出島少佐にミッドウェイの戦況などを話す。
登場作品: 急進真珠湾の蹉跌
汪兆銘
 広東政府の主席。
 妙な行動をとっていた日下部神岡桑原にその手先だと勘違いされる。
登場作品: 北満州油田占領、激突上海市街戦
大庭少尉
 加尾軍曹の属する戦車隊の小隊長。
登場作品: ラングーン侵攻
大津予備中尉
 外国語学校で英語を学んでおり、予備学生として採用された情報要員。
 ミッドウェイ前線の通信隊で勤務する。暗号が米軍に解読されている可能性に早くから気づいていたが、根拠地隊司令部では取り上げられなかった。
 その後、連合艦隊司令部通信隊の技術士官となる。通信諜報や通信傍受が専門。野上少佐の転勤に伴い、ラバウルに赴任した。情報収集に来た秋津中佐にブナへの重機輸送を早めるよう助言する。
 ラバウルからドボデュラ通信隊に派遣され、連合艦艇から発信された電文を解析し、敵軍による不時着機「銀河」の奪取の動きを察知する。
登場作品: 激闘東太平洋海戦、ダンピール海峡航空戦、電子兵器奪取
岡崎技師
 粟津製作所社員。
 陣内中尉とは旧知の間柄で、工場の訪問を受けるが、対応を桑原に任せる。
 奉天製作所の技師で、建設重機の設定にかかわっている。松花江沿岸の工事現場で柳井大尉と会い、陣内大尉の拓殖会社を紹介する。
 海兵隊の一二試重戦車を製作する。
登場作品: 激突上海市街戦、謀略熱河戦線、黒竜江陸戦隊、殲滅ノモンハン機動戦
岡田啓介海軍大将
 元首相。首相の座を退いてからも人脈と情報収集能力により政界に対する影響力を持ちつづけている。
 また、二・二六蹶起での標的で当時の首相。その後内閣総辞職する。
 東條政権の戦争指導方針に批判的で、迫水を通して宇垣大将と接触を図る。
登場作品: 激闘東太平洋海戦、蹶起 昭和11年2月26日、ダンピール海峡航空戦
岡田貞外茂中佐
 岡田大将の長男。
 宇垣大将の秘書役の日下部と密会する。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
小河内(おごうち)大尉
 横須賀基地で一式陸攻の機長として丸大兵器の発射実験に協力した搭乗員。
 その後最新鋭の中型爆撃機「銀河」の試製品評価のためラバウルに滞在し、再開した深町中佐のために新型高角砲の偵察を実施するが、敵の追撃を受けてドボデュラに不時着する。
登場作品: 電子兵器奪取
小澤司令官
 小澤治三郎中将。真珠湾を攻撃した第二航空艦隊指令長官。
 沈着冷静で常に情勢を大局的に判断し、決断したあとは万難を排してこれを実施する。旗艦の加賀が攻撃を受けて損傷したことから第三次攻撃隊の収容を諦めて艦隊を避退しようとするが、ミッドウェイの情勢を知ったため、攻撃隊の帰投を優先させたのち、第一航空艦隊援護のためミッドウェイに出動する。ミッドウェイでは瑞鶴が損傷したので、守りに徹した戦いをする。
登場作品: 急進真珠湾の蹉跌、反攻ミッドウェイ上陸戦
尾関上等兵
 歩兵一二連隊第五中隊対戦車班。
 イマン攻防戦で敵の先陣のKV重戦車に肉薄攻撃をかけて倒れた戦友に続き、破甲爆雷による戦車の破壊に成功する。その後戦闘中に本隊を見失い、イマン市街で樋野曹長と出会う。
登場作品: 激突シベリア戦線
尾辻二等兵曹
 占守島監視哨の電探担当の先任士官。
 ソ連軍の砲撃で基地が壊滅したため、電探を回収して陸軍の基地に避難し、砲撃のための位置測定に協力する。その後、擂鉢基地で深町少佐と合流する。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦

か行

萱津少佐
 第十五軍広報参謀。
 堰場大尉らが発見した連合軍によるビルマから中国への道路建設を軍司令部に報告する。第十五軍によるビルマ進行計画が具体化する中で、タイからビルマへの鉄道建設の調査に携わる。
 古葉参謀長野際作戦参謀に自分の案を了承させ、新町大佐とは異なる作戦を実施する。新町大佐による保科支隊の逆渡河の命令を無効にするためのシナリオを作るが、よく似た状況で戦局が動き出す。
登場作品: インド洋航空戦、ラングーン侵攻
加尾軍曹
 陸軍屈指の機甲部隊である戦車第三連隊四式砲戦車の車長。
 ビルマへの移駐準備に取り掛かるが、牟田口軍司令官が増援を断ったことで満州南端で足止めを食らう。
 第一五軍に編入され、満州からビルマに戦車とともに移動する。重量級の四式砲戦車に乗る。渡河には苦労するが、対戦車戦闘に絶大な威力を発揮し、シッタン川まで到達する。
登場作品: インド洋航空戦、ラングーン侵攻
各務
 油田の調査地域を確保する中隊の中隊長。
 陸軍以外の権威を認めない職業軍人の典型。陸大卒で、クーデターにも関係していた。
 杓子定規のような考え方をし、中国人を全く信用しない。中国人農夫たちを斬殺しようとして柴野上等兵に撃たれ、重傷を負う。
 のちに関東軍から小河子島の戦闘に派遣された参謀となる。
 ソ連の戦力を過小評価し、寺岡大佐の慎重論を一蹴して夜襲を強行し、失敗するが、責を負うことなく関東軍に勤務している。
 戦車不要論を唱え、戦車による合理的な攻撃よりも、歩兵による肉弾玉砕戦を好む。傍若無人に振る舞い、前線を混乱させる。ソ連軍の進軍を食い止めるための毒ガス攻撃を指揮系統の違う第六軍に命じるが無視される。
 参謀本部第一部作戦課参謀。辻中佐と謀り、秋津中佐を参謀本部から追い出す。関東軍を大動員して沿海州全域を占領し、さらにレニングラードまで進出する計画を実行しようと画策する。
 海軍が占領したミッドウェイの玉砕を容認する意見の中心人物であり、作戦課の主導権を握りつつある。
 事前に補給に無理があると分かっていたポートモレスビー攻略戦を実施させ大敗するが責任を問われず、多くの損害が予想され投機的なニュージョージア島進出作戦を強行させる。
 成功の可能性が薄いことが認識されていた、南海支隊のオーエンスタンレー山脈越えの作戦を強引に押し通し、壊滅的な敗走の原因を作ったが、本人は責任を問われず、他方面の作戦指導にあたっている。
登場作品: 北満州油田占領、第二次オホーツク海戦、殲滅ノモンハン機動戦、激突シベリア戦線、激闘東太平洋海戦、ダンピール海峡航空戦、ニューギニア攻防戦
角田覚次
 重巡古鷹艦長。
 アウトレンジ戦法を捨てた近距離からの砲戦で極東艦隊を後退させたが、この勝利が大艦巨砲主義の日本の艦政に混乱を与えた。
 ソ連極東艦隊の津軽海峡通過を予想し、ソ連重巡に砲撃戦を挑むが、命令により避退して第六戦隊に合同する。
 第一航空艦隊第二航空戦隊司令官。旗艦赤城が沈没したため、艦隊の指揮を一時的に南雲長官から引き継ぐ。赤城から飛龍に移動した南雲長官とともに指揮をとるが、積極果敢な戦闘指揮で知られ、沈着な南雲長官としばしば対立する。
登場作品: オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊、反攻ミッドウェイ上陸戦
筧井少佐
 満州の陸軍第七技術研究所鉄嶺分所の技術士官。
 ロタ砲の開発に携わる。秋津中佐の訪問を受け、特別小隊用のロタ砲を用意する。
登場作品: 激突シベリア戦線
笠置二飛曹
 新型艦上爆撃機「彗星」の航法員。
 敵空母の特徴に詳しく、自分たちの攻撃対象がエンタープライズであることを明かす。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
鹿島上飛
 ミッドウェイ海兵隊航空部隊。黒崎一飛曹の列機。
 駆潜特務艇救助、軽巡川内救助とも黒崎機と行動をともにする。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
樫村中尉
 舞鶴の海軍工廠の艤装員。
 見学に訪れた小早川大尉を案内し、駆逐艦「島風」の改装について説明する。
登場作品: オホーツク海戦
樫山大尉
 陸軍中部軍司令部の中隊長。
 日本海東部の哨戒を担当し、多知川少佐による無線機の使用指導をうけいれる。その後加納中尉らとともに満州牡丹江に進出し、飛行第八連隊第一中隊長となる。虎林に進出、駐留しソ連の偵察機を迎撃するが、その後のスパスコエ空襲のため牡丹江にもどる。
 加納中尉が属する飛行第三八戦隊の中隊長。加納中尉への出撃命令の混乱に関し、海兵隊の責任を追求せずに話を治める。
登場作品: 激突シベリア戦線、激闘東太平洋海戦
柏木中尉
 下河子島での国境紛争に備える小隊の指揮官。
 馬占山軍の主力部隊と遭遇し、観戦官として同行していた小早川大尉の操船により、島から脱出する。これを中隊に報告し、連隊本部を島の近くに進出させる。
登場作品: オホーツク海戦
香住少尉
 軌道歩兵大隊。
 ビリン川手前で加尾軍曹の四式砲戦車に便乗する。
登場作品: ラングーン侵攻
片岡
 油田調査の作業主任。調査のために日本から呼び寄せられた技術者。
 中国軍の襲撃から逃れるが、油田発掘の秘密が漏れたため大連で憲兵に軟禁される。
登場作品: 北満州油田占領
片桐伍長
 戦車第四連隊段列員。
 敵戦車鹵獲のための偵察を室生中尉と同行する。それ以前に上川大尉による偵察にも同行したため、地形を熟知しており、室生中尉を案内する。
登場作品: 殲滅ノモンハン機動戦
勝木飛曹長
 二式大艇先任下士官。
 敵滑走路への攻撃で土木重機への攻撃を成功させる。寒河江大尉を失い不時着した後、助かった五人の乗組員を指揮する。
登場作品: インド洋航空戦
加藤寛治
 1937年2月の新内閣で海軍大臣に就任。
 艦隊の増強のための予算を獲得する。
登場作品: 黒竜江陸戦隊
加藤一飛
 黒崎二飛曹の列機の零式艦上戦闘機の搭乗員。
 ソ連軍との空中戦で被弾し、負傷する。敵機が自機の銃撃が命中しても落とせず、体当たりを敢行して戦死する。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦
門村大尉
 南海支隊副官。
 庄村一飛曹らの情報に基づいた間道からの敵陣地攻撃を支隊長に具申し、八槙大尉と共にこれを成功させる。
 ポートブレア攻略のため南アンダマン島に上陸。ポートブレア攻略で敢えて採用した拙速を避ける方策が、英印軍の用意周到な撤退により裏目に出る。
登場作品: インド洋航空戦、ラングーン侵攻
加納
 中部軍司令部所属独立飛行第三八中隊のパイロット。
 二式複座戦闘機屠龍に登場し、日本海に襲来したソ連軍爆撃機を迎撃する。多知川少佐の持ち込んだ装置類の実機テストをさせられるが、性能の良くなった無線装置を牡丹江に持ち込むことにより、米軍の偽装を見破って迎撃を成功させる。虎林に進出し、樫山大尉が牡丹江にもどった後は最先任となる。秋津中佐の南林子前線への航空支援の要請を受け、後藤田杉浦両操縦士に地上から指示を与える。
 ミッドウェイに進出した陸軍飛行第三八戦隊屠龍の操縦士。
 ミッドウェイにおける陸軍機の扱いに不満を持つ。ミッドウェイ上空での戦闘の後、爆撃で破壊された滑走路への着陸に失敗して乗機を失い、駐機場近くの陣地で対空射撃による防御戦闘を行う。天霧の砲撃を補助するため、樟葉大尉らと行動をともにする。
登場作品: 激突シベリア戦線、激闘東太平洋海戦
鎌田中尉
 特設巡洋艦報國丸航海長。
 不時着水した庵野飛曹長らを救出する。
登場作品: インド洋航空戦
神岡喜多次
 山田少佐の部下で、謀略の実働部隊。
 仲間を尾行していた日下部を日本刀で脅す。上海詳報社を襲撃し、らに暴行を加えるが逃げられ、負傷した滝田を殺し中国人の仕業として、邦人の怒りをあおる。
登場作品: 激突上海市街戦
上川少尉
 駆逐艦沼風の航海長。
 ノルウェー船ロフォーテンを臨検しようとして、カッターを転覆させられた陸戦隊員の救助に向かい木戸中尉を救出する。
登場作品: オホーツク海戦
上川大尉
 戦車第四連隊の段列長。
 下士官だった時代から一貫して戦車にかかわっており、戦車の整備や構造に詳しい。室生中尉に戦車を隠して狙撃する戦術を助言する。かく座したソ連戦車を鹵獲し、その構造を調べる。
登場作品: オホーツク海戦、殲滅ノモンハン機動戦
嘉門寺良平
 満州国将校。
 阿片中毒で陣内大尉の情報ソース。
 陣内からを預かるのと引き換えに鹵獲兵器をまわしてもらおうとする。
 北満州の抗日側と満州国軍側の双方に情報を漏らして軍事衝突を回避することにより地位を維持している。
登場作品: 謀略熱河戦線、黒竜江陸戦隊
萱原中佐
 陸戦隊司令官。
 大湊の司令部に居る。
登場作品: 第二次オホーツク海戦
香山中佐
 陸軍第一七軍参謀。
 ニュージョージアへの進行作戦に際し、海軍の連合艦隊指令部に派遣される。重機の輸送船の融通を頼む秋津中佐に第八艦隊に行くよう助言する。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
川路少佐
 第一八軍の歩兵隊一一五連隊の大隊長。
 陸軍士官学校で陣内少佐と同期であった。連合軍の奇襲攻撃に備えて大隊の半数をクムシ川渡河地点の防御に引きぬき、自身は残った兵とともに陣地防御に臨む。
登場作品: ニューギニア攻防戦
河津中将
 関東軍第五軍司令官。
 ソ連に対して大規模な兵力が出来ない情勢で牡丹江に駐留する航空隊主力の出撃を決定し、また秋津中佐の意見をいれて虎林所在の戦闘機による南林子前線への直接支援を許可する。
登場作品: 激突シベリア戦線
ガンディ
 彼の対日不服従の闘争から、日下部は中国への軍隊派遣の意味のなさを桑原に解説する。
登場作品: 激突上海市街戦
木崎中佐
 加賀飛行隊の指揮官で香坂中尉の上官。
 米艦隊への二次攻撃後、三次攻撃の必要性を艦隊司令部で力説する。当初、「彗星」を戦力として認めていなかったが、二度の出撃でようやく認めるようになる。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
紀田伍長
 飛行第一一戦隊、白石曹長の僚機の操縦士。
 第一一戦隊では数少ない技量の高い操縦者。白石機とともに敵輸送機を攻撃する。
登場作品: ニューギニア攻防戦、ラングーン侵攻
北川一等兵
 工兵第二小隊。江下一等兵の同僚。
登場作品: 廟行鎮の敵の陣
喜多川少佐
 第三艦隊航空乙参謀。
 旗艦加賀の司令部にいる。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
北原中尉
 海兵隊小早川中佐の副官。
 粘り強い交渉で戦車と水陸両用車両をラバウルからブナへ輸送することに成功する。
 中佐の命を受け、連合軍の航空基地のあるワニゲラに潜入し、敵航空隊の動きを打電する。
 新型高角砲調査のためワニゲラへの二度目の強行偵察を試みるが失敗に終わる。ドボデュラで不時着機「銀河」の搬出作業に当たる。ワニゲラへの侵攻作戦において、陣内少佐に促され、待機命令を無視して敵地に上陸し、新型高角砲の奪取に成功する。
登場作品: ダンピール海峡航空戦、ニューギニア攻防戦、電子兵器奪取
木津中佐
 光陽丸の船団司令部の陸軍所属の参謀。
 敵偵察機の発見で陸軍の虎の子の船を守るために船団の一時避退を主張する。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦
橘川艦長
 駆逐艦天霧艦長。
 マレー半島への上陸を企図した輸送船団が米軍哨戒艇に発見されそうになったため、アメリカとは開戦前であるのにかかわらず、攻撃を命じ撃沈する。これがアメリカの対日開戦のきっかけとなる。
 軽巡川内の支援のためミッドウェイに残される。米軍の上陸作戦部隊との戦闘により天霧が行動不能に落ち入った後も、残された砲により米軍上陸部隊を攻撃する。
登場作品: 急進真珠湾の蹉跌、激闘東太平洋海戦
木津川少尉
 第四艦隊の若い気象班つきの少尉。
 霧の発生により、アメリカからの貨物船団が南よりの航路をとる可能性を室井中佐に具申する。
登場作品: オホーツク海戦
木戸中尉
 駆逐艦「沼風」先任将校で砲術長。
 オホーツク海の松輪島付近で座礁したノルウェー船ロフォーテンを発見し、臨検のために近づくが、カッターを転覆させられ逃げられる。
  第四艦隊の作戦では、救援活動を終えて艦隊の哨戒船に加わる途中、目的の貨物船団を発見する。
登場作品: オホーツク海戦、第二次オホーツク海戦
君原大尉
 藤波中佐が指揮する伊一六八潜の先任将校。
 若いが信頼のおける士官。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
清藤少佐
 中部軍司令部所属独立飛行第三八戦隊長。
 米軍機の迎撃を多知川少佐の配備した無線設備を用いて地上から指揮する。その後、満州牡丹江に転出し、米軍の夜襲を迎撃した後、自らの指揮によるニコライエフカ基地の空襲を成功させる。
登場作品: 激突シベリア戦線
久喜曹長
 宮地中佐の子飼いの兵。
 陣内中尉馬占山懐柔工作に同行し、馬占山暗殺を謀るが、それに気付いた陣内中尉と銃撃戦になり負傷する。のちに前線に復帰し、宮地中佐の命令で匪賊に変装して陣内中尉らを暗殺しようとする。
登場作品: 謀略熱河戦線
草鹿参謀長
 第一航空艦隊参謀長。
 赤城と運命をともにしようとする南雲司令長官を説得して長良に移動させる。
登場作品: 反攻ミッドウェイ上陸戦
日下部光昭
 満州日報社の嘱託の記者。
 満鉄の油田調査に感付き、南部にカマをかけて話を聞きだし、情報を交換する。
 後、新聞社を退社し、上海に向かう。上海共同租界で尾行していた上村尽瞑に頼まれた尾行から、山田少佐の謀略を知り取材をする。
 この謀略の記事を通じエドガー・スノーと知り合う。中国人を装い、スノーの蔡将軍の取材に同行する。
 取材後スノーと別行動を取り、による日本軍攻撃を目撃する。その後日本軍の陣地に向かい、小早川大尉と面会するが、中国軍陣地の配置については話すことを拒絶する。
 上海事変後陸軍の同行取材で行った江湾鎮で尽瞑と再会する。
 満州経由でジュネーブに向かう石原大佐の動きを追い、石原大佐からのリークで宮地中佐溥儀連れ出しをスクープする。
 上海で山田少佐の謀略を阻止に動く。その後、米国系の通信社から国内の小さな新聞社に移り、日本にもどる。伊豆で宇垣元首相を週に一度は訪れて情報を交換する。アメリカとの開戦が避けられるかもしれないという情報を流す。
 宇垣退役陸軍大将と情報の交換を行い、別邸で迫水らの来訪に居合わせ、その後も岡田大将側の迫水や岡田中佐と接触する。
登場作品: 北満州油田占領、激突上海市街戦、謀略熱河戦線、殲滅ノモンハン機動戦、撃滅北太平洋航空戦、急進真珠湾の蹉跌、反攻ミッドウェイ上陸戦、ダンピール海峡航空戦
櫛田中佐
 海軍第一一水雷戦隊司令部先任参謀。
 どことなく得体が知れないところがあるが司令官からの信頼は厚い。旗艦「多摩」に乗艦した陸軍の八槙少佐とポートブレア飛行場占領作戦の打ち合わせを行う。
登場作品: インド洋航空戦
葛井少将
 南海支隊の支隊長門村大尉の上官。
 戦略を誤ったことを自責する門村大尉をさりげなく気遣う。
登場作品: ラングーン侵攻
樟葉大尉
 駆逐艦天霧の先任将校、水雷長。
 座礁した天霧を米軍から守るため、陸戦隊の指揮を橘川艦長から命じられる。天霧に残された砲による攻撃の打ち合わせのため根拠地隊司令部に向かうが、海兵隊の蓮美大佐の指揮下に入る。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
国枝軍曹
 第一八軍司令部に属するギルワ憲兵隊の斥候隊追跡班長。
 豪軍の斥候隊を追って前線に至る。陣内少佐の協力を得て、斥候隊の現地兵を捕虜にする。
 不時着機「銀河」に対する敵斥候隊捜索の指揮をとり、敵兵の捕獲に成功する。
登場作品: ニューギニア攻防戦、電子兵器奪取
椚田飛曹長
 光鷹航空隊最先任搭乗員。
 添田飛曹長らとともにペナン島からポートブレアに移動する。添田飛曹長が光鷹に戻った後もポートブレアにとどまり防空任務に当たる。
登場作品: ラングーン侵攻
椋木一等兵曹
 蛟龍江島艇の先任下士官。
登場作品: ニューギニア攻防戦
倉田参謀
 第四艦隊主席参謀。
 龍驤の作戦室で艦隊の任務を司令部要員に説明する。台風にあい、被害を受けたときに2つめの台風を見逃した気象長をなじる。
登場作品: オホーツク海戦
倉永中尉
 ブナ基地の高射砲隊長。
 上陸以来何度も死線をくぐり抜けた古強者。補充された高射砲をブナに輸送する際に陣内少佐の重機輸送に便乗し、SB艇甲板上からの敵爆撃機攻撃を成功させる。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
蔵間軍曹
 百式司令部偵察機の堰場大尉機の偵察員。
 ミイトキーナ偵察中に一時意識を失うが回復して航法支援を続ける。
登場作品: インド洋航空戦
蔵本特務中尉
 光陽丸に乗艦している整備科の特務中尉。
 下士官からの叩き上げで塩崎中尉よりずっと歳をとっており、態度は穏やかだが威圧感がある。搭載機が増えすぎたため、機体の解体や廃棄処分まで含めた整理を民間の技術者と協力して行う。ミッドウェイ占領後は九六艦攻でミッドウェイに移動し、日本軍陣地で整備を続ける。
 キ74特号機の改造に打ちこむ江住技師に仮眠することを助言する。
登場作品: 反攻ミッドウェイ上陸戦、激闘東太平洋海戦
栗原中尉
 関東軍第一連隊の支隊を指揮。
 黒竜江沿岸で馬軍を攻撃するが、逆に小河子島で孤立してしまい、小早川少佐らの陸戦隊に救出される。
 二・二六事件では、歩兵第一連隊における皇道派の中心的人物。
登場作品: 黒竜江陸戦隊、蹶起 昭和11年2月26日
呉羽大尉
 第八艦隊乙型駆逐艦新月の砲術長。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
黒崎
 海兵隊の光陽丸母艦航空隊の下士官小隊長。
 実戦経験のない若年兵の部下を率いて敵航空編隊と渡り合う。蓮美大佐の行動にもあきれるが、次第に信頼するようになる。日本軍電探への妨害電波を発していた米国籍の船を撃沈し、問題となる。光陽丸が爆撃された後、鹵獲したソ連軍の戦闘機に搭乗して敵空母を攻撃する。
 海兵隊に所属する熟練搭乗員。海軍からまわされてきた魚住一飛曹を列機として行動をし、敵のグラマンを撃墜したり、魚雷艇を攻撃したりと活躍する。開戦前にエンタープライズに攻撃をかけたことを魚住に話すが、信じてもらえない。
 ミッドウェイ海兵隊航空部隊。蓮美大佐の命令でグラマンの攻撃を受けた駆潜特務艇を救助する。ミッドウェイに向かう軽巡川内を守るため、敵爆撃機に捨て身の攻撃をかける。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦、反攻ミッドウェイ上陸戦、激闘東太平洋海戦
桑原毅
 上海の学生で満鉄の下っぱ社員。
 技術官僚を目指しており、日支反戦同盟には共感するが意見があわない。負傷した日下部を手当し、また、国粋会の邦人に襲われたを助ける。南部とは大連の満鉄本社で会ったことがあり、トラクターの輸入交渉に協力をする。南部の帰国後はトラクター工場の誘致の仕事を引き継ぐ。
 満鉄からの給費派遣生。日下部とともに山田少佐の謀略を阻止しようとする。
登場作品: 激突上海市街戦、謀略熱河戦線、殲滅ノモンハン機動戦
憲奎
 パプチャップの南進にかつぎだされた清朝の皇族。
登場作品: 謀略熱河戦線
香坂中尉
 加賀搭載の新型艦上爆撃機「彗星」の操縦士。
 性能は良いが整備が難しく厄介者扱いされている彗星に愛着を感じている。彗星の高速性能をいかしてヨークタウン型空母への攻撃隊の誘導、米艦隊への攻撃における先行偵察を行う。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
神崎兵曹長
 ミッドウェイ戦車中隊の整備隊長。
 棟方少尉による米戦車隊への攻撃に際し、ロタ砲の使用を願いでる。その後、ミッドウェイ東島の防衛戦を続ける。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
国府田少佐
 飛行第六八戦隊長でブナ航空隊の指揮官。
 個人の力量に頼るのではなく、総合的に戦闘を指揮する能力にすぐれている。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
小柴中尉
 南海支隊司令部にいる海軍の連絡官。
 敵護送船団の動きを南海支隊に伝える。添田飛曹長と南山改で偵察を行い、英印軍のグライダーを発見する。
登場作品: ラングーン侵攻
小園中佐
 南方から帰還した二五一空所属。
 複座戦闘機の胴体に斜め上方を向いた砲を搭載し、上空の敵を死角から銃撃する作戦を多知川少佐に教える。
登場作品: 激突シベリア戦線
呉鉄城
 上海市長。
 艦艇の集結を背景にした村井総領事に、抗日会の解散等の要求をつきつけられ、要求をすべてのむことを表明する。
登場作品: 激突上海市街戦
後藤中佐
 重巡鳥海副長。
 スターリン級破氷船が日本海軍の哨戒網を突破してペトロパブロフスク港に入港したとする那賀中佐の意見に反駁する。
登場作品: 第二次オホーツク海戦
後藤田曹長
 中部軍司令部所属独立飛行第三八戦隊第二中隊の古参操縦士。
 満州牡丹江に転出し、消耗戦をくぐり抜けて加納中尉らの第一中隊と合流する。虎林に進出、駐留し、ソ連の偵察機を迎撃する。加納中尉の指揮の下、南林子前線への航空支援に向かい、敵の指揮車を破壊し補給部隊を空襲する。イマン攻防戦でも敵航空機を撃墜し、樋野曹長らの戦車隊を救う。
登場作品: 激突シベリア戦線
近衛文麿
 内閣首相。
 宇垣内閣総辞職を受けて組閣を行うが、陸軍を抑えることが出来ず、危険な外交政策をくり返す。1942年に総辞職し、東條英機を次期首相とする。
 真珠湾の頃には前首相となっている。
登場作品: 急進真珠湾の蹉跌、撃滅北太平洋航空戦
古葉少将
 第一五軍参謀長。
 常識的な考え方を持ち他の要員の信頼を集めているが、ビルマ侵攻にこだわる牟田口軍司令官との仲はあまり良くない。
 牟田口司令官のラングーン早期侵攻を支持しておらず、牟田口司令官が下す命令を裏で修正する役目。
登場作品: インド洋航空戦、ラングーン侵攻
小早川
 海軍陸戦隊観戦官。
 北千島特別陸戦隊部隊指揮官を経て、海軍砲術学校付き仕官となる。常設の海兵隊設置のための研究を行い、後に黒竜江特別陸戦隊を指揮する。
 海軍陸戦隊を率い、哨戒特務艦禄剛による長駆侵攻を実施して、抗日武装勢力の根拠地を壊滅させた。奉天製作所で秋津少佐と会い、その要請から陸上機動部隊をノモンハン近くまで移動させ、永田司令官の出動要請が出るとすぐに渡河攻撃で敵の軍司令部を攻撃する。中佐に昇進した後、アメリカとの開戦をにらんで海兵隊上陸戦闘部隊を改編強化するため、北千島幌筵島に着任する。
 その後、ブナ地区海兵隊指令となる。
 ブナで再会した陣内少佐からの情報より海兵隊のブナへの進出を前倒しする。
 北原中尉にワニゲラへの潜入を命じる。秋津中佐の要請により、ココダ戦に特号内火艇などの戦車を運び込み、戦闘を有利にはこぶ。
 不時着した「銀河」の奪取を企てる敵の動きを逆手にとり、ワニゲラの新型高角砲の奪取を北原中尉に命じる。
登場作品: 激突上海市街戦、オホーツク海戦、第二次オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊、殲滅ノモンハン機動戦、撃滅北太平洋航空戦、ダンピール海峡航空戦、ニューギニア攻防戦、電子兵器奪取

さ行

蔡将軍
 第十九路軍軍長。
 ほっそりとした政治家のような軍人。真如鎮でスノー日下部の取材を受け、日下部が日本人とわかっていて黙認した。第十九路軍を上海に動かし日本軍と対持するが、南京の国民政府の命令を受け、撤退をはじめる。
登場作品: 激突上海市街戦
才田大尉
 第一五軍の情報参謀。
 牟田口軍司令官主催の研究会でビルマに侵攻した際の敵兵力が自軍の30倍以上になるという計画の矛盾点を冷静に指摘する。
登場作品: インド洋航空戦、ラングーン侵攻
寒河江大尉
 庄村一飛曹らの乗る二式大艇の機長。
 アッズ環礁で敵空母を発見した後、不十分な補修のまま出撃した敵飛行場への攻撃で、高角砲弾の攻撃を受けて死亡する。
登場作品: インド洋航空戦
坂崎大尉
 飛行第一一戦隊。
 モールメンに向かった四機の「疾風」の指揮官。萱津少佐より防空指揮官を務めるよう依頼されるが、その役目を白石曹長に任せ、自らは疾風隊の空中指揮を執る。英印軍の新たな渡河地点構築の動きを察知するが、自身も攻撃され軽傷を負う。
登場作品: ラングーン侵攻
坂田中尉
 海軍航空隊。
 キ74特号機の偵察員としてミッドウェイに派遣される。根拠地司令部が後方に退いた後、警備の兵力を回してもらうため、海兵隊と交渉し、棟方特務少尉の戦車隊に弾薬の融通と輸送を依頼する。また、江住技師の発見した艦載機が補給機である可能性を示し、米艦隊を発見する。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
酒巻
 特型格納筒指揮官。
 ネバダ級戦艦への肉薄魚雷攻撃を成功させ、損傷した艇を扱いながら母艦に帰投する。のち伊一六潜に乗りこむ。
 甲標的丁型潜水艇蛟龍の艇長。
 真珠湾攻撃の際に自分の行った戦艦への雷撃の成功により特殊潜航艇の用兵思想が変化したことに疑問を感じている。その後、上陸部隊後方の輸送船団攻撃のために出撃し、手負いのヨークタウン型空母を雷撃する。
登場作品: 急進真珠湾の蹉跌、激闘東太平洋海戦
相模中尉
 陣内少佐と重機を輸送した第一一二号哨戒艇の先任将校。
 先任将校としては若いが山崎艦長の薫陶を受け、重役を果たしている。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
作江一等兵
 工兵第二小隊。江下一等兵の同僚。
登場作品: 廟行鎮の敵の陣
佐久田
 駆逐艦島風の設計担当官、柳井大尉の上官。
 島風内部に小早川大尉を案内し、艦内構造や艤装の状況について意見を聞く。尽瞑の影響により戦闘艦艇の大量生産の構想をもち、そのために直線を基調とした無骨だが工事の容易な艦を設計する。電気溶接などの新しい技術は積極的にとりいれる。
登場作品: オホーツク海戦、第二次オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊、昭和10年11月東京
佐光一飛曹
 魚住上飛曹の二式陸偵の電信員。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
迫水久常
 大蔵省出身で企画院に勤務する革新官僚。岡田元首相の女婿で懐刀。
 ミッドウェイ前線を陰から支援する秋津中佐に真意を問う。また、宇垣大将サイドの日下部と接触する。
登場作品: 激闘東太平洋海戦、ダンピール海峡航空戦
佐々原大尉
 添田飛曹長らの属する光鷹飛行隊長。
登場作品: インド洋航空戦、ラングーン侵攻
真田少将
 光陽丸を旗艦とした海軍・陸軍・海兵隊の合同船団の司令官。
 陸軍の面子に配慮しながら海軍の思惑通り偵察機を発艦させる。懐の深い人物。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦
佐橋少尉
 歩兵第四三連隊直属の対戦車特別小隊小隊長。
 多喜田軍曹の上官。まだ若く、実戦経験も少ない。配備されたロタ砲の威力を信用していなかった。
登場作品: 激突シベリア戦線
澤田善蔵
 虹口でラジオ店を経営する在郷軍人。
 広東街の様子を見てきた後、小早川大尉に協力を申し出る。日下部とも顔見知りで小早川大尉の部隊で彼が日本人であることを証言する。
登場作品: 激突上海市街戦
塩崎中尉
 蒼龍の搭乗員。
 魚住一飛曹とともに光陽丸に移動し、海兵隊の攻撃隊に加えられる。無線電話で情勢を聞かされていたため、素直に迎撃に加わるが、無線がなく勝手な行動をした魚住機を救助し、魚住一飛曹に激怒する。
登場作品: 反攻ミッドウェイ上陸戦
塩沢少将
 第一遣外艦隊司令官。
 中国軍の戦力を過小評価しており、四八時間以内に十九路軍を駆逐できると豪語する。
登場作品: 激突上海市街戦
志方特務中尉
 海軍から満州国に派遣された測量班の一人。
 唯一の現役軍人。水兵から叩き上げの中尉。大連に転属になり、柳井大尉が設計した新型艦の性能試験を担当する。その後、黒竜江用の哨戒特務艦「緑剛」の乗組員となり、栗原支隊の救出作戦にも参加する。
登場作品: 黒竜江陸戦隊
幣原外務大臣
 幣原喜重郎。事変当時の外相。
 関東軍の独断専行により窮地に立たされる。
登場作品: 北満州油田占領、謀略熱河戦線
篠田軍曹
 ブナ地区の野戦飛行場設定隊作業班長。
 偵察隊の船を発見し、陣内少佐に報告する。斥候隊には山脇トブエを出したが、敵斥候隊の夜襲には同行する。
 監視哨での作業を指揮する。
登場作品: ダンピール海峡航空戦、ニューギニア攻防戦
篠田大尉
 戦車第三連隊戦車中隊の指揮官。
 樋野曹長の上官。
登場作品: 激突シベリア戦線
篠宮伍長
 航空撃滅戦での伊吹大尉の僚機。
 若く技術も粗削りだが空戦時の思い切りがよい。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
柴野上等兵
 輸送隊を護衛してきた二年兵。
 二十すぎで、小隊の中で一番中国語がうまい。各務大尉を銃撃から守るが、半日後、中国人農夫の妻を射殺しようとした各務大尉を撃つ。
登場作品: 北満州油田占領
嶋田少尉
 熱河作戦の直前に配属された少尉。
 陣内中尉の段列に協力して、戦車の回収、修理を行う。
登場作品: 謀略熱河戦線
ジューコフ将軍
 ノモンハンで関東軍と対峙したソ連第一軍集団司令官。
 もと白ロシア軍管区副司令官で中央の信任が厚く、戦略家としても抜け目がない。味方の損害を考えずに数で圧倒しようとするため、将兵の死傷者は多い。前線近くまで司令部を進出させていたが、そのため海兵隊の戦車攻撃を直接受けることになり、敗退する。その後、解任され粛清されたという噂がながれる。
登場作品: 殲滅ノモンハン機動戦
蒋介石
 南京国民党政府主席の軍閥。
 共産党攻撃で手一杯で日本軍と戦うことを避けているため、人気はがた落ちになる。
 共産党による勢力進展で日本よりも共産党の排除に力を注いでいたが、武器供与などの支援を受けるため、対日参戦をして連合軍による道路使用などを認める。
登場作品: 激突上海市街戦、謀略熱河戦線、黒竜江陸戦隊、北満州油田占領、インド洋航空戦
城島大尉
 秋津中佐向居を前線からラバウルに移送した呂三五潜の先任将校。
 本来荷物でしかない二人になにかと便宜をはかる。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
庄村一飛曹
 八五一空分遣隊二式大艇の操縦士。
 敵航空基地の攻撃で上官である寒河江大尉を失い不時着水する。現地人との取引で日本軍陣地にたどり着く途中で敵飛行場を攻撃できる間道を発見し、その位置を八槙少佐に告げる。
登場作品: インド洋航空戦
徐学民
 桑原の同級生。
 上海詳報社の実質的な主筆であり、中国共産党の大物党員。偽の上海詳報の記事に憤慨した邦人たちに私刑にあっているところを桑原に助けられる。第十九路軍の撤退中に軍人に変装して日本人を銃撃し、上海市街戦をひき起こす。
登場作品: 激突上海市街戦、殲滅ノモンハン機動戦
白石曹長
 ブナ地区の航空隊員。
 3機のうち2機が撃墜され、応援の伊吹大尉の中隊を迎えに行く。老練で優れた技量を持ち、基地防衛の為に数多く出撃する。
 飛行第一一戦隊一式戦闘機「隼」の操縦士。連合軍の輸送機の襲撃に成功するが、被弾して陣内少佐の設営した監視哨近くに不時着する。その後、陣内少佐と行動をともにする。2週間後に帰還したブナ基地で「隼」から四式戦闘機への乗り換えを連絡される。
 ニューギニア方面から内地に引きあげ、新鋭機「疾風」に機種を転換した後、モールメンに移駐する。坂崎大尉に代わり防空指揮官を務める。その後、地上指揮を交代して出撃し、渡河中の敵戦車を攻撃して動きを封じる。
登場作品: ダンピール海峡航空戦、ニューギニア攻防戦、ラングーン侵攻
陣内
 陸軍での非合理性を指摘し、そのたびに左遷されて日本陸軍に幻滅している。馬占山を再帰順させようとするが、宮地中佐の妨害にあい中止する。熱河戦線の戦車隊と同行する段列を指揮する。参謀本部直属の情報収集機関の長であり、満州拓殖公司の幹部。小早川少佐の小河子視察に同行し、その後、彼の率いる海軍陸戦隊と共同作戦で馬軍の物資集積所を攻撃する。栗原支隊の救出では、小河子島に潜入して孤立した支隊に連絡をつける。
 海倫特務機関所属で、満州拓殖公司の顧問。馬賊あがりの配下を率い、抗日勢力との先登を続ける。秋津少佐の同期で陸軍に重機械を貸して寺岡支隊の編成に協力し、自分も活発な偵察活動を行う。ソ連軍の陣地にまで潜入して情報を収集し、戦力分析や攻撃目標の選定を行う。
 その後、飛行第六師団付き少佐。野戦飛行場設定隊所属。ブナに重機を輸送して飛行場を設定する。敵斥候隊を夜襲し攻撃正面の重要な手がかりとなる地図を入手する。
 鈴谷大尉の渡河施設拡充工事の進捗を確認した後、国枝軍曹と協力して捕虜にした豪軍現地兵から連合軍の奇襲攻撃計画の情報を得る。オーレンスタンレー山脈の稜線上に監視哨を設営し、飛行隊の支援を行う。
 ワニゲラへの侵攻作戦において北原小隊から敵の目を逸らせる為の陽動部隊である陸軍上陸部隊を指揮する。上級司令部から作戦中止の命を受けた小早川中佐の躊躇を察知して、独断専行で作戦を強行する。
登場作品: 謀略熱河戦線、黒竜江陸戦隊、殲滅ノモンハン機動戦、オホーツク海戦、ダンピール海峡航空戦、ニューギニア攻防戦、電子兵器奪取
新町大佐
 第一五軍高級参謀。
 牟田口軍司令官の腹心で信任が厚く、軍を思いのままに動かそうとするトラブルメーカー。
 新戦力である保科支隊や疾風隊を古い用兵で扱おうとして軍内を混乱させる。野際中佐の策略により内地の要塞司令部付きに左遷される。
登場作品: インド洋航空戦、ラングーン侵攻
菅谷
 塚田大尉の九四式水偵の操縦員。
 飛行兵からの叩き上げ。塚田大尉と共に偵察・哨戒を行い、ソ連機と出会うたびに巧みな操縦でこれを振り切る。
登場作品: 第二次オホーツク海戦
菅原大尉
 海軍三二一空分隊長。
 ミッドウェイへの進出直後に隊が壊滅的な打撃を受ける。また、蓮美大佐によるヨークタウン型空母の夜襲に反対する。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
杉浦伍長
 主力が牡丹江に移動した後、虎林に残留したパイロット。
 後藤田曹長とともに南林子前線への航空支援を行う。一次攻撃で燃料系に被弾するが、その際に敵の指揮車を発見し、後藤田曹長にその位置を指示する。
登場作品: 激突シベリア戦線
杉浦少佐
 駆逐艦沼風の艦長。
 被爆した摩耶からの指令により、海峡北口の哨戒任務で極東艦隊に肉薄攻撃をかけ、戦果をあげる。第二次オホーツク海戦ではおとりとして行動し、ソ連輸送船を追って流氷帯から脱出不能となるが、同じ様に閉じこめられたソ連輸送船を攻撃し、難を逃れる。
登場作品: 第二次オホーツク海戦
杉田大尉
 陸軍歩兵中隊長。西山少尉らの工兵部隊の活躍により、廟行鎮での戦闘に勝利する。
登場作品: 廟行鎮の敵の陣
杉山
 杉山元。宇垣内閣の陸相。
 軍討伐への二個師団派遣で武藤大佐に同調する。
登場作品: 黒竜江陸戦隊
薄田中佐
 第三潜水艦隊伊七五潜艦長。
 真珠湾攻撃前に出港した敵艦隊を追跡する。第三次航空攻撃隊に攻撃されて損傷した空母サラトガを発見し、雷撃によって撃沈する。
登場作品: 急進真珠湾の蹉跌
珠洲原少尉
 戦車第四連隊軽戦車小隊。
 敵戦車鹵獲のための偵察を室生中尉と行い、三両の軽戦車を指揮して護衛のBT戦車を破壊するが、鹵獲しようとした戦車自身の砲撃を受ける。
登場作品: 殲滅ノモンハン機動戦
鈴谷大尉
 工兵中隊の指揮官。
 兵から累進した老練な将校。南海支隊の敗走で友軍のために闘いつづけ、司令部に不信感を抱いている。重砲の前線投入の鍵となるクムシ川の橋梁工事を担当するが、敵に攻撃されるからと工事を先延ばしにし、その分川路大隊の防御基地の拡充を行っていた。渡河地点での戦闘で先頭に立って闘い連合軍を撤退さす。その後本格的な道路工事を実施する。
登場作品: ニューギニア攻防戦
スターリン
 北満州油田を狙って関東軍との戦争を始めたが、その途端にドイツの侵攻が始まり、相当な危機感をもって日本軍への冬季攻勢を実施する。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦
須永少佐
 第五軍参謀。
 海兵隊の特設通信隊が傍受した敵信を分析する。
登場作品: 激突シベリア戦線
関戸大尉
 陣内中尉が熱河作戦前に所属する中隊の中隊長。
 融通が聞かず、陣内中尉とは折り合いが悪い。
登場作品: 謀略熱河戦線
関根中佐
 伊五三潜水艦長。
 蓮美大佐の同郷の後輩。航空機をソ連に輸送する米軍空母を発見し、予想進路を光陽丸に打電する。アメリカに開戦の口実を与えないように細心の注意を払いながらアメリカ軍の漂流船の臨検を行う。ソ連のグネフヌイ級駆逐艦を雷撃するが、撃沈できずに逃亡する。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦
瀬島龍三
 岡田啓介元首相の義弟の女婿。陸軍参謀本部の作戦課に勤める。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
蘇炳文
 再建中の抗日勢力の軍閥。
 大興安嶺付近を根拠地にしており、ソ連・アメリカから支援を受けている。
登場作品: 謀略熱河戦線、黒竜江陸戦隊
添田飛曹長
 光鷹(インド洋航空戦の上巻では光洋丸)に搭載される母艦機「南山改」の操縦士。
 ポートブレアで敵空母への攻撃を行うが、その後は輸送船団に同行してペナンに後退する。
 ペナン島航空基地からポートブレアへの移動を命じられる。乗機の南山改の航行距離が短いため、零式艦戦より先に着陸し、門村大尉に敵砲兵陣地の爆撃を提案する。占拠した対岸に英印軍が新たな滑走路を構築しようとするのを阻止する。命令によりポートブレアから光鷹に帰還する。その後、ポートブレアでの輸送艦攻撃、敵空母への雷撃を成功させる。
登場作品: インド洋航空戦、ラングーン侵攻

た行

高梨大尉
 七一連隊の連隊副官代理。
 失われた陣地回復のため室生中尉の協力を要請し、戦車による白兵突撃で失地を回復する。
登場作品: 殲滅ノモンハン機動戦
高橋蔵相
 二・二六蹶起部隊の標的の一人。
登場作品: 蹶起 昭和11年2月26日
多喜田軍曹
 歩兵第四三連隊直属の対戦車特別小隊の班長。
 日本軍の右翼を迂回してきたソ連軍戦車に遭遇するが、配備されたロタ砲によりこれを撃破する。その後も前線でロタ砲による対戦車攻撃を続ける。
登場作品: 激突シベリア戦線
滝田徳治
 日本国粋会の会員。
 トラクターの輸入でキャタピラー社に出入りする南部を尾行し動向を探る。上海詳報社への襲撃に参加し、負傷するが、その場で神岡に日本刀で切り殺される。
登場作品: 激突上海市街戦
詫間連隊長
 歩兵第一一二連隊の連隊長。
 新町大佐に押し切られる形で鉄道橋への夜襲を決行する。
登場作品: ラングーン侵攻
武嶋軍曹
 二式複座戦闘機屠龍乗員(操縦士は加納中尉)。
 新型の単座機である鍾馗とのライバル意識ではやる加納中尉をなだめ、屠龍と鍾馗を組み合わせた戦法などを提案する。
 乗機を失ってからも加納中尉とともに対空射撃を行い、駐機場の防御戦闘に駆り出される。
 新型電波警戒機を搭載した屠龍でダンピール海峡航空戦に参加。
登場作品: 激突シベリア戦線、激闘東太平洋海戦、ダンピール海峡航空戦
田崎兵曹
 北原中尉とともにワニゲラに潜入した下士官。
 北原中尉の二度目のワニゲラ強行偵察にも同行する。
登場作品: ニューギニア攻防戦、電子兵器奪取
田瀬少佐
 光陽丸船団の海兵隊所属の参謀。
 敵偵察機の発見で自軍の偵察機の発艦を主張する。幌筵からの敵航空路遮断作戦にも参加する。
 旗艦長良に搭乗している海兵隊参謀。海軍兵学校出身で指令部内での立場は微妙なものである。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦、反攻ミッドウェイ上陸戦
多田上等水兵
 蛟龍江島艇の電気員。
登場作品: ニューギニア攻防戦
只見曹長
 熱河戦線の戦車隊第三小隊二号車の車長。
 歩兵から戦車兵に転じた下士官で、あまり重機械に馴れていない。
登場作品: 謀略熱河戦線
多知川
 工兵中尉として大学に学びドイツに派遣されていたが、ドイツ人技術者を連れて満州に帰国した。帰国後、東京空襲の迎撃失敗の原因調査を行い、防空体勢の不備を指摘する。漆原所長の指示で電波標定機の精度をあげる任務につき、海軍の深町少佐と交流した後、北陸での新型無線機のテストおよび改良を行う。
 江住技師と同じ大学出身の陸軍工兵少佐。射撃管制用の電波標定機をミッドウェイで実用試験し、成果をあげる。その後、対空射撃用の機関銃の照準器の改良などで加納中尉らの対空射撃精度をあげ、米軍機を迎撃する。
 陸軍第五技術研究所員。深町中佐、秋津中佐共通の知り合い。電探と航空戦闘隊、高射砲隊を有機的に組み合わせた地域防空抗争を提唱している。
登場作品: 激突シベリア戦線、激闘東太平洋海戦、ダンピール海峡航空戦
田中義一
 偽の上海詳報による、犬養首相の奏上した満蒙領有計画の暴露記事で、首相だったころに提出した満蒙積極策「田中奏摺」について言及される。
登場作品: 激突上海市街戦
田辺三空曹
 塚田大尉の九四式水偵の乗員。
 偵察中に攻撃してきたソ連機に反撃するが、上腕を負傷する。
登場作品: 第二次オホーツク海戦
田辺主任
 大連の満鉄本社での南部の直接の上司。
 大連に戻った南部に奉天あたりで身をかくすことを勧める。
登場作品: 北満州油田占領
端野大佐
 海軍航空技術廠電気部の技術仕官。
 組織改変に伴い丸大兵器の開発を深町中佐から引き継ぐ。深町中佐が進めた二万メートル射程の砲の開発という目標は変更せず、早期に実績を上げるための七千メートル射程の検討を先行して進める。
登場作品: 電子兵器奪取
丹野二飛曹
 海軍三二一空で魚住上飛曹とペアを組む偵察員。
 若いが練度の急速な向上を評価されてミッドウェイ進出組に加えられた。ミッドウェイでの偵察で負傷する。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
 旧黒竜江省軍の主力から派遣された武装集団の参謀。
 南満州で陣内中尉の部隊に捕まるが、彼のツキを見込んで馬占山の再帰順を申し出る。同行した久喜曹長の馬占山暗殺計画を知り逃走するが、熱河作戦に満州国軍として加わり、自分達を狙った久喜曹長を逆に負傷させる。陣内機関の兵たちの頭目格。逃げる馬占山軍の工作部隊の行動を、その足跡などからかなり正確に把握する。
 陣内大尉の腹心の部下。陣内とともに外蒙古軍騎兵に変装し、ソ連軍占領地を偵察する。
登場作品: 謀略熱河戦線、オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊、殲滅ノモンハン機動戦
長勇少佐
 橋本欣五郎中佐とともに軍事クーデターの首謀者。
 こちらの歴史では沖縄戦における参謀長となった人物。
登場作品: 北満州油田占領
張海鵬
 満州国軍の騎馬部隊長。
 馬占山討伐のため、北安に派遣される。
登場作品: 謀略熱河戦線
張学良
 中国の軍閥、張作霖の息子。奉天軍閥。
 関東軍により錦州から河北へ追いやられる。長城線の南で錦州奪回のための戦備を整えている。蒋介石を逮捕し、共産党との戦闘の停止を求める。
登場作品: 北満州油田占領、激突上海市街戦、謀略熱河戦線、オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊、殲滅ノモンハン機動戦
張景恵
 在ハルビン。関東軍に黒竜江省政府樹立のために擁される。
登場作品: 北満州油田占領
張作霖
 張学良の父親。
 関東軍により爆殺される。
登場作品: 北満州油田占領、謀略熱河戦線
塚田大尉
 九四式水上偵察機の機長。
 鳥海、摩耶、沼風と連絡を取りながら哨戒を続ける。流氷原に逃げ込もうとする極東艦隊を爆撃する連合飛行隊を指揮するが、三川大佐に積極的な攻撃を禁止され、不本意な結果と終わる。
登場作品: 第二次オホーツク海戦
辻政信
 第七連隊きっての切れ者中尉だが、考えかたは古く、オッチョコチョイ。
 トラクターの見学にきた粟津製作所で、整備の十分でないトラクターに無茶な運転を強要し、故障させた上で内燃機関よりも軍馬が優れていると主張する。江湾鎮で前線に加わるが、攻撃をかける戦車に無理矢理乗りこみ、エンジンが故障した戦車から、負傷しながらも自陣に逃げかえる。
 ノモンハンでは関東軍作戦主任参謀で実際に関東軍を動かしている少壮将校の一人。戦車隊抜きでソ連軍を押し戻そうとするが、失敗する。
 ノモンハン戦の責任を取り一時は閑職に回されていたが、山下中将が行ったマレー作戦の成功により参謀本部作戦班長に復帰し、満州侵攻を計画する。秋津中佐を参謀本部から追い出した後、密使としてドイツに旅立つ。
 ベルリンで事実上の抑留状態にある。
登場作品: 激突上海市街戦、殲滅ノモンハン機動戦、激突シベリア戦線、激闘東太平洋海戦
対馬中尉
 二・二六蹶起に他隊から参加した皇道派将校。
 当所栗原隊と行動をともにする予定であったが、警視庁を襲撃する中橋隊と合流した。
登場作品: 蹶起 昭和11年2月26日
槌田少佐
 駆逐艦沼風艦長。
 座礁したノルウェー船ロフォーテンの喫水の深さに異常を察知し、臨検を行う。爆破により沈没したロフォーテンが投棄した荷物の回収作業を行い、それがソ連が馬占山軍に援助する武器であることを知る。アメリカから馬占山軍への武器援助を阻止する作戦では、船団を最初に発見し停戦命令を出すが無視されたため、船団に攻撃を加えるが逃げられる。
登場作品: オホーツク海戦
綴喜大尉
 新京の関東軍司令部要員。
 陣内中尉の父親と同郷。ハルビンで石原大佐と陣内中尉を引き合わせる。熱河作戦にも参加する。
登場作品: 謀略熱河戦線
恒藤大尉
 ソ連軍の通信を傍受する海兵隊通信隊大尉。
登場作品: 激突シベリア戦線
津幡大尉
 駆逐艦天霧航海長。
 米英との開戦前、マレー半島への上陸を企図した陸軍輸送船団を護衛中、電探により米軍の哨戒艇を発見し、橘川艦長に報告する。
登場作品: 急進真珠湾の蹉跌
津森ニ飛曹
 「南山改」添田機の偵察員。
 添田飛曹長の南山改の後席を担当する。
登場作品: インド洋航空戦、ラングーン侵攻
丁趙将軍
 吉林省軍の将軍。
 李杜将軍とともにハルビンにいる。
登場作品: 北満州油田占領
出島少佐
 第二航空艦隊航空乙参謀。
 電探による対空警戒を強硬に主張するが、許可されない。不首尾に終った真珠湾攻撃後、電探による飛行経路の探索を試みるが、担当者が不慣れなため成功せずに終る。
登場作品: 急進真珠湾の蹉跌、反攻ミッドウェイ上陸戦
寺岡大佐
 もと陸軍歩兵第三三連隊の名連隊長。
 小河子島でのソ連軍部隊への夜襲を失敗した責任を取り、予備役に編入されたところを、小早川大尉に引き抜かれ、海軍陸戦隊の顧問に迎えられる。ソ連海軍の強行輸送作戦に備え、北千島の防衛の強化を力説し、陸戦隊の先遣隊とともに北千島に向かう。
 特設野戦飛行場設定隊長で陣内大尉の提供した重機械、貨物車両を受け持つ。戦車第四連隊、第三連隊を指揮下において寺岡支隊を編成し、指揮をとる。ハルハ川の渡河を実行し、前進基地を設ける。ソ連軍の包囲殲滅作戦に備え、査問で処罰されるのを覚悟の上で、独断で部隊を移動させる。
登場作品: 第二次オホーツク海戦、殲滅ノモンハン機動戦
寺崎大尉
 第三潜水艦隊伊七五潜の先任士官。
 損傷したサラトガへの雷撃戦などで薄田中佐を補佐する。
登場作品: 急進真珠湾の蹉跌
寺田軍曹
 試製一号砲戦車車長で、室生中尉の部下。
 室生中尉とともに寺岡支隊に配属され、渡河作戦に加わる。
登場作品: 殲滅ノモンハン機動戦
土肥原大佐
 関東軍大佐。
 奉天特務機関長として溥儀を天津から連れだそうとして失敗する。その後昇進して内地に戻る。
登場作品: 激突上海市街戦、謀略熱河戦線
湯玉麟
 熱河方面の軍閥。
 関東軍の熱河進行作戦で関東軍と衝突する。
登場作品: 謀略熱河戦線
東郷事務総長
 東郷茂徳。駐独の参事官からジュネーブ軍縮会議の事務総長を勤める。
 熱河省の放棄と列強に対する門戸開放を条件に、連盟からの脱退を防ごうとし、欧米局長に任命されるが帰国を延ばしている。
 外務相欧亜局局長。ロンドン軍縮会議での方針を相談するため井上大佐と会合する。大艦巨砲主義に対抗するため、陸軍や欧米の圧力を利用することを井上大佐に提案する。
登場作品: 謀略熱河戦線、昭和10年11月東京
東條英機
 近衛内閣の陸軍大臣。
 関東軍参謀長で実質的に関東軍の方針を決定している。
 主戦派の陸軍を抑えるために近衛文麿の後を受けて組閣を行うが、かえってアメリカを刺激することになる。真面目で几帳面だが、一国の首相になる器ではないと宇垣元首相は考えている。
 真珠湾の頃には首相となるがあまり評判の良くない。山下中将を疎んじ、マレー作戦の成功にも関わらず帰国を許さずに満州転出を命じる。シベリア鉄道の遮断により関東軍と極東ソ連軍が停戦合意したのち、日ソ中立条約の締結を最終的に決断する立場にある。致命的な失策は犯していないが、戦争終結の能力は欠如している。
 その後、陸軍上層部の空気の変化により、地位が以前ほど磐石ではなくなっている。
登場作品: 黒竜江陸戦隊、急進真珠湾の蹉跌、撃滅北太平洋航空戦、激突シベリア戦線、ダンピール海峡航空戦、ラングーン侵攻
堰場大尉
 百式司令部偵察機の操縦士。
 連合軍航空基地偵察の帰路に連合軍による雲南奥地への自動車道路建設を発見する。
登場作品: インド洋航空戦
外川伍長
 西山小隊爆破班班長。
 敢闘精神に満ちており、導火線を短くしてしまった江下一等兵らの破壊筒に強引に点火して敵陣に送り出す。
登場作品: 廟行鎮の敵の陣
トブエ
 山脇の助手。
 山脇とともに陣内少佐の斥候の道案内をする。目端が効き、密林を駆け抜けながら敵部隊の足跡の判読をする。
 その後、陣内少佐の現地雇人となる。道案内や情報収集のため、陣内少佐と行動をともにする。
登場作品: ダンピール海峡航空戦、ニューギニア攻防戦
鳥飼軍曹
 西山小隊爆破班班長。
 第一波の爆破班を指揮するが失敗する。
登場作品: 廟行鎮の敵の陣

な行

那賀中佐
 巡洋艦鳥海機関長。
 艦政本部に勤務していた経験があり、塚田大尉の撮影した写真から、スターリン級砕氷船がペトロパブロフスク港に入港していると判断する。
登場作品: 第二次オホーツク海戦
永田鉄山
 陸軍次官。
 石原大佐の満州国の国境紛争の処理に関する協力者。皇道派の真崎大将の教育総監罷免に絡み、相沢中佐に襲われるが、小早川大尉に助けられ負傷するだけにとどまる。
 宇垣大将の首相就任に反対しないことで、陸軍の意見を統一する。のちに制度改革により関東軍司令官として転出する。
 卓越した理論家だが、青年将校には人望がなく、関東軍内部で孤立している。陸軍次官時代に周囲を説得し、宇垣内閣発足を実現した。関東軍の華北への派兵阻止に動き、日中全面戦争を回避する。新京で秋津少佐寺岡支隊編成の命を下す。さらに海兵隊の投入を進言されるが、ソ連戦力規模を過小評価してとりあわない。前線の視察でソ連軍の包囲網を実際に見、海兵隊への出動要請を決断する。
 後に関東軍総司令官。秋津中佐と信頼関係にあり、関東軍によるシベリア全面侵攻を計画する各務大佐らを抑えて、ソ連との停戦協定を開始する方向に持っていくため、イマン攻撃の前に秋津中佐を激励する。
 また、二・二六事件では皇道派の相沢中佐に襲撃される。
登場作品: オホーツク海戦、第二次オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊、殲滅ノモンハン機動戦、激突シベリア戦線、蹶起 昭和11年2月26日
永野修身
 広田弘毅内閣の海軍大臣。
 海軍艦艇の補充計画に熱意を持ち、加藤前海相が獲得した予算枠を確保するが、海軍艦政に強固な持論は持っていない。
登場作品: 黒竜江陸戦隊、昭和10年11月東京
中橋中尉
 近衛歩兵第三連隊所属の将校。
 二・二六蹶起でいったん出動して鎮圧部隊とにらみ合い一触即発の状態になったが、最終的には蹶起を断念した。
登場作品: 蹶起 昭和11年2月26日
仲屋中佐
 第八艦隊乙型駆逐艦新月艦長。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
南雲長官
 第一航空艦隊司令長官。
 水雷戦に精通しており、慎重で用意周到な司令官。撃沈した赤城と運命をともにしようとするが、草鹿参謀長に説得され長良に移動する。周りの反対を押し切って出撃させた第三次攻撃隊が完全に奇襲に成功したことからミッドウェイ上陸作戦の強行を決断する。基本的には守りの姿勢で、果敢な角田司令官と対立する。
 第三艦隊司令長官。
 伊一六八潜の米艦隊発見の報を受け、ギルバート諸島出撃を見合わせていたが、独断で艦隊をギルバート諸島からミッドウェイに転進させる。ミッドウェイ海戦で計三隻の空母を無力化するが、米軍の攻撃により旗艦加賀を失う。
登場作品: 反攻ミッドウェイ上陸戦、激闘東太平洋海戦
南部武明
 満鉄調査課観測班長。
 中国軍の攻撃の中、北満州において油田の調査を行う。その後、石原大佐の依頼によりトラクター工場の基本設計を行う会社の調査を請け負い、工場誘致のため上海へ行く。
 また、北満州油田を入手しようとするソ連の動きに気付く。
登場作品: 北満州油田占領、激突上海市街戦、殲滅ノモンハン機動戦
新山少佐
 重巡摩耶飛行長。
 塚田大尉の水偵の揚収の指揮を取るが、水偵を追っていた敵機を味方機だと誤解する。ソ連特殊部隊による砲撃の後、上空の塚田大尉に吊光弾の投下を指示する。
登場作品: 第二次オホーツク海戦
丹生中尉
 二・二六蹶起部隊皇道派将校。
 歩兵第一連隊第11中隊を指揮。
登場作品: 蹶起 昭和11年2月26日
仁木大尉
 一四三連隊の中隊長。
 第一一二連隊が占拠した鉄道橋を守っていたが、西嶋大尉による鉄道橋爆破のために撤退する。若く直情径行な人物。
登場作品: ラングーン侵攻
西中尉
 辻中尉の同期。
 騎兵学校付きで、馬術の腕はオリンピック級。粟津製作所で南部と出会う。
登場作品: 激突上海市街戦
西嶋大尉
 第五五師団副官。
 航空隊への連絡で足を運んだ飛行場で空襲のため足止めを食らう。
 牟田口司令官の独断によるラングーン侵攻で、前線の担当者として苦労する。
登場作品: インド洋航空戦、ラングーン侵攻
西山少尉
 工兵第二小隊長。
 爆破班を率いて廟行鎮の中国軍陣地の鉄条網を爆破するが、犠牲の多さから投擲機などの機材の必要性を痛感する。
登場作品: 廟行鎮の敵の陣
根室一飛
 湯浅大尉機指揮の索敵機迎撃任務に魚住一飛曹の列機として参加する戦爆搭乗員。
 若年兵でもっとも優秀な技量を持つ。魚住一飛曹の指示で電探つぶしの敵機を撃墜する。同じ作戦で戦おうとしたグラマンに対しては、恐怖に負けて撃ち漏らしてしまうが、何とか二機のグラマンの撃墜に成功する。
登場作品: 反攻ミッドウェイ上陸戦
野江中佐
 第五五師団作戦参謀。
 新町大佐が占領しようとしていた鉄道橋の爆破処理を西嶋大尉に命じる。
登場作品: ラングーン侵攻
野上少佐
 第一航空艦隊通信参謀。
 南雲長官らとともに赤城から長良に移動する。南雲長官から司令部の暗号が米軍に解読されている可能性について尋ねられ、否定はするが確信を持てないでいる。
 第三艦隊通信参謀。
 連絡要員としてミッドウェイに飛来するが、根拠地隊司令部の対応に疑念をいだく。
 最近、大津予備役大尉を連れてラバウルに転勤してきた。
登場作品: 反攻ミッドウェイ上陸戦、激闘東太平洋海戦、ダンピール海峡航空戦
野際中佐
 第一五軍作戦参謀。
 牟田口軍司令官のビルマ侵攻構想をなんとか実現させる方法を模索したが、最終的に実現不可能であると結論付けた報告を研究会で才田大尉に続いて行う。
 牟田口司令官から引き離すため、新町大佐を内地の要塞司令部付きに転出させてしまう。
登場作品: インド洋航空戦、ラングーン侵攻

は行

橋本欣五郎
 事変に反対する重臣や政治家を殺し、事変完遂のための内閣をつくるクーデターの首謀者。
登場作品: 北満州油田占領
蓮美大佐
 海兵隊連合機動部隊の司令。
 四十代なかばすぎで、積極果敢を絵にかいたような人物で士官にも関らず自ら戦闘機に乗って陣頭指揮をとる。やることは強引極まりないが、実際にはそれほど危険をおかさない。深町少佐の電探を用いて、航空撃滅戦や夜間爆撃を成功させる。また、鹵獲したソ連軍飛行機に黒崎二飛曹を搭乗させ、爆撃を行わせる。
 海軍の艦隊の防空と哨戒に熟練搭乗員を奪われるが、海兵隊機をむりやりミッドウェイに集めて上陸作戦を成功させる。占領してすぐに、ミッドウェイを撤収する時のための破壊工作を命じる。
 ミッドウェイ海兵隊司令。
 根拠地隊司令部をあしらいながらミッドウェイ防御戦を闘う。軽巡川内を水道の閉塞船として使い、米軍の上陸を妨害する。防御の重要拠点であるにもかかわらず根拠地隊司令部が放棄しようとした駐機場を座礁した天霧や取り残されたキ74特号機、壊滅し一台だけとなった戦車中隊を使って防御する。また、加賀航空隊機と魚住上飛曹らの二式陸偵により、手負いとなっていたヨークタウン型空母への夜襲を成功させる。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦、反攻ミッドウェイ上陸戦、激闘東太平洋海戦
馬占山
 馬賊の親分の抗日分子。
 孤立無援の状態で関東軍と戦っている。満州国黒竜江省主席だったが、日本軍に反旗を翻して抗日戦線に加わった。日本軍との戦闘で敗れ、戦死したと伝えられていた。一時は壊滅状態に追い込まれていたが、ソ連・アメリカの支援により再び勢力を回復し、黒竜江付近で活発な活動を展開する。
 黒竜江の小河子島に追い詰められるが、ソ連に救出される。
 ソ連が支援していた抗日戦のリーダー。
登場作品: 激突上海市街戦、謀略熱河戦線、オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊、殲滅ノモンハン機動戦、急進真珠湾の蹉跌、北満州油田占領
服部卓四郎中佐
 関東軍作戦主任参謀。
 関東軍を実際に動かしている少壮将校の一人。
 陸軍作戦課長。傍若無人な各務大佐に押されぎみである。
登場作品: 殲滅ノモンハン機動戦、激闘東太平洋海戦
パプチャップ
 蒙古系軍閥。
 清朝の皇族の憲奎を担ぎ出して日本軍の支援を得て南下するが、馬占山などの抵抗にあって失敗する。
登場作品: 謀略熱河戦線
林少尉
 二・二六蹶起を栗原大尉とともに行動する。その後満州に移駐した。
登場作品: 蹶起 昭和11年2月26日
林銑十郎大将
 前陸軍大臣。
 岡田内閣総辞職後、首相となるが政治能力の欠如により三ヶ月で首相の座を降りる。
登場作品: 蹶起 昭和11年2月26日
ハル国務長官
 アメリカの国務長官。
 日本との戦争の口実をつくるため、日本が到底のめるはずのない無茶な要求を突きつけてくる。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦
ハワード
 R.A.ハワード。アメリカ公使館の担当官。
 南部が工場誘致の商談にキャタピラー社を訪れた際に、事前調査のために事務員に扮して事情を聴取する。二度目の商談では、桑原に恫喝されて正体を明かす。上海市街戦の後は桑原が商談を進めようとするが、認可を出し渋り話を進展させない。
登場作品: 激突上海市街戦
東久邇宮
 皇族。
 近衛内閣の次期首相として、日下部東條英機を予想したのに対し、宇垣元首相が予想した人物。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦
ビッグフォックス
 リトルフォックスの仲間の工作員。
 捕虜となったリトルフォックスを無線で呼びだそうとする。
 陣内大尉がビッグフォックスかリトルウォルバリンかと推測した名前。
登場作品: オホーツク海戦
ヒトラー
 ドイツナチス党党首。
 政権を取って軍備の拡大を目指している。のちに最大議席を獲得し、一党独裁体勢の確立にむけて動いている。
登場作品: 謀略熱河戦線
樋野
 戦車第三連隊の下士官。
 ソ連軍への戦車による白兵攻撃で生き残った中戦車の乗員。損耗の激しかった特設中隊を強化するため派遣されてきた。高梨大尉の夜襲を支援し、敵部隊との戦車戦に突入する。度重なる戦闘で戦車第三連隊で最後の戦闘車両となり海兵隊の渡河攻撃に参加する。室生中尉とともにソ連対戦車部隊を攻撃し、海兵隊部隊を援軍する。
 明智少尉とともにイマン近傍要塞砲陣地を占領する。イマン市街戦にも参加し戦果をあげるが、敵航空機に攻撃され、危ういところを後藤田曹長の戦闘機にすくわれる。
 加尾軍曹と共に長躯侵攻の演習を行う。
登場作品: 殲滅ノモンハン機動戦、激突シベリア戦線、インド洋航空戦
姫川大佐
 参謀本部防衛課長。
 参謀本部に着任前は満州で現地軍の参謀をつとめていた。クーデターの計画を秋津中佐に打診する。
 ミッドウェイ前線を支援する秋津中佐と、ミッドウェイ玉砕の汚点により東條内閣からの政権委譲を狙う迫水を引きあわせる。
登場作品: 激突シベリア戦線、激闘東太平洋海戦
百武大尉
 熱河作戦臨時派遣第一戦車隊長。
 段列の整備力向上を主張する陣内中尉に理解を示す。熱河作戦を指揮し、全軍の際先端を進撃する。承徳での戦線の膠着を打破するために渡河作戦を行う。
登場作品: 謀略熱河戦線
平賀造船中将
 艦政本部顧問、東京帝大の工学部教授。
 柳井大尉の学生時代の恩師。生産性よりも性能を重視し、溶接などの新技術もあまり信用していない。佐久田少佐の設計思想と対極にいる人物。
 大艦巨砲主義を奉じる海軍造船官の首脳。
登場作品: オホーツク海戦、第二次オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊、昭和10年11月東京
広田弘毅
 元外相で新内閣の首班となる。
登場作品: 黒竜江陸戦隊
深町
 電気工学が専門の造兵官。
 北千島に向かう哨戒艦に便乗し、東北帝大工学部の恩師である八木博士が開発したアンテナを、電波探深儀として使用するための予備実験を占守島で行うが、寒さのために真空管が割れて失敗に終わる。
 北千島への電探の搬入のために乗船した光陽丸で蓮美大佐に押し切られ、湯浅大尉とともに電探による索敵を行うことになる。その後も電探観測員として戦闘に参加する。幌筵島に上陸し、その後擂鉢基地で尾辻兵曹らと合流し、占守島で電探基地を再建する。
 海軍技術研究所電波技術部所属。陸軍から派遣されてきた多知川少佐の応対をし、海軍の射撃完成技術の提供と引き換えに、陸軍傘下企業の品質管理を求める。
 電波兵器の開発の草分け。新たな防空体制を視野に入れて向居にニューギニア戦線における電探機の状況調査を依頼する。
 丸大兵器の開発に携わるが、開発主体が空技廠に移り、ラバウルへの長期出張を命じられる。命中率の高い新型高角砲の調査を実施し、小河内大尉の「銀河」による強行偵察を実施する。ワニゲラ侵攻作戦で北原中尉に同行して高角砲弾の奪取に成功する。
登場作品: 第二次オホーツク海戦、撃滅北太平洋航空戦、激突シベリア戦線、ダンピール海峡航空戦、電子兵器奪取
藤岡少尉
 第五五師団工兵連隊の小隊長。
 詫間連隊長の鉄道橋夜襲に加わったのち、西嶋大尉による鉄道橋爆破に協力する。さらに、萱津少佐からの依頼を受けて、破壊された鉄道橋を利用して戦車を渡河させる為の急速架橋を実施する。
登場作品: ラングーン侵攻
藤波中佐
 伊一六八潜艦長。
 サンディエゴ沖を哨戒中に訓練中の米空母機動部隊を発見する。慎重に追跡を行って艦隊に魚雷攻撃をかけた後、沈着に艦を操って反撃から逃げのびる。さらに元の海域に引き返して帰還中の米空母を撃沈する。また、新型空母の雷撃を艦隊司令部に報告するが、問題視されずに片づけられてしまう。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
藤本少将
 船殻設計を担当する艦政四部の設計主任だったが、水雷艇友鶴の転覆事故の責任を取り、他の部門に転出した後、病死する。
登場作品: 第二次オホーツク海戦
逸見中佐
 南海支隊参謀。
登場作品: ラングーン侵攻
チャンドラ・ボース
 イギリスからの独立を目指す民族運動の指導者。
 シンガポールで樹立された自由インド仮政府の主席でインド国民軍司令官。牟田口軍司令官は彼の影響でインドへの侵攻にこだわっている。
登場作品: インド洋航空戦
北条中佐
 英領ビルマにおける謀略工作を担当しているモールメン特務機関員。
 アウンサン司令官とともに牟田口司令官を訪れ、ラングーンまでの早期攻略を促す。癖のある人物で自分の意見を通すためなら大げさすぎる演出も厭わない。
登場作品: ラングーン侵攻
保科中佐
 戦車第三連隊を中心に、野砲兵中隊や軌道歩兵大隊を組織した保科支隊の指揮官。
 増援軍として第一五軍に合流する。
登場作品: ラングーン侵攻

ま行

真崎大将
 真崎甚三郎。皇道派の中心人物。
 教育総監を罷免されるが、このために皇道派の青年将校の怒りは統制派の永田軍務局長に向かう。
 二・二六蹶起事件時、皇道派の領袖であった。内閣で陸軍大臣に就任するが実行が伴わず求心力を失う。
登場作品: オホーツク海戦、蹶起 昭和11年2月26日
松岡洋右
 ジュネーブの国際連盟に派遣される特命全権大使。
登場作品: 謀略熱河戦線
マッカーサー将軍
 東部ニューギニア方面の連合軍司令官。
 緒戦でフィリピンを追われ、奪回を目指している。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
松平大使
 ジュネーブ軍縮会議の主席全権。
登場作品: 謀略熱河戦線
万福麟
 黒竜江省主席。
 北京におり、馬占山将軍に麾下の全部隊の指揮権を委譲する。
登場作品: 北満州油田占領
三川大佐
 重巡鳥海艦長。
 幌筵海峡での第二次オホーツク海戦を指揮する。ソ連極東艦隊を撃破するが、氷に閉じこめられるのを怖れ、ソ連輸送艦を攻撃せずに流氷帯から引き上げる。
 その後海軍第八艦隊司令長官。
 第二次オホーツク海戦で勝利しながら輸送船団を取り逃がし、抗日勢力の戦力を回復させてしまった経歴を持つ。
登場作品: 第二次オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊、ダンピール海峡航空戦
瑞垣少佐
 真珠湾の第一次攻撃隊指揮官。
 攻撃力の低下を嫌い電探の使用を拒絶するが、思いがけない敵グラマンの来襲により攻撃が不十分に終ったことから電探の価値を認識する。電探機を含む第三次攻撃隊を組織し、空母サラトガを損傷させるが、帰還後は母艦加賀が損傷し避退したため瑞鶴に移動し、索敵などの地味な作業にまわされる。敵空母の攻撃命令を受け、エンタープライズの影に隠れるレキシントンを発見し、撃沈した。
登場作品: 急進真珠湾の蹉跌、反攻ミッドウェイ上陸戦
水谷兵曹
 伊一六八潜乗組員。
 左舷後方の見張りを担当し、米駆逐艦を発見する。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
瑞浪大尉
 尾辻兵曹が避難した陸軍陣地の砲兵。
 尾辻兵曹が避難してきたことを海軍に連絡せず、持ち込んできた電探で砲撃を賭けてくる敵砲艦の位置の測定をもちかける。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦
箕島中佐
 蛟龍江島艇、安永艇をグッドイナフ湾の戦闘に投入する輸送隊を指揮した最先任艦長。
登場作品: ニューギニア攻防戦
宮地中佐
 関東軍参謀で熱河作戦の推進者。
 陣内中尉の情報を利用して馬占山の暗殺を謀るが失敗する。熱河作戦に呼応して溥儀を天津から連れ出し、満州国の皇帝にすえる計画を立てていたが、日下部にすっぱ抜かれる。戦車を用いた長城戦の突入を計画し、渡河作戦を失敗させるために久喜曹長に陣内大尉らの偵察部隊の暗殺を命じる。熱河作戦終了と同時に台湾軍司令部付きとして転出する。
登場作品: 謀略熱河戦線
宮下大尉
 キ74特号機操縦士。陸軍士官。
 試作機であるキ74特号機を満州からミッドウェイに持ち込む。ミッドウェイでも活躍するが、海軍機が退避したあとも駐機場に取り残され、加納中尉らと協力して防御戦を行う。積極的な電探の使用や無線封止を行わない電信の使用など通常のやり方とは異なる運用をする。
登場作品: 激闘東太平洋海戦
三谷原司令官
 第一一水雷戦隊司令官。少将。
 身なりは大雑把だが戦略については柔軟で緻密な思考ができる。八槙少佐に上陸二日間での飛行場制圧を要求する。
登場作品: インド洋航空戦
宮脇大尉
 第一八軍後方参謀。
 軍司令部で一番の若手だが、識見や分析力は秋津中佐も一目置いている。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
向居
 日本電業の電波探信儀の技術者。
 深町技術中佐の依頼でブナ基地の電探の状況を調査し、ラバウルに戻る潜水艦で秋津中佐と出会う。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
牟田口軍司令官
 牟田口廉也第一五軍司令官。
 独走気味であまり人望はない。
 ビルマからインド本土への侵攻と言う壮大だが輸送や補給を考慮しない計画を持っており、そのための研究会を開く。ビルマ侵攻計画での戦車隊の増援を断る。
 北条中佐に促され、南海支隊によるポートブレア攻略を待たず、単独でのラングーン侵攻を決断する。
 戦況が怪しくなり奇矯な行動が目立ち始めるが、新町大佐の内地転出により大人しくなる。
登場作品: インド洋航空戦、ラングーン侵攻
武藤大佐
 武藤章。陸軍作戦課長で石原部長の部下。
 関東軍への兵力派遣と引き換えに、海軍による河川警備を関東軍にのませる。
登場作品: 黒竜江陸戦隊
棟方
 海兵隊戦車第一小隊所属。
 九五式対空戦車改でミッドウェイ上陸作戦に参加し、蓮美大佐の指令で敵滑走路を迂回して背後から米軍陣地を攻撃する。基地占領後は米軍から鹵獲した重機で塹壕などの穴掘り作業をしていたが、蔵本特務中尉から滑走路の破壊を依頼される。
 海兵隊九七式中戦車小隊。
 ミッドウェイ東島を防御する。中隊長戦死後は代理をつとめ、加納中尉らが守る駐機場の防御に合流する。索敵機を飛ばすため滑走路を防御し、中隊最後の戦車を失う。その後もミッドウェイ東島の防衛戦を続ける。
登場作品: 反攻ミッドウェイ上陸戦、激闘東太平洋海戦
村井総領事
 上海の総領事。
 日本海軍の集結を背景に、呉鉄城上海市長に抗日救国会の解放を含む数項目の要求をつきつける。
登場作品: 激突上海市街戦
村中大尉
 二・二六蹶起に隊外から丹生中尉の中隊に合流した皇道派将校。
 前年夏の士官学校事件の首謀者として軍を追われていた。
登場作品: 蹶起 昭和11年2月26日
室井中佐
 第四艦隊航空参謀。
 演習のため空母龍驤に乗りこむが、アメリカから馬占山軍への援助物質を乗せた貨物船団の長距離捜索を行うこととなり、司令部要員として船団の空中捜索の計画を担当する。
登場作品: オホーツク海戦
室生中尉
 陸軍戦車第四連隊試製第一号砲戦車砲戦車小隊の小隊長。
 上川大尉の助言などにより、装甲のうすい現行の戦車での戦術を考え出し、有効な攻撃を敵に与える。安岡支隊解散後、寺岡大佐の指揮下に入る。寺岡大佐の命で特設中隊をひきいて歩兵七一連隊の指揮下に入る。高梨大尉が奪回した陣地でソ連軍の配置図を入手し、司令部に報告に行く。海兵隊と合流した渡河攻撃では、海軍の戦車に遅れをとるが、対戦車部隊に追い詰められた海兵隊の戦車を救出し、海兵隊から部隊感状をもらう。
登場作品: 殲滅ノモンハン機動戦
室谷艦長
 重巡摩耶艦長。
 第四戦隊と駆逐艦軍を指揮する。ソ連海軍のオホーツク海突破はないと考え、船団の出動を見送る。
登場作品: 第二次オホーツク海戦
メルクル
 ドイツの技術将校。
 ドイツから日本に派遣され、対戦車砲タ弾の開発を指導する。
登場作品: 激突シベリア戦線

や行

八木司令長官
 第四艦隊司令長官。
 艦隊が台風にあうが、極東艦隊への通信傍受の恐れがあるため通信封鎖をとかず航行を続ける。
登場作品: オホーツク海戦
八木博士
 東北帝大での深町大尉の恩師。
 電波探深儀に使用する、指向性に優れた、八木・宇田アンテナを開発する。
登場作品: 第二次オホーツク海戦
矢崎少佐
 空母龍驤の乗員。
 台風の際、艦橋に居た室井中佐を呼び戻そうとするが、間にあわず、艦橋は破壊される。
登場作品: オホーツク海戦
安岡
 安岡支隊の長。
 戦車の価値を軽視する関東軍参謀により支隊を解散させられる。
登場作品: 殲滅ノモンハン機動戦
安永少尉
 江島中尉の僚艇の艇長。
 グッドイナフ湾の輸送艦隊襲撃で泊地攻撃を敢行し、艇を失ったが、江島艇の雷撃及び戦線離脱を助ける結果となる。
登場作品: ニューギニア攻防戦
柳井
 佐久田少佐の部下で、海軍の造船大尉。
 東京帝大工学部出身で、平賀中将の教え子。オホーツク海戦当時、巡洋艦古鷹で乗艦実習中で、交戦によりアウトレンジ戦法がそれ程有効でないことを知る。哨戒艦の設計を研究するため、小早川大尉らの陸戦隊の演習に立ち会う。
登場作品: オホーツク海戦、第二次オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊
山尾技師
 舞鶴工廠の技師。
 佐久田中佐の量産型護衛駆逐艦建造のため、柳井大尉と打ち合わせをする。
登場作品: 黒竜江陸戦隊
山県
 歩兵連隊長。
 水不足と兵の疲労のため、戦車連隊との合流が遅れる。その後一度は敵陣を突破するが、逆に押し込まれる。
登場作品: 殲滅ノモンハン機動戦
八槙少佐
 上陸部隊との連絡のため海軍第一一水雷戦隊旗艦「多摩」に乗艦した陸軍参謀。
 庄村一飛曹らの情報を元に、間道からの敵陣地攻撃を成功させる。
登場作品: インド洋航空戦
山口多聞少将
 第二航空艦隊司令部参謀長。
 「人殺し多聞」の異名をとり、積極果敢を絵に描いたような参謀長。いつも積極的な攻撃を行う意見を小澤長官に具申する。
登場作品: 急進真珠湾の蹉跌
山崎艦長
 重機をブナに輸送する一一二哨戒艇の艦長。
 予備士官だが経験豊富な艦長。
 ワニゲラ侵攻作戦では北原小隊を乗船させる。司令部からの作戦中止命令を受けたが、北原中尉とともに作戦を強行する。
登場作品: ダンピール海峡航空戦、電子兵器奪取
山下
 山下奉文中将。第二五軍司令官として開戦後七十日で英領シンガポールを攻め落としたマレー作戦の指揮官。
 東條首相に疎んじられたため、日本に凱旋することなく、関東軍第一方面軍司令官として満州に赴任する。辻中佐らの悪印象のため、参謀本部から赴任してきた秋津中佐を警戒する。
 二・二六事件当時は少将。蹶起部隊が行動を起こす直前に丹生中尉を説得し、蹶起を未然に防ぐ。
登場作品: 激突シベリア戦線、蹶起 昭和11年2月26日
山瀬艦長
 航洋型潜水艦伊二七潜の艦長。
 敵空母ハーミズに肉薄攻撃をしかけ撃沈する。
登場作品: インド洋航空戦
山田少佐
 山田隆三。上海公使館付きの武官補。
 上海に工場を持つ日本の法人の資金援助を受け、上海に騒乱をおこし日中の軍事衝突をひき起こすため、中国人の無頼漢を金で雇って日本人僧侶を襲わせようとしたり、不敬記事を載せた偽の上海詳報をばらまくなどの謀略を進める。
登場作品: 激突上海市街戦、殲滅ノモンハン機動戦
山本中尉
 特型格納筒母艦の砲術長。
 帰投した酒巻少尉の世話をし、戦況について話をする。
登場作品: 急進真珠湾の蹉跌
山本五十六
 海軍航空本部長。
 大艦巨砲主義を否定し、航空主兵を唱える。
 海軍側代表としてロンドンの軍縮会議に出席する。
 連合艦隊司令長官。
 ブーゲンビル島ブイン基地で前線を視察中に機が撃墜されるが、暗号の漏洩に起因するとうわさされた。
登場作品: 黒竜江陸戦隊、激闘東太平洋海戦、昭和10年11月東京、ダンピール海峡航空戦
山脇
 ブナの飛行場設定隊に同行し、作業員の現地徴募に尽力する軍属。
 敵偵察隊の調査に陣内少佐と同行する。
登場作品: ダンピール海峡航空戦
湯浅大尉
 光陽丸を旗艦とした船団の連絡機を操縦する海兵隊の搭乗員。
 深町少佐とともに電探による索敵を行い、深町少佐下船後は単機で索敵を行う。航空殲滅戦では効用丸上空で攻撃を指揮する。
 海兵隊の電探機に乗る士官。ミッドウェイからの魚住機とともに米艦隊の索敵機を迎撃する任務を指揮するが、電探つぶしの敵機に妨害される。魚住らが電探つぶしを攻撃する間、四機のグラマンの囮となってしばらく持ちこたえるが、撃ち落とされて不時着水する。
登場作品: 撃滅北太平洋航空戦、反攻ミッドウェイ上陸戦
楊虎城
 西北軍.。
 張学良とともに蒋介石を逮捕する。
登場作品: 黒竜江陸戦隊
吉岡中尉
 油田調査地域を確保する中隊の、各務大尉の前任の中隊長。
 チチハルでの戦闘で狙撃され、戦死した。
登場作品: 北満州油田占領
芳沢謙吉
 幣原喜重郎のあとを受けて国際連盟代表から外相に就任したが、すぐに罷免された。
登場作品: 謀略熱河戦線
吉田茂
 外務官僚。
 前イタリア大使。もと奉天総領事で外務官僚。宇垣首相の制度改革により文民として初の満州国特命全権大使となる。
 岡田大将とは別に宇垣大将の首相擁立に動いている。
登場作品: 謀略熱河戦線、黒竜江陸戦隊、殲滅ノモンハン機動戦、ダンピール海峡航空戦

ら行

李杜将軍
 吉林省軍の将軍。
 丁趙将軍とともにハルビンにいる。
登場作品: 北満州油田占領
リットン卿
 上海市街戦の直後、満州の調査のためフランスを出発する。
登場作品: 激突上海市街戦
リトルウォルバリン
 リトルフォックスの仲間の工作員。
 ビッグフォックスと共にリトルフォックスを無線で呼びだす。
 陣内大尉がビッグフォックスかリトルウォルバリンかと推測した名前。
登場作品: オホーツク海戦
リトルフォックス
 馬占山軍のの部隊のアメリカ人軍事顧問としてアメリカから潜入したもと工作員。
 陣内機関の夜襲にあい捕虜となる。捕らえられているところを、味方であるはずのにより殺されそうになるが助かる。
 陣内大尉の配下に加わる。馬軍の物資集積所攻撃の際には無線係として小早川少佐と行動をともにし、負傷した劉永烈を殺す。小河子の栗原支隊の救出では馬軍の無線を傍受する。
登場作品: オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊
劉永烈
 馬占山軍の工作員。
 北満の抗日武装闘争の根拠地建設のための調査を行い、陣内機関にマークされる。リトルフォックスが陣内大尉に捕らえられたときに、彼の抹殺のために何度も大尉の部隊を襲撃した。馬軍の物資集積所を防御していたが、録剛の砲弾の破片で負傷し、リトルフォックスに殺される。
登場作品: オホーツク海戦、黒竜江陸戦隊
劉少奇
 中国共産党中央の幹部党員。
 たび重なる弾圧で多数の逮捕者をだした満州省委員会をたてなおそうとするが、困難な闘争を強いられている。
登場作品: 北満州油田占領
ルーズベルト
 ジュネーブ軍縮会議頃にアメリカ大統領に就任し、極東政策の見直しを始める。
登場作品: 謀略熱河戦線

わ行

若槻首相
 事変当時の内閣首相。
 油田発見の前年十二月に内閣がたおれる。
登場作品: 北満州油田占領

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